2023/02/19 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にネロテアさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からネロテアさんが去りました。
■タマモ > どうやら、最初に居た者も、逃げ去った後か。
軽く、誰も居ない周囲へと視線を巡らせ、ふむ、と頷けば。
「………さて、何やら呼び出しか…戻るとしよう」
ふと、視線を富裕地区のある、その方角へと向け。
ぽつりと呟き、とん、と地面を蹴る。
と、次の瞬間、その見はふわりと、建物を越える高さへと舞い。
そのまま、その姿は闇夜の中に消えるのだった。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からタマモさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にアスリーンさんが現れました。
■アスリーン > 王都の貧民地区はそれなりに情報通が多いだろうが、彼らにとっても【彼女】は初めて見る顔だろう。
上品で清楚な風貌、少女めいた童顔を思わせる垂れ気味の双眸。
色白で、虹のように光を反射する髪は長く艶めき、高貴な者と言われれば確かにと納得する。
纏う法衣は白に金の刺繍。それだけで教会関係者かとわかるものだが、精通している者がいれば"どこの教会にも属していない柄"とわかるだろう。
それだけを見れば、カモである。
貧民地区に女が一人で出歩いている。高貴な雰囲気と清廉とした雰囲気。
ころっと騙されて暗い所へ連れ込まれれば、身ぐるみ剝がされて純潔を穢されて、下衆な者たちの食い物にされ消費されてしまうだけの存在。
しかしそうされないのは、偏にその【巨躯】のせいだろう。
平均を1メートル以上もオーバーした2.8m近くある巨躯。
グラマラスな胸元や大きなお尻も、大きすぎるという理由。
声をかけて、だまして連れ込んで、食い物にするには彼女はいささか「大きすぎる」のだ。
巨人の血でも入っているのか、入っていてもおかしくはない。
彼女がかるく手を振るだけでも、普通の人間は容易に吹き飛ぶし、複雑骨折も免れられまい。
最悪死ぬ。
故に、道行く彼女に声をかける者はいなかった。
近づく者もいなかった。
そんな状況も厭わず、貧民地区を歩くアスリーンはぽややんと暢気な表情で、とくに宛てもなく散策している様子だった。
「あ。人!」
ようやく見つけた人のもとへ近づいていく、どしんどしんと音が立った。
その音に怯えた誰かは、悲鳴を上げながら逃げて行ってしまった。
「あっ、まって~待ってください~! ……はぁ…また逃げられてしまいました…」
しょんぼりと肩を落とす。先ほどから彼女は、これの繰り返しだ。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にリネアさんが現れました。
■リネア > 貧民地区には似つかわしくない程の小綺麗な格好の少女が無警戒に歩いている。
それなのにもかかわらず普通に歩いていけるのは精霊が守ってくれているからだろう。
精霊にとって好みではない者に対してはガードされているのか貧民地区を小さな少女が歩いていても何もされていない。
「何か……面白いこと無いかな」
リネアにとっては少々退屈だが。
そんな時、嫌でも目立つ女性、リネアも見たこと無いような巨大な女性が嫌でも目に入る。
外見は一応人間のようだが、精霊も特に反応はない。
これは安全ということか、もしくは精霊好みの出来事が起きるのか。
「うわあ、おっきなお姉さん」
ぽつりと呟いて物珍しそうにじっと見つめていた。
■アスリーン > 歩いているだけなのに人が逃げていく。
それほど警戒されるようなことは何もしていないにも関わらず。
だが当人は大きいというだけ以外にも理由があった。
闇に生きる悪心を持つ者が太陽の光を嫌うように、邪なことを考えるものはアスリーンの姿を眺めているだけで悪寒が奔るのだ。
この国にはさぞ、天に顔向けできない者が多いのだろう。
そんな中で聞こえてきた華憐な声。
「あら?あらあらあら?まぁ~~♡」
すぐに声の出どころである少女を、アスリーンは見つけた。
彼女の倍近くはある背丈。縦にも横にも大きい。どこもかしこも大きい。
なのでおっきなお姉さんというのはただしい感想だ。
そんな女性が近づいてきてもなお逃げ出さないのであれば、アスリーンは少女の前で足を止めて、両手を合わせて嬉しそうに微笑むだろう。
逢えて嬉しい、とても嬉しい、頬を色づかせ、満面の笑みを咲かせながら、少女の前へ膝をつく。
「まぁ…なんて可愛らしいお嬢さんでしょう。
こんにちは、わたくしはアスリーン。人々を幸せにする為、人の世を歩む者です。
可愛いお嬢さん、あなたのお名前は何ですか?」
高い高い空を思わせるセルリアンブルーの双眸が、じぃっと少女を見つめる。
教会の鐘を鳴らすような、よく通る耳心地のよい声が少女の鼓膜を通る。
彼女には悪意も悪心も害意もないのが、よくわかるだろう。
■リネア > 目が合ってよほどうれしいのかリネア目線でものすごい勢いで近づいてくる。
目の前で膝を突かれてようやく視線が合うだろうか。
「私はリネア、です」
声を聴いただけで頭がふわっとするような感覚。
僅かにあった警戒心は解けて何かに浮かされたかのようにアスリーンに抱きつこうとする。
「えっとね、リネアは今も幸せだよ、エッチなこといっぱいしたらいっぱい幸せになるの、お姉さんもリネアといっぱい幸せになるの?」
寝付いた猫の様にアスリーンに頬を摺り寄せる、初対面でもなぜかこの人は信頼できる。
そう思い全てを委ねるように体を預けようと。
「えへへ、アスリーンお姉さんはいい人だね、リネアはアスリーンお姉さん大好き」
耳元でささやく。
精霊も何もしないということは彼女はリネアにとって害をなすものではないのだろう。
少なくとも命は取らない。
だからリネアも無警戒に好意を示した。
■アスリーン > 「まぁ♡とても可愛らしいわ。あなたはリネアというのですね」
幼子がするように手を伸ばす少女を、当然のように抱きとめる。
抱き潰さないような適度な力加減で、大人になりかけの年齢であろう少女を腕の中に抱きしめる。
少女の顔ほどもあろう大きな掌、その指先は細くとも少女にとっては大人の指三本分には値するだろう。
「リネアは今幸せなのですね。それはとても良いことです。
リネアの周りにいる"これら"の影響でしょうか?」
精霊からすれば、アスリーンは全身に神聖な力を宿していることが知れよう。
彼女が纏う精霊たちが、アスリーンには見えている。
敵愾心がないのであれば、気にしない。
何故情事をすることで彼女を幸福にするかは不明だが、その理屈を理解しようとは思わないのだ。
さておき、可愛くすりついてくる少女の黒い髪を撫でながら、膝の上に乗せる。
アスリーンの大きすぎる胸も当たってしまうが、その谷間に少女を抱くようにして。
「ふふふ、いい人、ですかぁ。とてもとても嬉しいです、リネア♡」
いい子いい子、と撫でる。
その姿は可愛くてお気に入りの人形を愛でるかのように、掌で少女の腹部を抱えるようにしながら、アスリーンは自分の頬に手を当てた。
困ったことに、自分の使命と少女の条件がいささか合わないようだ。
「しかしどうしましょう……リネアはすでに幸せな子。
幸せな子をさらに幸せにするのは、いささか平等性に欠けますねぇ」
■リネア > 抱きとめられれば安心したような笑顔を見せる。
これほど大きな女性に抱きしめられたことは初めてだが恐怖心はなく。
「精霊さんの事……分かるの?」
少しだけ驚いたような表情を見せる。
アスリーンの大きな胸の匂いを吸うように大きく息を吸って。
「お姉さん、いい匂いする……えっとね、精霊さんの力でエッチなことをするとお金がもらえるの、リネアもお父様もお母様もこれで幸せになったの、だからリネアはこれでみんなを幸せにするの、お父様もそうしなさいって」
理解されるかは分からないが精霊の説明をする。
そもそも見える人が稀で子供故かイマイチ要領を得ないかもしれないが。
撫でられて嬉しそうな顔するが困ったような顔をするアスリーンを見て。
「えっとね、幸せになるのはいっぱいなっていいんだってお父様が言ってた、アスリーンお姉さんもリネアと幸せになるの、リネアも嬉しい」
そう言うと自らワンピースの肩ひもを外そうとして。
■アスリーン > 「ええ、ええ、わかりますとも。わたくしもまた似たようなものですからね。
彼らが何の目的かは知りませんけれど、わたくしと同じなのですね。
リネア、あなたはわたくしと同じ、幸福を与える側なのでしょう。
であるならば、わたくしたちはお互いに与え合うべきではありません」
少女を沢山撫で、親が子に優しく寝物語を語るように告げ、うんうんと微笑みながら少女を降ろす。
彼女と、その周りにいる精霊が誰かを幸せにするのであれば、少女はアスリーンと同じ【与える側】。
考え方はどうあれ、アスリーンは幸せを与えはしても、与えてもらうつもりなど毛頭ないのである。
何故ならアスリーンは幸せになりたいとは思っていない。
少女が幸せではない、今が辛い、消費されるだけで幸せではないというのであれば、アスリーンは少女を幸せにするつもりでいたが。
今アスリーンは、リネアを自らと同じ、幸福の体現者とする同士として見ている。
「さあ立って、同士リネア。
わたくしと同じく、他者に幸せを与える可愛い子。
わたくしたちは同じ使命を持って、互いの道を歩みましょう」
少女を膝の上から下ろした後、外そうとする肩ひもをそっと戻す。
少女が幸せにすべきはアスリーンではないと教えるように。
いい子いい子と指で少女の頭を撫でた後、アスリーンは立ち上がる。
精霊の力を通して見れるならば、アスリーンの背中には三対の六翼が見えたかもしれない。
慈愛と使命感に満ち溢れた笑顔で少女に手を振り、再びアスリーンは歩み出した。
その大きな背中は暫くは見えていたかもしれない。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からアスリーンさんが去りました。
■リネア > 「そっかーじゃあしょうがないね」
言っている意味はよく分からなかったが、悪い人ではなかったようだ。
目的が合わなかった、それだけだろう。
後ろ姿を見送ってから日も暮れるので家路についた。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からリネアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にキールさんが現れました。
■キール > 鉄棍片手に貧民地区をぶらぶらと歩く男。
男の身長よりも長く太い棍を軽く持つ男。
其れを握る手も大きく腕や腰、足回りと分厚い筋肉が厚手の服を盛り上げ影を作る。
一暴れした後で腰にぶら下げた皮袋の中では歩く度に硬貨がじゃりじゃりと御機嫌な音を奏でている。
臨時収入には満足しているがまだまだ満足はしていない。
暴力か、性欲か、食欲か、酒か、いずれかで発散させるつもりだが、そのどれかに絞ることをしていなければ気の向くまま足の向くまま貧民地区を進んでいる。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からキールさんが去りました。