2023/01/11 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にステイラさんが現れました。
ステイラ >  
一人の子供が仄暗い貧民街の路地をフラフラと歩いていた。
お世辞にも治安のよい場所といえないこの辺りでは、日中でも子供が一人で出歩くことなどまずありえない。
否、出歩くことがあるとしても、相応に身なりのいい子供が一人で歩いていることは無いだろう。

「うーん、なにかおもしろいもの……ないかにゃ?」

そのふわふわとした衣装を纏った、青みの交じった銀髪の子供はそう呟きながら、周囲をキョロキョロと見回しながら歩いていく。
このような場所であっても、否、こういう場所であるからこそ華やかで賑やかな所もある。
どうやら彼は、そうした賑やかさに惹かれて、こんな場所まで彷徨いこんでしまったらしい。
ミレーの里からその頭と尻尾を、精霊の加護で隠してまでこんな場所に来たステイラは、時折こうして興味本位で色々な場所に足を踏み入れてしまうのだ。

ステイラ >  
とはいえ、加護もあるが故かそうそう危険には現状巻き込まれてはいない様子。
今も物珍しげに周囲を見回してはいるが、それを気にしているような者は目につかない。
少なくとも、彼がそれに気が付いてしまいそうな相手は居ないようで。

「んー……あ、そろそろいかないとだにゃ」

そんな折に、はっと思い出したかのように彼は空を一瞥して時間を確認する。
どうやらそろそろ彼の里へと帰る時刻が迫ってきているようだ。
そのまま彼は速足にその場を後にする。あとにはふわりとした彼の毛が、ほんのわずかに残されて。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からステイラさんが去りました。