2023/01/05 のログ
シャルティア > 娼婦たちに飴を配り終える。路地のすみっこで一人胸を張り

「がんばった! 他のとこにも配る!」

ちっちゃな羽根が背中に現れる。少年はひゅいんっと軽快な動きで空に舞い上がって、そのまま王国の上空に飛び去っていって

ご案内:「貧民地区/平民地区との境付近にある娼婦区画」からシャルティアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にラフェッテさんが現れました。
ラフェッテ > 普段から騒がしいことの多い貧民地区。
そんな貧民地区の路地裏で男たちの怒声が上がっては走り回る音が響く。

「ばーか、捕まらないよー」

『マテや!クソガキ!!』『いい加減諦めろ!』

後ろから聞こえる怒声に馬鹿にするように声を飛ばしては路地裏を器用に駆け回る。
怒声を上げ追いかけてくる男たちは体の大きさや数の多さのせいもあり、道の狭さやお互いが邪魔になって距離は開くばかり。

そうして男たちの見えるぎりぎりで角を曲がって更に駆け、小柄な体を生かして物陰に飛び込み隠れる。
少しすれば追っては大声を上げ騒動に隠れた場所の傍を駆け抜けていき。
それを確認すれば物陰から抜け出して。

「こっちだよ、こっちこっち!」

走っていく背中に声を上げては真逆に走り出し。
背後から遠くに聞こえる声に笑みを浮かべてはきた道をかけて。

ラフェッテ > そうして駆けて駆けて。
後ろを時折に振り返れば遠目に見える追手の男たち。
その姿にベーっと舌を出せば聞こえるのは更にヒートアップした怒声。

「あはは、やりすぎたかもー」

そうは思うが面白そうに笑っては右に左にと路地を駆け。
そして男たちが見えなくなれば今度は隠れる訳ではなく、路肩に置かれた荷物を足場にして身軽に建物の屋根に駆け上がり身を伏せる。

しばらくそうしていれば下の路地を追手の男たちが走っていくのが足音と声でわかり。
それは聞こえなくなれば起き上がって、楽しかったと笑えば屋根の上を平民地区へ向けて駆けて去っていき。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からラフェッテさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にテンドンさんが現れました。
テンドン > 此処を貧民地区にある古めかしい酒場の一席だと想像して欲しい。
外は寒すぎてサムになるので暖炉だけはがんがんに効かせている。
その直ぐ近くの席に陣取っているので然程に此処では肌寒さを感じない。
天然自然の冷凍食品が出来る季節である為か、客入りは普段よりも良いぐらいだ。
なけなしの金を投じて塩入のエールとかびた腸詰をかしがみに来ている者達で賑わっている。
そんな喧噪からは少し離れている位置に居ると考えていいだろう。
古惚けて壊れかけていても何度も修繕して何とか椅子としての体裁を保っているそれに腰掛けていた。

テンドン > 「というわけで、準備!」

テーブルの上には奇妙なものが並んでいる。
いや、まずは奇妙ではないものから描写しよう。
酒場で提供される安酒に料理、ツマミの数は多く、
見た感じにおいて食器を使うよりも手掴みで食べ物が多い様だ。
しかし明らかに食事に使うものでないものも用意されている。
拡げられた巻物状の羊皮紙。何枚も在る。
その内の一枚二枚は席に座っているテンドンが懐に抱え込んでいた。
そして木彫りの人形、これはとても小さく掌の上に乗る程度。
更に骨や硝子製のサイコロが幾つも卓上には陣取っている。
他にも席にはそれなりに他の客人達の姿がまばらながらに同席している。

テンドン > 「これよりTRPG(テーブルトークゲーム)を開始します。GM(ゲームマスター)はボクね!ぱちぱちぱちー!」

片隅で鳴り響く拍手喝采の音。

「今日は皆の大冒険の始まりだったね。一騎当千の強者、剣を振るえば竜の首をも落とし。唱える魔術とその叡智は空の星々すらも動かす――に、なれればいいよね!」

「皆にはまず近隣の村で依頼を受けて小鬼(ゴブリン)の退治をして貰います。まずは各自自己紹介からやって貰ってもいいかな?」

物流豊かな王都マグメールに立ち寄る行商人から捨て値で買い付けた品物が幾つか。
その中には卓上でサイコロを振って御話をするだけで事足りるゲーム、なるもののルールブックが混在していたのだ。
外は寒く凍れる程、ならば家の中で遊べる遊びに興じようではないか、という事で人を集めていたという次第になる。
テーブルに集まっているプレイヤー達が次々に、赴くがままに作った自分のキャラクターの紹介を始めて行く。

テンドン > 「おー」

だの。

「へー」

だの、その各自の説明を聞きながら相槌を打っている。
合間に手元においてマスタースクリーンにおける羊皮紙(ルール&シナリオ)を確認中。

テンドン > 時に脱線した世間話に移ろいながら、概ねにおいては駄弁りながら遊ぶ他の遊興と殆ど変わりは無い。

「…じゃあ、こんな所かな。これより『結晶鉱山の小鬼達』を開始します。ボクこういうの始めてだからお手柔らかに!宜しくお願いしまーす!」

ぱちぱち、と、疎らに拍手が返って来る。
皆まだ、プレイにさして身が入っていない為。
間を繋ぐ為に卓上に配膳されている料理が思う他に消費されるペースが速い。

「おほん。では、皆さんは冒険者です。何時かは英雄になって酒場で詩人さんの物語として語られるひとかどの人物になるかも知れません。でも、今はまだ産まれたばかりの雛、あるいはまだ孵化していない卵です」

「どんなお仕事でも下積みは辛いけれども大事だよね。実績を積み上げて、この人ならきっとこれは出来るだろう、という信頼を集めないと難しい仕事は回しては貰えません!」

「でも毎日を食って行くには仕事をしないといけない!そうしないとこの酒場のお会計だって無銭飲食しないと!そんな事してたら直ぐにお縄だよね?という訳で何につけてもまずはお仕事です!」

テンドン > 「そういう訳で初心者(ノービス)同士に徒党を組んで、一つ簡単なお仕事に手を着ける事に決めたのです。ええとね……」

手元の羊皮紙を語る合間にじろじろと覗き込み。

「近隣の村で、ええと、もう閉じちゃった廃鉱があるそうなんだけれども。そこに流れ流れて来た小鬼達が住み着いちゃったんだって。しかも村の方にまでちょっかいをかけて来るから、もう堪ったもんじゃありません!」

「大人なら追い払えるかも知れないけれども、子供とかが狙われたら危ないもんね。後家畜とか。なので早急においてこれを何とかしないといけません!そこで皆さんに御鉢が回ってくるというわけです!」

テンドン > 目の前ではロールプレイを始めているプレイヤー達の風景。
それをにやにやしながら見守っている。

「…では、皆はそのまま村にへと足を運んで――」

そして夜の酒場の片隅で語らいは続くのであった。
ゲームは順調に進み、鉱山に潜んでいる小鬼。
加えて少々の伏線を敷いて謎を残し。
無事に終わりを迎える事になるのです。
貧しくとも色々と夜長の過ごし方は在るのだという話、どっとはらい。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からテンドンさんが去りました。