2022/12/26 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/通り」にビョルンさんが現れました。
ビョルン > 粉糠雨降る夜。
年越菜近くの礼拝帰りの民草は常よりも己を存在しないものと扱っているように視線を遠ざけているようだ。

酒場の外壁に一人凭れて吐き上げる吐息はすぐに白く曇った。

こんな寒い日だからこそ、監視はついているだろうか。
生活を賭けての立ちん坊ではないが、夜風のしのげる場所に入れるのなら誰に買われても良いとすら思う。
かじかむを手ケープの下へ隠して腕を組んだ。

ビョルン > 寒い、などと呟けどもそれが和らぐ道理もないから余計な声を上げることもなかった。
俯きがちの視界に上から下へと白いものが過ぎれば夜空を見上げる。

雨だと思っていたものが雪に変わってもおかしくはない寒さだ。
こんな夜は人通りが絶えることも珍しくない。
独り歩きの人影を見れば時折、手招く。
今は監視の目を逃れたいのさ寒さを逃れたいのか、己へと問わずにその仕草を続けた。

ビョルン > 白い雪が本格的に降り始める頃、その姿は酒場の外壁の傍からいなくなる。
呼びかけて差し出した手を取るものがあったかどうかは誰も知らない。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区/通り」からビョルンさんが去りました。