2022/11/17 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にグスタフさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からグスタフさんが去りました。
シュエ > (そして、その人に見せられないチラシを抱えて女はそそくさと家の中に引っ込んで。 そろそろ大分数が溜まってきてしまった人に見せられないチラシ・・・これどうやって処分しよう・・・。)
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からシュエさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にニーニャさんが現れました。
ニーニャ > 「んあれ?」

学院が終わった帰り道
近道を探そうと思ってふらふらしていると本当に知らない所まで来てしまった
大体の方向はわかるけれど明らかに知っている雰囲気と違う

「お、おばけとか、でてきそう…」

道行く人たちもなんだか怖いし、薄暗い気もする
夕方と言うこともあって更に怖さが増している

「よ、よーし、あっち!あっちに行く!」

今日に限ってどうして友人と一緒に帰らなかったのか、なんて思いながら
暗い道を大体の方向感覚で進んでいく…

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にクィンスさんが現れました。
クィンス > 「ええ、ええ…、まあ、そうなんや?」

マグメールに住みついて、初めての本格的な冬を迎えようとしていた。
このあたりの気温は、夜になれば確かに冷え込むが、まだ耐えられないわけじゃない。
キモノの上から羽織を被るだけでも、十分暖をとれる。

クィンスは、しばらく宿の主人と談笑を繰り返していた。
別に、どうというわけでもない。
ただ、利用したから世間話的なものに、華を咲かせただけである。

「ん~、うちは寒いのには慣れっこやからね。
 けど、雪かぁ…、うちの故郷やと、とんと見かけへんかったね…。」

このあたりだと、雪は降りつもるのだろうか。
そんな話を繰り返し、ようやく宿の主人を介抱して、クィンスは一礼し。
そして、振り返り大通りのほうへと向かおうとしたのが、つい30分ほど前のこと。

「………果て、ここ、どこやろ…?」

そう、クィンスの最大の弱点は、方向音痴なことだった。
すっかり迷子となってしまい、途方に暮れているわけではないにしろ、
この治安の悪い場所で、たちおうじょうしてしまっていたのだ。

おそらく、そんな姿がニーニャの目の前に、ポツンと浮かび上がってくるだろう。
明らかに、この国の中では珍しい、衣服姿の女が。

ニーニャ > 「こっちこっちたぶんこっち~」

怖さを紛らわせるために、鼻唄なんてわざと歌いながら貧民地区を歩き続けるニーニャ
そして1つの角を曲がったところで、異装の女がいきなりぬ、と現れたように見えたため…

「わわわ…っ!…あれ?」

綺麗だし、見慣れない衣装だからこそ、どこか現実離れした姿のように思えたから
本当にお化けがでた!?と避けようとするも足は急には止まらず
勢いあまってその体にぶつかったところで、お化けじゃないことがわかる

「触れる…。あ、ごめんなさい、おねーさん!ぶつかっちゃって…」

つい、ぺた、とその着物に手を当ててから慌てて謝る
艶々の桃色髪が揺れて、顔を上げれば少し不安げな丸い金目が女を見上げるだろう

クィンス > 「………ひゃっ!?」

ちょうど、曲がり角を曲がったところだった。
足元のあたり、どんッと不意に強い衝撃が走った。

何かがぶつかった、という認識だけがあり、足を踏ん張る。
どうにか、倒れることだけは避けることができたものの、よろけた拍子に、
肩にひっかけていた羽織が、落ちてしまった。
冷たい地面に、ひらひらと舞いながら落ちるそれを横目に見るも、
その視線は、すでにその衝撃の主へと向いていた。

「…………?」

こんなところに、子供?
ここは比較的、治安はあまりよろしくないような場所だと聞いているから、
ここに、しかも学生服の子供がいるというのは、なかなか珍しいだろう。
首を傾げつつも、着物に触れたその手を振り払わず、クィンスはしゃがみこんだ。

キモノの手触りは、滑らかで薄く、このあたりの物ではないのがすぐわかるだろう。
少し擦っただけで、シュルシュルと音を立てて、手が滑る。
だが、握ればぞれは決して薄くはなく、むしろ厚手の布だというのがわかるはずだ。

「ええんよ、むしろお嬢ちゃんこそ、転んだりせえへんかった?
もうっ、あかんよ…?あわてんぼさんは。」

このあたりでは珍しい、どこか別の地方の方言。
一応言っておけば、標準の言葉に直そうとしたことはあったのだが、
一度ついた癖というのは、なかなか戻らないものだ。

ニーニャ > ニーニャもまた、慣れている様子は無い
むしろここに住んでいる怖い人じゃないかな、なんて少し怯えた気配も目線には混ざっていて
けれど、優しく声をかけられるとあっという間に笑顔になり

「えへへ、えーっと。心配してくれてありがとーございます!」

言葉の細部まではわからないけれど、ぶつかってしまった自分を気遣ってくれるのは十分伝わってきた
ということは、この人は良い人だ!とニーニャの中では結論付けられ、自然で愛想のいい笑顔を浮かべる
少女の性質によってそれは良い印象を与えやすい笑顔だろう

「私はだいじょーぶ!あ、うん。ごめんなさい!よいしょ、っと…」

言葉の違いも気にせず、羽織が落ちているのを見ればててて、と近寄って拾いあげる
上質であろうその手触りにわああ、なんて言ってから軽くはたいて

「はい!おねーさん!汚れて…ない!と思いますけど…
も、もし汚れてたら、お家でお洗濯します!」

上下左右からしっかり羽織を見て、相手に羽織を差し出す
なんだか高級そうだし、今度こそ怒られたらどうしよう、と少しおっかなびっくり

クィンス > 羽織もまた、上質なものであるのは間違いないだろう。
ただ、こちらの物はすべすべした、という感じはない。
むしろゴワゴワとしていて、起毛しているのがわかる。

ケイト、というもので作られた、この国で言うマフラーのようなものだ。
これがあるからこそ、多少の寒さはへっちゃらというものだ。

少女の笑顔に、こちらも笑みで返す。
屈託のない自然な笑みに帰るのは、大人の少し妖艶な笑みだが…。

「ん、平気やと思うよ?
 これなぁ…、御選択したら縮んでしもて、使い難うなってまうねん。
 せやから、これはね…汚れを、こうして落としたるくらいしか、出来へんのよね。」

なんて、少し困ったように笑う。
とはいえ、まだまだ綺麗なその羽織を再び肩にかける。

「にしても…、この辺暗いのに、お嬢ちゃん、なんでこんなところにおるんや?
うちがいうのもなんやけど、この辺…ちょいっと危ないって聞きますえ?」

まさか、相手も迷ったなどとは思わなかった。
年齢も年齢だし、もしかして探検程度かな、なんて気楽に考えていた。

ニーニャ > 「う、うぅー。そうですか…」

とっても暖かそうだけれど、汚れを洗って取れないと聞くと複雑な表情
それなら、もっと汚してはいけなかったのでは…なんて罪悪感を感じている顔だ

「あ、えっと…道に迷ったんです
多分近道かなー、ってこっちに来たらわかんなくなっちゃって…」

えへへ、と困り笑い
危ないところ…というのは雰囲気で察していたからこそ、怖がっていたのもある

「そーいうおねーさんこそ!だいじょーぶですか?
きれーな人は色々危ないって、学校で教えて貰いました!」

私はまだ子供だけど!なんて世間を知らない事を言いながら、相手のことを心配する
見たことのない綺麗な服と凛とした顔立ちにそんなことを言う

「道がわかるなら、手を繋いでいきましょ~!二人なら安心です!きっとー!」

と、根拠のないことも言いつつ、人懐っこく近寄って手を繋ごうとする
自分が不安だから相手ももしかしたら不安かもしれない、という考えだ

クィンス > 本当に気にしてはいなかった。
むしろ、汚れてもどうにかすることは出来るし、ニーニャが複雑な顔をしてても、
クィンスはむしろ、首をかしげながらニコニコとしているだけだ。

そして、この場所に迷い込んだ理由を聞けば「ああ…、」と、
納得したようにうなずいて見せ、そしてこちらも困ったように笑った、

「それは…、確かに困りはったね…。
 実はうちもな、宿から出て大通りのほうに行こうと思たんやけど、
 うっかり道を間違えてしもたみたいでな…。」

などと、じぶんもまた迷っていることを打ち明けた。
あいにく、恐怖というものは存在しなかったけれども、ニーニャなら確かに怖いだろう。
そこかしこから聞こえてくる喧騒、そのあたりで転がっている泥酔した男、
目つきの悪いごろつき…、挙げればきりがない。

かといって、それが大丈夫かどうかは、クィンスもわからないのだが。

「んー、うちもちょっと危ないかもしれへんな…。
せやけど、お嬢ちゃん…、うちも、まいごやで?」

つまり、道がわからない…と。
だけど、こういう時は、大体何とかなるものだと笑って、手をつなごうか。

「まあ、最悪はもっかいどっか、宿に泊まったらええやんね?♪」

ニーニャ > 相手がにこにこしていると、釣られてにこにこになってくる
気にしていないことが態度からも伝わってくれば、申し訳なさそうな様子はなくなってくるだろう

「宿を出て…、迷路みたいなところだったんですね!
じゃあ、一緒にがんばってわかるところまで戻りましょう!」

まさかニーニャも、相手が極度の方向音痴だとは思わず
宿の立地が悪かったのかなあ、なんて感想を漏らす
ひたすらに前向きに、怖そうな人たちはできるだけ怒られないようにこっそり歩き出そうと
当然手は差し出しているため、手を繋げば一緒に歩き出そう…としたが

「えっ」

えっ、と書き文字が浮かびそうな頓狂顔
まさかこの綺麗なお姉さんが道に迷ってるなんてそんな…と思うも
とりあえず歩くしかないので、適当に歩いていく

「うぅ…パパとママ、心配しちゃう…
が、がんばって道を見つけましょう~!」

と、明るく言うものの当てはなく。
しばらくうろうろとさ迷うことになってしまうだろうか

クィンス > 本当に、この場所は迷路のようなものだと思う。
なかなか、この場所に足を踏み入れることはないのだが、ここまでだとは思っていなかった。
いや、自分が方向音痴なだけで、実はそこまで迷い込むような造りでは、
無いのかもしれないが…。

極度、というわけではないのだが、確かに方向音痴だ。
だからこそ、それを言われても別に否定することはないだろう。
むしろ微笑みながら、「それが?」と返してしまえるほどの余裕すらある。

旅は愉しむもの、ナノだから。

「平気やと思うよ?
 ちょっと迷って、危なくなったから友達の家に泊まった、って言えばええやん。」

悪いことを教える大人である。
ただ、この場所…適当に歩きだけでは確実に、迷う。
何しろ、実体験をしたクィンスがいるのだから。

「あ、そうそう。
うち、クィンスっていうの。お嬢ちゃんは?」

気軽なのか、それともただの能天気なのか。
クィンスは、ニーニャに向かって改めて、名乗って見せた。

ニーニャ > 土地勘があれば、ニーニャは難なく元の道に戻っただろうけれど
初めて来たところは流石にわからない。
だからそのまま歩きつつ、不安を紛らわせるために話し続ける

「あ、ぅー
そ、そっか。そうだよね!学院のぎょーじでお泊りとかもしてるし…」

悪いこともあっさり頷く少女だ。
学院では近場への旅行行事がたびたび組まれており
それによって最大2日は家を離れることもあった
だから1日くらいなら問題なさそう…ではあるのだけれどその前に自己紹介だ

「クィンスおねーさん♪
私はニーニャです!よろしくおねがいしまーす!」

残った問題はと言えば、進んでも進んでも道がわからないということくらいか

「はふ……ど、どっちだろう」

どこにも平民地区につながりそうな道は見つからず
時折躓いたりしながら進んでいくも…怪しげな宿屋が立ち並ぶ一角にたどり着いたくらいが収穫か

「このままだと…夜になっちゃうし、お泊り…するしかないのなぁ…」

ただでさえゴミや人が多い中で夜になってしまえば進むのが難しくなってくる
ただし、あまり金子は持ってきていないため、どうしよう、とまた少し慌てる様子を見せて

クィンス > 素直、その一言に尽きるだろう。
しゃべり続けているニーニャの手を握り、はぐれないようにしながら、
過度を行ったり来たり…。

ちょっとだけ悪いことを教えようとしている、悪いお姉さんだが。
其れにもあっさりと順応してしまっている以上、この子は、
悪い人間に連れ去られる可能性も、高いのではないだろうか、とも。

だとしたら、ここで会えたのは幸運だったかもしれない…。

「はい、よろしゅう頼んます♪
所で…、なんや、偉いとこに来てしもたな…?」

どう考えても、平民地区ではなさそうだ。
繁華街ではあるのだが、このあたりは冒険者ご用達の宿が並んでいそうな区画。
ここに、女の子連れの女が一組とあれば、危ないのは間違いない。

しかしながら、平民地区に戻る道などわかるはずもなく、
かといってあてずっぽうに歩くのも、明らかに怖いだろう…ニーニャは。

「大丈夫やで、ニーニャちゃん。
もし、お泊りすることになって、怒られそうになったら、うちが一緒に謝ったるさかい。
うちを道案内しよう思て、余計迷ってしもたって、うちからもちゃーんというたるよ?」

だから、怒られるなら一緒に怒られようと、笑って見せた。
仕方がないだろう、このままこのあたりをうろついて、
明日には二人そろって奴隷ギルドかもしれないことを考えたら

ニーニャ > 人の悪意など考えていない純真な視線で笑いかける
まだまだ、同世代の意地悪くらいは受けた事があるが悪意と言えばその程度だ
もし誘拐犯などが居れば格好の的だろう

「うん…宿屋さん、だよね…?たぶん」

一応、泊れるね!なんて前向きに言う
お金が足りればの話だが、看板を見る限りお小遣いでもぎりぎり一人分は…という感じ
駆け出し冒険者用なのか格安の代わりにサービスも無しという宿が多いようだ

そして、励ましの言葉を貰えば、にこーっと笑って

「とっても頼もしい!
それならだいじょーぶだね!私もいっぱい謝るから許してもらえると思う♪」

優しいお母さんお父さんだから、と続けて言ってから
てくてくと安宿の通りを歩く
冒険者がいるということはもしかすると近くに平民地区につながる道があるかもしれないが
声をかけると、なんだか怖そうでしり込みし、そそ、とクィンスおねーさんの方に寄りそっていく

「ご、ごめんなさい。ちょっと怖くって…。
クィンスおねーさんは、だいじょーぶ?」

人に聞くのはニーニャからは出来ないようだ…。
このままさ迷っていると、流石に足が痛くてう、と声をあげてへたり込んでしまうだろう…

クィンス > 「んー、せやと思うで?」

見たことのある風景だ、酒を飲む際や、ちょっとした宿を使う時に、
こういった店を見たことがある。
だけど、さすがにこのままではもう夜も遅いし、明らかに冒険者が増えてきている。
優しい冒険者ならまだいい、だけどそれが明らかに、チンピラじみた人間なら、
とてもではないが、喧嘩して勝てるはずがないだろう。
背中に背負っている薙刀は、あくまで威嚇用でしかないのだから。

「………ん。」

ふと、寄り添って来るニーニャを抱き寄せてあげる。
不安な気持ちになるのは仕方はないだろうし、歩き詰めで疲れてしまうのも無理はない。
少し、人通りが少なくなった頃を見計らって、クィンスはしゃがみ込み、
ニーニャに背中を向けた。

「……ん。
おぶさり、うちは平気やから。」