2022/10/30 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にアーシャさんが現れました。
アーシャ > 貧民地区の路地裏。
奴隷市場に近しい場所であるため悲喜交々の声が聞こえる貧民地区でも掃き溜め中の掃き溜めである場所で、今壁に寄りかかって欠伸を噛み締めながら、どうしたモノかと悩んでいる。

悩みの理由はこの頃毎度同じ事。
如何にしてこの貧民地区を抜けるか、である。
抜けるといっても路地を抜けて平民地区へ、何て簡単な事ではなく、生活や行動の範囲を貧民地区ではなく平民地区へ移し、少しでもマシな生活をしたいと考えていた。

その為に必要なのは王立コクマー・ラジエル学院に通う為の収入か、冒険者になる為に装備を整える為の支度金。

一番良いのは学院で技術と学力をつけて、冒険者に移行するか、その憶えた技術や能力や学力を活かして富裕地区に食い込むか、日頃の行いが良過ぎるために色々と枷はあるのだけど。

現に平民地区の店の幾つかはのぞくだけで塩をまかれる始末、直接店に面倒かけたわけではないのに酷い話だ。
ただ店主や客の財布をすって、店員の尻を撫でただけではないか。

「………ハァー……金持ちか金のある冒険者が酔っ払って路地に落ちてないかな………なぁ?」

流石にこの場所でそれはないだろう。
居ても迷子になった平民地区の住人か商品にされそうな奴かされて逃げてる奴か、義憤に駆られた偽善者かってところ、奴隷を買いに来た金持ちって可能性は万が一に……。

苦味を噛み締めた笑みを浮かべて夜空を見上げる。
腐りきった貧民地区でも夜空だけは区別なく、月が星々が煌びやかに輝いていた。

アーシャ > ちなみにであるが、掃き溜めの中の掃き溜めである奴隷市場の近くの路地に来て時間を潰しているのには、明確な理由がある。

それは小遣い稼ぎ。
娼婦の姉さん方の雑用も悪くないが、奴隷市場から脱走する奴隷を捕まえる仕事はもっと金になる。
ただそれの発生頻度が低いため、普段は来ることは無い。
下手すれば、ヘタに有能なところを見せれば奴隷商人に拾われて真っ逆さまって事も有り得る。

なので、暇を持て余してる風を装う。
それから運良く逃げ出した奴隷がいたら……捕まえて引き渡し、幾許かの金を得るわけだ。

しかし、それでもきっと足りない。
何とかして定期的な収入を得られる方法はないだろうか。
楽して稼げて大金もらえる仕事で、自分くらいの年齢でもいける、そんな仕事を募集中である。

けども、しかし、何事も発生しないのであれば時間の無駄となる。
本日はもう帰ることにして、欠伸を噛み締めながら歩き出すのだった。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からアーシャさんが去りました。