2022/10/29 のログ
■クレイ > 出陣前の晩餐を終える。長い休養だったが、中々に楽しめた。
食べ終えれば立ち上がる。
「ごちろうさん、支払いは帰ってきてからでいいか。今金は無くてな」
ここは小さい時から世話になっている店、これくらいは通用する。しかたがないねとマスターが笑えばこちらも笑い。この店を後にする。
そして朝には出撃していく事だろう。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からクレイさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にアーシャさんが現れました。
■アーシャ > 「……これは絶対アレだな、絶対にアレだわ……。」
日差しは高く、昨晩と比べてぽかぽかと暖かい陽気。
貧民地区の路地に差し込む陽光がふんわりと身体を温めてくれる。
こんな日は適当な場所で、貧民地区にも一応ある公園で、軽く昼寝するのも悪くないと思う。
――ただし貧民地区特有のすえた香りさえなければだ。
親指で自分の鼻先をカリカリと掻きながら、何を愚痴っていたかと言えば、今視線の先にある小さな皮袋。
中身が不明という事は無くて、中には虹色に色づけされた小さな飴玉が入っているのを知っている。
問題はその飴玉の成分である。
娼婦の姉さん方にお客様からもらったから御裾分け、何て押し付けられたモノだから、これ絶対媚薬入りとか興奮剤とか精力剤入ってるよな?というのを推測するのは貧民地区で酔っ払いを探すよりも簡単な事。
なので、これを食べるに食べられず。
なのに、あげる相手もいない。
さてどうしたものか?と路地裏で皮袋にはいった飴玉とにらめっこをしつつ、目的もなくウロウロと貧民地区の路地を歩き続ける。
いつもの喧騒罵り合い。
昨晩と違うのは娼婦の姉さん方は仕事で疲れて寝ているので、黄色い声援と甘い叫びを聞かずに済んでいる事で。
たまには奴隷市場のほうにも足を伸ばそうかと考えている、そんな1日。
■アーシャ > 捨てるには勿体無い精神を無駄に発揮し、仕方なく暫く持ちあることにして、皮袋をズボンのポケットに押し込むと方向転換して平民地区のほうに歩き出す。
もしも万が一。
誰かが欲していれば高く売りつけて今夜の飯代にするつもり。
よく考えると、この手のものがまだ日が高いうちに処分できるとハ思えない。
やる事もないので一先ず隠れ家で昼寝でもするかと、欠伸をかみ締めながら貧民地区から平民地区の路地へと消えていく。
「……一人で食ってもむなしいだけだからな!」
と、流石にそんな趣味は無いと愚痴りながらであった。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からアーシャさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にゲーゲン・アングリフさんが現れました。
■ゲーゲン・アングリフ > 【待ち合わせ待機中】
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にビョルンさんが現れました。
■ゲーゲン・アングリフ > 「となりの芝生は良く見える、とかなんとか」
相手の言葉に対しては、男はそんなことをのんびりと言う。
無論、男にも。願うものなどもあったりはするのだが。
そういった事は、口にしたりはしない。
「それなら良かったですね。
そういうトラブルは……無いにこしたことはないですから」
相手の報告に、男は小さく頷く。
これに関しても、相手の立場などを多少知っているからこそ。
男は、深堀したりはしない。
「さて。割と適当に作っていますので。
……え~、と?」
この男が店で提供する料理は。
その場その場、その日その日で気分で作っている部分があるので。
もしかすると、その料理に偶然似たのかもしれない。
そうして、相手が男の後ろに立てば。
男は、相手の真意を問おうとするかのように。
ゆるり、と声を上げるが。相手の方を振り向いたりはしない。
■ビョルン > 「そもそも、共通した物差しなど造れないから」
価値観の天秤計が定まらぬ限り混沌と諍いの濁りの中、心許なく揺蕩うとも沈ます。
それはこの界隈の住民の誰にでも該当し、敢えて口にする程ではなく首を振った。
「もう少ししたら刑が下る、といったところか」
俺にな。
そう言い添えてから、男の背後から左手を伸ばす。
下から撫で上げるように相手の頬へと掌を添えようと動かし。
「どうして。
どうして男は髭が生えるくらいになると、易々と剃刀を持った他人に急所を預けられるようになるのか」
まだ子供気な産毛の残る頬を震わせる。
シュルリ、と微かな音を立てて背後で匕首を抜き出す。
頬に触れた左手は喉仏を突き出させるように持ち上げようと力を掛けようとし。
■ゲーゲン・アングリフ > 「間違いないですねぇ。
それこそ、様々なものでそうですけど。
とある土地ではそれを善とされ、とある土地では悪とされますし」
文化、食物、武器、魔術。
ありとあらゆる物に、視点、観点という物は存在する、と。
男は、そう呟きつつ、目を細めるが。
「……ん」
その相手の言葉を聞き、違和感を覚えるも。
相手に触れられ、男はどうしたものか、と動きを止めるが。
「……自分でそうするのが怖いから、じゃあないでしょうかねぇ」
あえて適当なことを言いつつ。
男は、思考を回転させていく。
緊張に体を強張らせつつも。
相手の次の動きへと、意識を向けていく。
相手を刺激しないように、相手が手に力を加えるのを感じつつ。
それには抵抗しないようにし。
■ビョルン > 言葉を弄しながら相手の感覚を探る。
「おかしなことを言う」
自分で髭を剃り落すのが怖い、という程の不器用者はそうそう居るまい。
言質の意図を探る。掌で相手の顎を支えながら親指でその頬を撫で回す。
右手は柄に吸い付いた親指をスライドさせて刀身を鞘に落とす。
そうしてはまた抜き出して微かな摩擦音を繰り返す。
「逃げないのかい」
匕首を抜いて相手の耳下を左から右へと、刺して切り裂けば終わる。
静かな調子で問いかける。
■ゲーゲン・アングリフ > 「そうですか?
どうせなら、他人にやってもらったほうが安全な気がしますがね」
そう軽妙に言いつつも、男の声は微かに乾いていた。
相手に頬を撫でられながら、力ずくで脱出するほうがいいのか、とも考えるが。
背後の気配に、未だ命の危険を感じるほどの圧が無い、と判断し。
男は、むしろ相手との会話こそ大事だ、と考える。
「逃げて欲しいんですかね。
……アナタは、悪党ではあるのかもしれませんが。
悪人ではない、と思っておりますので」
相手の問いかけには、まっすぐに思いを伝える男。
当然、そう口にしてはいるものの。
いざ、という時について備えておこうと。
呼吸整え、体内で魔力を循環させておくのは忘れない。
■ビョルン > 「うちの伝統の暗殺場所なんでね。
首を掻くなら床屋か按摩部屋」
慢心ではないが。
己はいつでも切り刻める位置にいると思ってはいる。
実戦での魔力運用についての知識は皆無であり、その自覚もない為。
割と饒舌に相手が言葉を返せば、小さく苦笑の域を漏らす。
「滅相もない。
悪党には各段劣る、小悪党程度のしょうもない存在ぢゃあないか」
やり方の割には、刃渡りが過ぎる得物だったか。
親指で持ち上げた匕首の柄を、逆手に持ち直せば一気に鞘から抜く。
その勢いのまま一閃、相手の喉元に刃先を突き立てようと素早く腕を振ろうとし。
■ゲーゲン・アングリフ > 「そうなんですか?
……あぁ、いや。納得できる部分はありますね」
対象が油断している場所、となると。
なるほど、納得だ、と男は相手の言葉を飲み込む。
とはいえ、そういう話を耳元で聞かされるのは肝が冷える部分ではあるが。
「どうでしょうねぇ。
私、アナタの稼業はしってても。
やっていることの詳細は知らないので……」
いわゆる、所属組織の行いは理解していても。
相手が、その中でどんなことをしているかまでは不明なので。
男は相手の自虐じみた言葉に対し、苦笑を浮かべる。
そうして、相手の気配が変わり、危機が迫るのを感じ取れば。
「……っっっ」
短く呼気を吐き、イスから滑り落ちるように体を地面へと投げ出しつつ。
指先から、溜めていた魔力を微かに放ち、眩い光を生じさせる。
『閃光』の呪文ではあるが、慌てて放ったため、本来より効果時間は短く。
目くらましとしての効力は、不足というしかないかもしれないが。
■ビョルン > 「お陰で親分衆は自分で髭を当たるのが上手い」
先程己が吐いた言葉に相当する下の句を唱えるように平坦な声で言う。
「俺を詳しく知らないなんて、水臭いこと言うなよ」
続けられた相手の言葉に被せて放った。
やもすれば、男にとっての最後の人の声だったろうか。
けれども。
「────…!!」
ほんの一瞬ではあったがマグネシウムを焚いたような強い光に目が眩む。
害をもたらすエネルギーを持つ存在であろうかと、光源から身を遠ざけようと上半身を逸らせば体の重心がぐらりと崩れる。
刃先は相手の表皮一枚を掠めるに至ったかどうかというところ。
どちりと尻もちをついて倒れれば握っていた匕首の刃先は床板に突き刺さる。
暫く床の上、睫毛をせわしなくしばたかせる。
■ゲーゲン・アングリフ > 「……はぁ」
笑うところなのかもしれないが。
笑ったら笑ったで、良くないのでは、と思い。
男は、そう短く答えることしかできなかった。
「お互い、全部知ってしまうのも。
楽しみが無くなる、とも言えませんか」
あくまでも軽口を叩く男であったが。
次の瞬間、相手の動きを察知し。
男の緩い表情が、真剣なものに変わる。
「……いやぁ、いまのは。危なかったですよ。
……あんまり、冗談になってないですね」
ゆっくりと床から立ち上がり、男はそう言う。
そのまま、相手から距離を取りつつも。
男は、一度深呼吸し、平静を装おうとする。
「……なんでまた、こんなことを?」
かろうじて次に出たのは、そんな問いかけだけであった。
冷や汗をかきながら、男は無意識に首元を拭うが。
相手の振るった刃は、しっかりと狙いを違えていなかったのだろう。
男の首筋には、はっきりと赤い線が引かれており。
鮮やかな血が、ゆっくりと滲み、溢れていた。
「……」
男は、焦らずに回復魔術を発動するが。
呼吸が乱れており、男の首筋の傷は、まったくもって治癒されずにいる。
■ビョルン > 閃光がただ一方的とも言えた戦局をひっくり返して後。
床に強かに打ち付けた尾てい骨から痛みが背骨を上がり、顔を顰めている。
内心では安堵のため息をついている己も存在していると、覚えただろう。
床の上で理由を聞かれると、仏頂面でボソと返して曰く
「一身上の都合」
と。
それからゆるゆると首を振り言い添える。
「けどもう、諦めた。今後狙いはしないから」
此れを取って立たせろと言わんばかりの傲慢さで手を伸べる。
相手の首筋に走る赤い一筋を見ても悪戯を抑止された童のような、今にも頬の脹らみそうな面は変わらないもので。
■ゲーゲン・アングリフ > 静かな店の中、相手と向き合うような形になる男。
相手が痛そうにしているのを見れば、罪悪感が生じる。
「一身上の都合……ですか」
そう言われると、追求はしにくいなぁ、と。
そう考えつつ、男は、掌についた血をまじまじと見る。
結構な出血だな、と考えつつ、回復魔術を発動しようと何度も発動を試みるが。
一向に魔術は発動せず、男は内心、焦りを覚える。
「……ん。そう、ですか。
いや、そうしてもらえると助かりますが。
次はかわせるとは思えないので」
相手の言葉を聞き、男は手を指し伸ばし、相手を起こそうとする。
そこで、ようやっと回復魔術は発動するのだが。
男は、相手のことを見据え。
「……本当に、次は私。
命を取られると思いますよ」
ははは、と笑いつつも。
男は、決して相手を責める様子は見せなかった。
■ビョルン > 「昼行燈が」
己の命の危機に面しても、飄々と。
命を狙った相手に相対してもどこかぼんやりとしてすら見えるのであるから、そう呟きたくもなった。
「本当に必要性があればもっと手早くやれた」
相手の無防備さを説きながら首を掻くなどという舐めたことは、本来ならばしない。
相手の手を取って立ち上がりながら一気に緊張感が解け、ふぁ、と欠伸が零れる。
「次はないから」
床へと刺さった刃からカウンターへ視線を転じると血の飛沫が見えた。
気まぐれに指先に触れてから舐める。
「不味い」
鉄錆臭さに眉を潜めて一から十まで自業自得ながらに不機嫌顔。
■ゲーゲン・アングリフ > 「そんなぁ……」
ではどう反応を返せばよかったのか、と目線で訴えつつも。
相手がそこまで怒り心頭ではないようなので、安堵する男。
「その場合は、こうして会話してられあかったかもしれませんねぇ」
恐ろしい話だ、と顔をしかめつつ。
相手を立ち上がらせれば、男は、カウンターの中へと戻り。
「どっちの意味ですか、それは」
本当に勘弁してください、と言いつつも。
男は、相手に対し、頭を下げ。
「腰とかお尻とか、大丈夫ですか?」
とたずね、すっ、と。
グラスに入った水を差し出す。
そうして、空になったスープの皿を片付ければ。
「……」
不機嫌そうな相手に対し、顔色をうかがうように、視線を向けるのであった。
■ビョルン > 「本気にはなれなかったということで」
相手がカウンターに戻れば、己も一旦は席に着く。
打ち身を心配されれば何ともない、とは返すが己は切りつけておいてその傷を心配するのも道理が通らぬ気がして言及は避ける。
グラスに入った水を飲めば暫くその場で休み、床に刺さった匕首を取り戻して店を出る。
「また来る」
との言葉を遺した。
■ゲーゲン・アングリフ > 「……そうですか」
その言葉にも、複数の意味を感じるも。
男は、それ以外何も言わないでおいた。
ただ、相手がグラスの水を飲んでくれたのは、しっかりと確認し。
「はい。お待ちしておりますよ」
そう、店主として笑顔を見せ。
店を出て行く相手を、見送ることを選んだ。
「……さて」
次の客が来る前に。店内を軽く掃除しようか。
倒れたりしているイスなどを見ながら、男はそう考え。
一人掃除に入るのであった。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からビョルンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からゲーゲン・アングリフさんが去りました。