2022/10/23 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にミーアさんが現れました。
■ミーア > 「……」
ひたひた、と足音を殺しながら歩く黒猫娘。
足音を殺すのがくせになっているせいで、そのように歩む。
今日は何の仕事もなく、暇だったので好奇心赴くままに。
あっちへふらふら、こっちへふらふら。
猫の尻尾を揺らしながらふらりふらり、と歩き回り。
猫耳をぴこぴこ揺らしながら、何か無いものか、と歩き回る。
まるで我が庭のように。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にグスタフさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からグスタフさんが去りました。
■ミーア > 【部屋移動】
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からミーアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/路地裏」にマーシュさんが現れました。
■マーシュ > 施療院の、裏口の木戸が小さな音を立てて開く。
僅かに頭を下げ、静かに、僅かにおぼつかない足取りでそこから出てくるのは一人の女。
白布のウィンプルが帳となって俯いた表情を隠す。
一歩外に出て、塀や壁に手のひらを宛がい身を支えると、そこでようやく大きく息を吐く。
まるでそれまで呼吸することを忘れていたかのような挙措。
「───────」
ひとつ、ふたつ、みっつ。
胸うちで数を数えながら、ただ呼吸しているうちに、少しづつ背筋が伸びる。
は、と倦んだような吐息を一つ零して目を伏せた。
体を、全身を苛んでいた熱病の痛みは、幻となって消えてゆく。
木戸を挟んだ向こう側で聞こえる声や物音をぼんやりと耳にしながら、静かに印を切ると、祈りの形に指を組み合わせる。
己が呼ばれるということはそういうことだ。
少なくとも己の秘蹟は、末期の言葉を引き出すための、それだけのものとしてあつかわれている。
■マーシュ > それ自体について女は何も思わない。
己に与えられたものは己自身の能力というよりは──あくまでも上なる存在によって貸与されたものでしかないからだ。
とはいえ、負担は大きい。
ゆるゆると戻ってくる体の感覚を抱きながら伏せた眼差しを空に向けた。
路地裏から見上げる、壁に切り取られた少し狭い空。
藍色の眼差しに映るそれらをようやく視認できるようになったならゆる、と瞬き。
■マーシュ > する、と伸ばした指先が己の形をなぞるように頬に触れ、唇に触れ、頤をさがって喉元に。
指先がそこに触れるとしばらくとどまり、それからゆるりとおろされる。
「────」
手指の動きが滑らかになったことを確認すると、常のように静かに歩きだした。
サラリと揺れる衣擦れの音、かすかな靴音が路地裏に響いて───
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/路地裏」からマーシュさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/路地裏」にアーシャさんが現れました。
■アーシャ > 昨晩夜更かしをして寝床を探し歩いた為に眠気が取れず、大あくびをしながら貧民地区の路地裏を歩く。
今日も日が高いうちから酔っ払い同士の喧嘩の声や娼婦が早めに客を見つけようと通りかかる男達に声をかけたりと平常運転である。
奴隷市場の活気もそう、闇市の活気も同じ、底辺は底辺なりに怠惰と狡猾を煮込んでなべ底にこべりついたようなカスのような人間たちで賑わっているのであった。
「いやー奴隷は流石に買えんわなぁ……。」
買う心算は無いくせに奴隷市場を見てきた後である。
貴族だった方々や解りやすい人攫いの餌食になったミレー族やエルフの姉さん方、まあ商品の幅広い事幅広い事……。
幾人か奴隷が逃げたぞーと叫ぶ声も聞こえたが、こんな場所で逃げたところで行く場所など在るまいし、何を無駄な足掻きをしているのだろうと思わなくもない。
先程から冒険者がこの辺をウロウロしているのも逃亡奴隷ってのを捕まえて小遣い稼ぎでもしようとしているのだろう。
全くご苦労様事である。
自分も運良く見つけたらさっさと引き渡して小遣いにする心算はあるが、それをわざわざ探しに行くつもりは無い。
くわぁっふ、と少し特徴的な欠伸をこぼし。
両手はズボンのポケットに突っ込んだまま当て所なく歩き続けるだろう、今日も貧民地区の人間は暇なのである。
娼婦を買うほどに懐は潤ってないし……。
■アーシャ > そう言えば、と思い出すのは昨晩考えてた『王立コクマー・ラジエル学院』への入学の件なのだが娼婦のお姉さん方に相談した事は相談したのだが、流石に其処までの費用は自分で稼げ、何なら女装して売るか?といわれたのでNOを突きつけてきた。
ちゃんとした働き先。
寮があり食事もまかないで食えれば最高の働き先を見つけ、それから通う方法が一番の近道なのだろうけど、どれもこれもほんと条件を達成するのに難しく遠く、欠伸がまた零れてしまう程にどうしようもなんね、であった。
「何ぞいい方法ないかなー金持ちが財布落とさないかなー或いは紐らせてくれる貴族の未亡人とか騎士の方とかいないかねぇ、靴だって鎧だって舐めて見せるのに……。」
例に漏れない貧民地区の人間。
プライドではお腹はまったく膨れないと知っている。
靴でも鎧でも舐めて雇って貰えるならきっと即座にするだろう、美人であれば何着替えの手伝いも入浴の手伝いだってするつもりである――そんな相手がいればであるが。
歩き続けていたのだが少し疲れて、そこらの路地裏の路地の壁に背中を預けて、いったん休憩をする。
見上げる空は今日はとても青かった。
■アーシャ > 蒼い空は気がつけば橙色を帯びて、太陽はすっかりとご機嫌斜めに――さて今日はどうしようか?
歩き出す方向は変わらないが、少し鼻歌混じりで歩き出す。
一攫千金を狙うもよし、小遣い稼ぎをして幾分か貯蓄も悪くない、それにはまずは住む場所を改めて探さねばと、路地裏よりもっと奥に、貧民地区の黄昏の中へと少年は消えていく。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/路地裏」からアーシャさんが去りました。