2022/07/27 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区『トラ箱』」にビョルンさんが現れました。
ビョルン > 薄暗い所で目を覚ます。
後ろ頭が痛い。
己はどうやら着の身着のまま床へと投げ出されているようだ。
硬い感触を背中へ感じながら束の間、意識を手放す前の出来事を思い出す。

「畜生」

酒場街で発生していた大乱闘に出くわし、間近で観戦していた。
恐らくは、その事態を収拾するべく動いた何者かの武力が誤って己を打ちのめし、そうして──、

(ここは、どこだ?)

最小限の灯りの中、見当もつかない。
けれどそう遠くないどこかから断続的な地鳴りのような音が聞こえる。
一定したリズムのそれは、いびきだろうか。
後頭部に手をやる。
軽く触れてみれば腫れてはいるが傷口はない。ただ、どうにもずきずきと痛んだ。

「誰か、」

己のように目を覚ましている者はいないか。
低く、通る声で小さく呼びかける。
ここが通称『トラ箱』なるものなのか、朝にならず出られる方法はないか口が利ける者がいれば是非問わねばならぬ。

ビョルン > 暫くして暗がりに慣れれば片腕をついて上半身を起こす。
そうして見れば広い空間に幾つも、バナナの様な影が転がっているのが見れる。
どうやら皆、ここへ囚われた者の寝姿らしい。

痛む頭を庇いながら再び横になる。
牢屋風の影ゆえか風通しはいいものの、やはり暑い。
ワイシャツの前釦を開こうとすれば既に幾つかは取れている。
どんな乱暴な所作を以て己はこの場所に連れて来られたのだろう。

「やれやれ、」

安くはない貝釦のはずだ。
そうして、思う。
このまま朝を待っていて大丈夫なのか、と。

ビョルン > 遠くから揺れる灯りが近づいてくるのが見える。
耳を澄ませば規則的な足音が伴っている。
どうやら、ここを定期的に見張る役割の存在もいるようだ。

暗みの中、立ち上がる。
取り敢えず、そいつを脅して此処を出ようじゃないか。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区『トラ箱』」からビョルンさんが去りました。