2022/05/02 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/裏路地」にヴェルソートさんが現れました。
■ヴェルソート > 夜もとっぷりと更けた裏路地の一角。薄汚れた木箱に腰掛ける隻腕の男が一人。
「ったく…ひでぇことしやがるなぁ…小さい動物くらい大事にできねぇのかねぇ…。」
膝の上に黒い塊を載せているように見えるのは…戯れに誰かに蹴られたのか、怪我をした黒猫が一匹…さらりと撫でる手に抵抗しないのは、懐いたのか、はたまた抗う力すらもうないのか。
すぅ…と据えた匂いの交じる空気を吸い込み…音を紡ぐ。
「ぷかり ぷかり 雲が泳ぐ 魚のように揺らめいて…
ころり ころり 石が転がる 貴方に向かって…
さらり さらり 砂が落ちる 小さな硝子の中…
ゆらり ゆらり 時が巡る 貴方を追い越して…」
静かに、子守唄のように響く歌…魔力を孕んだ甘いテノールが、黒猫と…ついでのように周囲を包み、癒やしていく。
■ヴェルソート > 「……よし、大分傷はなおったな…。」
目を閉じて静かに眠りだした黒猫に、歌を止めてゆるりと、隻腕が撫でて抱きかかえ。
「…んじゃ、帰るか。」
怪我治してやったんだから、湯たんぽ代わりくらいにはなってくれよ?と嘯きながら…路地裏を後にして…。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/裏路地」からヴェルソートさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にタマモさんが現れました。
■タマモ > 「何とも…面倒な話じゃのぅ」
ぽつりと呟きを零す、そんな少女は今、王都マグメールの貧民地区に居た。
ただ、本日はいつもの違い、屋根伝いの移動はしていない。
右手に一枚の紙切れを持ち、大通りを通り、広場へとやって来ていた。
そこには、色んな商品が売りに出され、なかなかに目移りしそうな場所だ。
とは言っても、地区が地区だ、売り物は…平民地区や、富裕地区とは、やはり違う。
しかも、当たりハズレも、かなりありそうだ。
そんな場所に、こうして来ているのは。
気紛れの散歩ではなく、買い物を頼まれているから。
それも、それを売ってる場所は、自分で探してくれ、との事なのだ。
「………いっそ、無かったで済ませ、さっさと戻るか…?
とは言っても、せっかく来ているし、何もせず帰るのもなぁ…
せめて、何か面白そうなものでもあれば、なのじゃが」
ふむ、と軽く思案する素振りを見せるも。
手にした紙切れを、袖の中に仕舞えば。
適当に、広場を散策し始めるのだった。
■タマモ > 頼まれた必要な物、何でも、調合の材料とかどうとか。
何の調合か、それは言わなかったが…
まぁ、求めているのは、己の式の一人、その正体は女郎蜘蛛。
最近、自身の毒を使う、色んな実験やら研究やらしているようだが。
どうせ、碌なものでもないだろう…多分。
「しかし、先に来ている妾よりも、物知りになっておるとは…
名前だけ見ても、何が何やら、さっぱり分からん」
少女は、見た目と味だけでしか、それを覚えない。
どれがどんな効果を持つとか、何に使えるとか、そこまで細かい事を覚える気が無い、と言うのが大きいだろう。
もっとも、危険性があるものとか…そうしたものは、直感で判断出来るが。
あくまでも、それだけで説明は不可能、そのレベルなのだ。
もし、頼まれた物が、そうした物だった場合…さて、どんな反応を見せるのやら。
ともあれ、少女が探すのは、それだけではない。
何か目に付いたり、気を引くような商品があれば、そちらへふらふらと行ってしまうだろう。
■タマモ > とは言え、少女が興味を引く物は、何気に数多い。
特に、小なり大なり、魔導具や、魔導機器は、己の居た場所には無かった代物だ。
この地に、それなりに長く居ようとも、そこは変わらないようで。
「ふむ…ふむふむ、だが、見ただけではさっぱりじゃ」
時折、足を止め、目に付いた商品を見遣る。
ただの嗜好品ではない、ただの装飾品ではない、ただの装備品ではない。
それは分かるが、本当にそれだけだ。
違和感、そうしたものでしか、少女は感じ取れない。
今だ、魔力等の感知に関しては、何ら進展はなしである。
こればかりは…やはり、資質か何かなんだろう。
腕を組み、そうした、並ぶ商品を眺めるも。
それだけを、ぽつりと零し、次へと向かう。
■タマモ > そうして、幾つかの店を巡り。
色んな商品を眺め…結局は、お眼鏡に叶うものはなく。
そして、目的の材料も見付けぬまま、その場を後に。
その結末が、どうなったのかは…
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からタマモさんが去りました。