2022/02/18 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にコルボさんが現れました。
コルボ > 「……めんどくせぇ」

 うんざりするような声でぼやきながら貧民地区の路地裏をゆったりと歩き、
 ため息一つ、手近に転がる朽ちた桶を蹴り飛ばす。

 元より情報屋として、情報を売る相手は選んでいた。
 金を積んでも情報を有用に活かせない者、特段目先の利益にしか使いこなせない者は避けていた。

 それでも半端に裏をかじった貴族や好事家は闇夜に紛れる”烏”の名を聞き、接触を図ろうとするが煙に撒く。

 それを繰り返してるうちに、そういう”先のない権力者達”の数が増え、
 あらぬ恨みを抱き、徒党を組み、

 つい最近”烏”の首に裏で賞金がかかったらしい。

 もっともそれも賞金の出所、貴族達が潰れてしまえば終わり。
 つながりのある貴族や懇意にしている者に動いてもらい、
 身の程を知らず裏を牛耳ったつもりの阿呆共が駆逐されて、
 王都の勢力図が僅かに書き換わるまでの間、刺客をあしらう必要がある。

(一番面倒くさいのは)

 たまにいる新人騎士。腐敗にまだ染まっていない未来に希望を抱いている有望な若者。
 彼等の中にも焚きつけられて追っている者もいるだろう。

”君にだけは話しておこう”

 そんな謳い文句で彼等は一銭の金にもならないのに踊ってくれるのだから、
 阿呆共からすれば俄然都合の良い話だろう。

 何よりこっちも相手がし辛い。

(……女騎士なら授業料はもらうかなぁ)

 そんなことを思いつつ