2022/01/24 のログ
ファンシャン > 細い道を土を擦りながら歩く音がする。人が通れる程度にしか整備されていない道の左右を、ひょろ長い建物がびっしりと並んでおり、月の明かりも届いてこない。

「随分と、遅くなってしまった」

手に持つランタンの重さに、思わず愚痴が零れる。夕方まで仕事をこなし、その後にギルドへの報告を行い、諸々を終えた頃にはもう食事をとることも考えられないような時間になっていた。

ファンシャン > 歩く足取りは気重いが、それ以上に目が暗い。ただでさえ普段歩いている通路、何処に何があるのかは感覚的に覚えていた。見ているようで、見ていない。意識は帰った後のことばかりを考えていた。

「食べずに寝るにしても…明日は…まぁ…」

ぽつり、ぽつりと呟きが零れる。目下頭の中を占めているのは、家賃の支払いだった。金がないというわけではない。仕事の分は金がある。しかし、その仕事のせいで今回もこの時間になっていた。まさか大家を起こして家賃を押し付けるわけにもいかない。軽く目を閉じ、深く深く、息を吐く。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にネッツアーさんが現れました。
ファンシャン > 閉じた目の横を、親指と中指で押し解す。足元が軽くふらつき、肩が壁に触れた。ランタンの明かりが大きく揺れる。目を開けば、足取りは大きく右にずれていた。危うく足が側溝にはまりそうになる。

「っ、と…。いけない、いけない」

鼻を軽く撫で、胸元を軽く上下させるように冷たい空気を吸い込み、吐き出す。目の奥にかかっていた靄が吹き飛ばされたような気になり、足取りを道なりに取り戻す。

ネッツアー > 月明かり以外の灯はあまりなく、薄暗い貧民地区、静かに道を歩く影が一つ。
少し離れた位置にもう一つの影が見えるがさてどうしたものかとしばらくは様子を見ている事にする。
どういう反応をするかで楽しみ方が変わるかと勝手な考えをしたまま

ファンシャン > 「ん…?」

ランタンの明かりの先に、動く影が目に留まる。暗くどうせ見えないからと、眉を寄せて唇をへの字に結ぶ。狭い道に側溝、馬車など元より通れないが、人がすれ違うだけでも身体を軽く壁に寄せないといけない。

「何でこんな時間に…」

自身のことを棚に上げながら、近づく頃には表情は消えて、軽い会釈とともに横を通り過ぎようと歩き、近づいていく。

ネッツアー > ランタンの動きが僅かに自分に向けて翳されたように感じるが、気が付いたからの確認だと考える。
あまり広くない道幅に身を寄せるのを見るとさて自分はどうするかなと一応はすれ違えるだけには身を寄せる。

「女一人、この辺りは物騒だぞ。」

お互いをしっかり確認できるまでの距離になると、声をかける。
何がどうして危険なのかは言わないが、この街にいるなら分かっているだろうと。
そしてその反応に対して考えれば良いかとも思いつつ。

ファンシャン > 「はぁ?」

目を細め、怪訝な面持ちを向ける。思わず出てしまった感情は、一つ息をするころにはまた消え、表情を決め込む。口を閉ざしながら、目はさっと相手の姿を見定めた。ギルドかどこかでの知り合いかと思ったが、見覚えはなかった。

「そう。お気遣いどうも」

治安が悪いことは知っている。自分が女だということも承知はしている。それでも、ついて出た言葉は素っ気なかった。“この辺り”で起こる程度のことなら、自身に問題だとは思っていない。

ランタンが相手の姿を映せば、思っていた以上の長身に思わず視線を上げてしまう。自分と比べれば余程、目の前の男の方が金の臭いがするだろう。

ネッツアー > 「胡散臭く思うのは分かるし、それぐらい用心深くなくばいけないな」

向けられるのは怪訝な面持ち、思わず零した一言もよく分かる。現状では言った本人が一番綾sj比いのだから、表情をすぐに戻し、じっと観察するような目を向けられるのも納得する。

「その様子では分かっていないようにも思えるが?」

あっさりと返ってきた言葉は、自分はその対象ではないとでも言いたげな言葉で苦笑いをする。
その場ですぐに襲う気概も削がれたのか、さてどうしたものかと女の様子をもっとしっかりと伺う様に見つめる。

ファンシャン > 相手の言葉に通り過ぎようとした脚が止まる。値踏みするような言葉を耳にして、そのまま背中を見せるのは良くないのではと感じていた。改めてランタンの明かり越しに映る男の姿を見れば、背が大きいだけでなく体格自体も大きいのだと分かる。

「いけないって、貴方に許可を取る必要はないとおもうのだけど?」

思わず口をついて出た険のある口調。しまったと思い、軽く唇を噛むと息を吐いた。疲れのせいか荒れていた気持ちを落ち着かせる。ジャケット下の胸を突き出すように背を伸ばし男の方へと向き直った。

「そう、かも知れません。不勉強ゆえ。しかし、心配には及びません。いえ、貴方に心配をかけて頂く必要はありません」

相手の風貌から“こんなところ”にいるような人間ではないのだろうと思い、貴方と私は他人通し、どうなろうと気に掛ける必要はないと、噛んで含むように言った。

ネッツアー > 不穏な言葉と捉えたのか、足を止めてる女卵管のランタン越しし
観察しているのには気が付いていて。

「そういう意味で言ったのではなかった事を先に謝罪しておこう」

思わずかけられた言葉に険がある事は気が付くが、自分も勘違いさせるような事を言ったのがる勝ったのだと静かに息を吐き、頭を下げて告げる。
頭を上げると向き直った姿にどうしたものかと困った顔をして。

「それはそうだな。勝手に心配する事ではないか」

女が言ってくる事にも一理あり、申し訳なさそうに告げる。ただ面白そうな女ではあるなと違う意味にでも興味が湧き、さてどうしようかと悩む様子を見せて。

ファンシャン > 「んぅ…まぁ、はぁ…」

まさか謝られるとは思っておらず、目を瞬かせてしまう。顎を指先でかきながら、何事か考えるようにして目をつむる。ゆらゆらとランタンが揺れて、壁に張り付いた互いの影もまた揺れる。

「私は、ファンシャンと言います。その辺のギルドに名がありますので、家の警備や夜道の護衛等、ご用向きがありましたらお申し付けください」

相手の様子から、警戒するよりは売り込んだ方が得だろうと算段をしはじめた。名刺も持っていないような身分であれば、名前を覚えてもらう程度しかない。忘れられたらそれで終わりだが、それはそれで構わなかった。

ネッツアー > 「どうかしたかな?」

あたまをさげたことをあっけにとられているようすにぎゃくにたずねて。そんな様子に、やはり自分の言葉の選び方が悪かったのがと苦い笑みを浮かべるのだが。

「ナーシェンという。そうだな、酒の相手は付き合ってもらえるか?」

それまでとは打って変わって売り込んでくる様子に、やれやれと息を吐く。警備も護衛もいらぬ身であれば、冗談交じりに訊ねてみて。

ファンシャン > 「仕事言うことだったら、それも別に構わないけど…。もっと適任の女がいると思いますよ」

相手の冗談を受け止めるでも流すでもなく、打算と素直な気持ちで返す。息を軽く吐くと、肩が下がる。一度俯き目を閉じ、また開くと男のことを見上げた。

「じゃあ、そういうことで…」

小さく会釈をすれば、歩き始めた。

ネッツアー > 「仕事の意味ではなかったのと適任かどうか選ぶのは誘う方だとは思うが」

冗談に少なくとも揶揄って流すわけではなく、打算と素直な気持ちを告げられるとこちらの負けだとばかりに正直に答える。これ以上野暮な男にもなりたくないと誘うのは諦めて。

「ああ、それではな」

同じく会釈をすると少なくとも女の姿が消えるまではその場で見守った後、闇の中へと消えていく。

ファンシャン > 「仕事でないのならなおのこと、他の女の方が良いと思うけど…」

そう言い残すと、ランタンを持った人影が離れていく。
それは次第に建物の奥へと消えていった。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からネッツアーさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からファンシャンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にクフィナさんが現れました。
クフィナ > 貧民地区の薄暗い路地から顔を出し通りに出ればそのまま歩き出す人影。
そこに並ぶ露店に目を向けては脚を向け、興味がなければ早々に立ち去る。
しかし何か興味を引くものがあれば値切り購入をしたりとして。

「時々に掘り出し物があるのが侮れないんですよね。
欲しかったので助かったけど…」

たった今買った物が入る袋を抱えては良い買い物が出来たとご満悦な笑み。
この後は酒場にいくか、ギルドを冷やかすか、もしくは気が向けばナンパも良いかもしれないと思いながら機嫌よく通りを歩いて行く。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からクフィナさんが去りました。