2022/01/08 のログ
タピオカ > 【後日継続】
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からタピオカさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からロロイさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/女郎屋の奥」にビョルンさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/女郎屋の奥」にアイリースさんが現れました。
ビョルン > 何がきっかけとははっきりしたことは言い難く。
差乍ら外を這い歩く野良猫の競り合いのように視線からそれは始まったやもしれず。

只今ではその髪を撫でながら女の唇へ己のそれを重ねている。
舌をこじ入れる角度を越えて何度も執拗に続ければ、合間からの呼吸は自然と喘ぐような色味が混じり。

アイリース > 「ん……」

なぜこうなったか、とか。
いつこうなったか、とか。
そういうものについて、あまり思い出せないまま。
私は、目の前の相手の口吸いに、身を委ねてしまう。

「……っ……」

髪撫でられる感触に、目を細めつつ。
相手の腰に、両手を回し、そっと抱きつくように。
自身の体が、少しずつ熱を持っていくことが自覚でき。
案外に、素直な体だな、なんていうことを考えつつ。
相手の舌を受け入れ、それに吸い付いてみたりする。

ビョルン > 女の唇が唾液にふやけて腫れるかと思うくらいに。
互いの身体の境界を無くしていくように深く。
金の綿毛のような睫毛を伏せて執拗に、相手の口内を弄り愛撫して。

はふ、と。

息する間を惜しめば女の口にも洞窟に吹き入る風のように吸気が通るだろうか。
普段なら己も焦れていようか、どうだろうか。
今は只唇を重ねて舌を絡める時間と、その湿った感触を堪能していた。

アイリース > 「……んぅぅぅ~……」

長く、しかし、厭らしさ感じないその行為。
これから先の行為について、ついつい期待してしまうような。
優しくも激しいその愛撫に、思わず声が漏れてしまう。

「……はぁ……」

かすかに、呼吸苦しくなり。
少しだけ唇を離し、息を漏らす。
次の瞬間には、また唇を重ねることになり。
私は、相手を抱きしめる腕に、力をこめてしまうが。
ちら、と。視線を横に向けてしまう。
そこには、すでに敷かれていた布団。
……こうなることを予期して準備していたわけではないのだが。
ついつい、ちらちらと見てしまうのは、まぁ仕方ないことだと思いたい。

ビョルン > 己へ抱き着く腕に力が籠る。
ちら、と薄目を開けてみれば女の顔はぽっと色づいているのだろうか。

視認すればまた、絡めた舌伝いに唾液を垂らして掻き混ぜる。
くちゅくちゅと軽く水音が立つのだろう。

髪を撫でていた手は相手の背中へとついと撫で下ろし、指先をその細い背の彼方此方に彷徨わせるように遊ばせる。

アイリース > 「……っ」

一瞬。相手が、私の顔を見たような気がした。
それは、なんというか。
顔色を確認されたようであり。

「……あ……」

そんなことを考える暇もなく、相手の指先が背中へと触れ。
思わず私は、さらに声を漏らしてしまうが。

「……あ~~~~のっ……」

そこで、ついに声を出すことにする。
ぐいぃ、と相手から体を引き剥がし。
じぃ、とまっすぐに相手を見て。

「……あの。
 キス。長く、ありません?」

不満なわけではない。不満なわけではないのだが。
私の口から出た言葉は、ちょっと、怒りが滲んでしまっていたかもしれなかった。

ビョルン > 小さく漏れ出た女の声は心地よく耳朶を擽る。

けれど、この先どう女を愛でてみようかと思案していると体が離された。
己の身からちゅぽんと、吸盤を剥がしたような音が聞こえなかったのが不思議なくらいである。

湿った唇の総てが外気に晒されれば、瞬間だけ玩具を取り上げられた悪童の顔になり。
口を尖らせるのは止めて紳士の微笑を纏った。

「あら、お嫌だった?」

ふふ、と含み笑いを鼻へ抜けさせてから、じゃーしょーがないなーなどと嘯き、畳敷きの床へ長々と身を横たえた。

アイリース > 「むっ……」

真正面からの、相手の挑発的な言葉に。
なんと返したものか、と一瞬言葉を失ってしまう。
だが、こうして黙り込んだ時点で、私の負けだということも理解できているので、悔しさは相当なものであった。

「……イヤじゃないですよ。イヤじゃないですけど……」

目の前で余裕綽々の相手に、聞こえるか聞こえないか、くらいの声でそうつぶやいてみるが。
おそらく、相手にしてみればノーダメージであろう。
私は、思わずふくれっ面になりながら。
横たわる相手を追い、思いっきり後ろからハグなどしてみる。

「焦らされるのはあんまりスキじゃありません」

……と、言うのが精一杯だったりする。
おねだりにしては色気が無いが、まぁ許してもらえるだろう。

ビョルン > また多分、勝ちとカ負けだとか年下だとか年上だとか男だとか女とか考えているのだろう、この女は。

「この程度で焦らしって思うんじゃ、もしお前が他の勢力から俺に送り込まれた刺客のエロニンジャだった時にさ──…
 ……あー、乳も揉みたい」

後ろから抱かれながら、やはりそれでは己が手はお留守になってしまう。
両掌、わさわさと空を掴んでは離す。

アイリース > 「……むぅ」

どうやら、相手はわざと焦らしたりしていたわけではないようで。
それはつまり、私が勝手に焦れたということの証明なので。
つい、小さく呻いたあと、ぺちぺちと相手の頭を後ろから叩いてみたりするが。

「……じゃあ、こっち向いてください」

胸を揉みたい、という率直な言葉に。
私は、ハグを解き、そう言う。
相手がこちらを向くのであれば。
手を広げて、相手が揉みやすいようにしよう。

「……はい、どうぞ」

一応、冷静な風に装ってみるが。
内心、相手の更なる愛撫を期待してしまっているのは事実なので。
私の心臓は、鼓動を早めていく。

ビョルン > 女の手がふわふわと後ろ髪に触れてくる。
これはこれで、なんらかの不満の証らしい。

促されて体をころりと反転させる。
はいどうぞ、と来たものだ。
苦笑を唇の端に乗せならが指先で触れる、着物越しの女の胸乳<むなぢ>。

「さあお揉みなさいと差し出される乳と、
 自ら揉みにいく乳の価値とは──」

ここだ、と両の指先で着物の上から乳の突先へと当たりをつけて突く。

「実際、ムードのない女だね」

先程迄とはうって代わり、惰性で女を揶揄うような手つきになる。

アイリース > 私の言葉に、相手が素直に体を回転させる。
そのまま、間近で相手の顔を見ることになるが。
なんというか、この相手は顔といわず体といわず。
どこか、幼さと大人びた雰囲気を併せ持っているのを再確認。

「どちらも価値は等しいと思いますけど。
 ……んあっ!」

そこで、胸を揉まれると思っていた私は。
思わぬ刺激に、声を上げてしまう。
体もつい、ぴくっ、と跳ねてしまうが。

「んがっ……!」

いきなりの言葉に、再度絶句。
むむむぅ、と何度目かのうなり声を上げた後。
思いっきり相手の頭を両手で掴み、胸元へと引き寄せる。
そのまま、胸の谷間に相手の顔を埋め。

「ムードは男性側から作るのもありだと思いますけどぉ!?
 ……それに、いまさら、アナタ相手にどうやってムードを作れっていうんですか……。
 ……しょ、正直。そういうの、恥ずかしいですよ……」

いや、わかっている。私だって、ムードたっぷりなシチュエーションに憧れだってある。
だけど、いざそれを実践、となると。
恥ずかしさが、先行してしまうのだ。
……なんて考えている間に。相手の顔の熱が胸に伝わってきて。
鼓動はさらに早く、大きくなる。

ビョルン > 「シノビの学校では男心をどう教えているのやら。
 ──おー、大正解と見た」

跳ねるような反応に平坦な声で返す。
ただ、胸の中へ抱き寄せられて告げられる言葉は些か理不尽だ。
色事でなければ、そこへ直れと座らせて滾々と説教して差し上げたい。
まぁ主に、ムードある流れに焦れて断ち切ってくれたのは誰なのよと問いたいような。

ふーん、と相手の胸肉に声を圧迫させて声がくぐもる。

「ぢゃあ、そう謂うのなら──…
 今夜だけ俺のこと、ビョルン、いや『ビョルン様』って呼んでみろよ」

女の胸から顔を上げて酷薄に唇吊り上げ。

「それが恥ずかしいとか言うなら、お財布持って馴染みの女にでも会いに行くし」

脅す訳ではなく、全てを伝えて女へ先を委ねる。
さて、どう出るか。ころんと転がり天井を仰いだ。

アイリース > 「ん……っ……。
 それは、難しいですね……。
 基本的には、ちゃんとした意味では、習わないとも、言えますけど……」

そもそも、修行の最中はそういったことはある種の『要素』としか習わない。
どういった状況で、どういった行動を取るか、ということ。
年齢、性別、職業など。男心というのは、その要素でしかない、という覚え方だ。
もちろん、普通の男女の関係の間には、機微として男心女心というのがあるのは、私も理解はしているが……。

「……へぁ?」

相手が顔を上げ、そう言うのを聞き。
おもわず間抜けな声を上げてしまう。
それに何か、深い意味があるのだろうか? と考えるが。
……よくよく考えれば、私はこの相手に対し。
アナタ、とか。若、とか。若様、という風に呼ぶのが多いような気がする。
そういうことだろうか? と考えつつ。

「アナタ、そういう馴染みの女性、あんまりスキじゃないんじゃなかったでしたっけ?
 ……今夜だけでいいんですか? ビョルン様……」

正直なところ、このまま放置されては私としてもつらいし。
それは幾分以上に寂しい話である。
なので、私は相手に寄り添いつつ、そう呼びかけ。

ビョルン > 「そォかい、そんなのに女将を任せていては当館は先行きが暗いかもしれねェなァ」

少し剣のある言葉が思わず口をついた。
性技のみに長けていても男心を知って掌で転がせるどころか、解そうとしないのであればそれは娼婦ではなく人の形をした快適な便所だ。

そうしてしばらくの間の後に問われた言葉には。

「何にだって例外はあるさ──俺はまだ幸い、花街の男では可愛い方らしいからね。
 ああ、今夜だけ──それ以降も望むのならば応相談」

そうしてこの夜を仕切り直そうか。
つと立って、部屋の灯りを消した。
閨は暗闇に飲まれる。

【次回継続】

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