2021/12/11 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にイレーネさんが現れました。
イレーネ > 雨の夜。この日も依頼をこなすために走り回っていた頃は、まだ降っていなかったけれど。やっと終わった帰り道、唐突に降ってきた雨、帰路はまだもうちょっと長い。
急ぎ走って帰るには読めない空模様。ひとまず見つけた、閉店後のなにかのお店の軒先、道へせり出した屋根の下を借りて。カーテンの閉じられ中の見えないショーウィンドウに背中を預けて、ぼんやりと地面に落ちる雫を見つめ。

「しばらく待ってたら、やむかな、この雨……。強くなったりしたら困るなぁ」

ただその場に立っているだけ、と言うのも手持ち無沙汰で落ち着かない。場所もあまりよろしくない、のは雨のおかげで道行く人々もそれほど周りに気を使っている場合でもないのか、今の所は変なのに絡まれたりもしないで済んでいるけれど。

イレーネ > 「もうちょっと、せめてこの地区じゃなかったらもっと安心なんだけど。あ、でももっと家に近かったら思い切って走って帰っちゃってる、か」

後ろ手に組んだ腕が、背中の武器二つにトントンと触れる感触。少し前かがみ、道の先を軒下から伺ってみると、数名の人影が近づいてくるのが見えて。そっと壁際に身を寄せて、何事もなくそれらが目の前を通り過ぎていくのを静かに見送る。
雨に濡れるのをもう諦めて、今の人達のようにそのまま行くべきだろうか、とも考える。
仕事の真っ最中なら、それも気にしないと思うけれど、そういう集中してる時じゃないと、濡れるのは気になっちゃうな、ともぐるぐる考える。
ふと上を見上げれば、布張りの屋根が雨から身を隠してくれている。背中の硬い感触も、少しの安心感をくれる。そっちは使わないで済む方がもちろん良いのだけれど。