2021/10/27 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にマダム・ローゼさんが現れました。
■マダム・ローゼ > 「本当に、よくこんな調子でプロの傭兵が名乗れましたこと」
と、喧嘩騒ぎをかき分けて一人の女があなたの前に顔を出した。
浅黒いグラマラスな肢体を、コルセットビスチェに包んだその姿は、
まるで近くの娼館街の客引きがそのまま、野次馬として顔を出したかのようにも見えるだろう。
しかし……貴方なら、その職業柄聞いたことがあるはずだ。
最近、勢力を伸ばしつつある賞金稼ぎギルドの競合相手であるアサシンギルドの名前を。
――トンッ
あなたが踏みつけていた男の額に、軽い音と共にナイフが生える。
当然、男は絶命――抜いたところすら見せぬ、女の早業であった。
「……正直言って、あなたの事を舐めていましたわ彼岸花さん
小手調べのつもりであなたにこれらをあてたのはわたくしですが、これほど拍子抜けする結果になるなんて」
……もとより、今回はこの男たちがいきなり襲い掛かってきたのだ。
なにか、目的があるか。あるいはどこかで買った恨みの因果であろうか、
とあなたにも察しが付くところだろう。そして、そこにこの女の登場。
「……単刀直入に申しますと、わたくしはあなたの始末をとある筋から申し付かりましたの」
そういうと、女は気障に宮廷風のお辞儀をあなたにしてみせて
「わたくし、マダムロゼと申しますわ。
ただ、あなたをこの場で縊り殺すこともできましたがそれでは面白くない
なにぶん、わたくしあなたに興味が湧いてしまったものだから」
そういう女の視線は、あなたを値踏みするよう。
■リコリス > 「…ほう?これはこれは…意外なことで」
顔は知っている。最近勢力を伸ばしつつあったギルドの商売敵。
正直帰属意識の薄いリコリスにはそんな事はどうでもいいと思っていたのだが…。
リコリスは、避けるそぶりも見せずに彼女が投げたナイフが男に突き刺さるのを目で追っていた。
「そこらのごろつきだと思っていたが、まさか雇われだったとは。
いやね、まさかただの殺し屋を狙うアホがいるとも思わなかったものでね」
自分はあくまで、誰かに雇われて仕事をする道具。
狙われた対象が先手を打ってきたり、
愚かな雇い主が報酬をケチるために襲い掛かることはあっても、
基本的には金を渡して雇ったほうが得なはずだ。
「そうかそうか。だが生憎私はとっとと帰りたい。
私を雇いたいなら後日賞金稼ぎギルドに来てくれないか?」
にやにやと笑みを浮かべながら、リコリスは言う。
■マダム・ローゼ > 「ふふ、意外でも何でもないわ。あなたの『噂』はシェンヤンからいろいろと流れてくる。
どうやら相当なおイタを向こうでやってこっちに流れてみたいだけれど、
そういう暗殺者はどこにいてでも、安息の日は来ないと相場が決まっている。」
マダム・ロゼと名乗った女は、
顎に手を当ててあなたにくすくすと笑いかける。
「うちも手広くやっているから、ある筋から始末の依頼を受けてね……
でも、暗殺対象はなかなか『カワイイ』って言うじゃない? 私もマグメールの夜を生きる蝶ですから
興味がないと言えばウソになってしまう。だからこうして、死体だけでも見ておこうかと思ってきたのだけれど」
既に、周囲にいた他のごろつきたちは恐れをなし逃げ去っていて、
この場にはあなたとロゼの2人きり。おそらく、騎士団や自警団などがくるのもいくらかかかるだろう。
「思った以上に腕が立つじゃない?
本当に、あなたを殺さず雇いたくなってきてしまった。
ううん、その華奢な体を一晩、抱いてすら見たくなったけれど……」
顎に当てていた手を熱っぽく唇に這わせながらと息を吐くマダム・ロゼ
「契約を受けた以上は、あなたを消さなければならない」
その言葉と同時、マダム・ロゼのすがたが掻き消えた。
■リコリス > 「ああ、なるほどそういう…。
はぁ、戦争中の敵国ならおいそれと手出しもできないと思っていたが」
女の言葉を聞いてリコリスはため息をつきながらやれやれと首を振る。
どうやらあの皇帝は未だにこちらを狙っているらしい。
あるいは、気を利かせた家臣か。
「……で、いくらで雇われた?私の命の値段はいくらぐらいだ?」
リコリスは顔を上げ、口の端を吊り上げながら聞く。
金にうるさい彼女だけに、自分の命にどれだけ値が付けられたのか気になるのだ。
そしてそれは、彼女の腕前の値段でもあり…。
「…お前が命を賭けるのに充分な金額だったか?」
リコリスから、獣の耳と尻尾が生える。神獣族たる彼女の、本来の姿。
そして、マダムの姿が掻き消えるのに合わせ、リコリスの姿も風に消えた。
■リコリス > 【移動します】
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からマダム・ローゼさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からリコリスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にクロミヤさんが現れました。
■クロミヤ > (――お金がない。
別にそこまで無駄遣いをしたつもりもない。暴飲暴食を繰り返したつもりもない、のだけれどとにかくお金がない。
ぱかりと開いた財布にあるのは数日分の宿泊費と食費のみ。今日明日すぐにどうにかなる、というものではないけれど早急にどうにかしないと数日後には野宿になるし、まともな食事にありつけなくなることも明確。
仕事だって勿論冒険者、魔術師としての仕事はしているのだけれど最近どうにも割の良い仕事がなく、あまり旨味のある仕事というのにありつけなかった。
色々こうした金欠になった理由はあるのだけれど、とりあえずの問題はマジでお金がない、ということである。)
どう・・・しましょうかね・・・。
(ひゅう、と風が吹きそうな程に寂しい財布の中身に溜息。けれど、それでお金が増える訳でもない。どうにか早急にお金を工面しなければいけないのだけれど・・・どこか割の良い仕事とか。なんなら急にお金とか振ってこないだろうか・・・秋の寒空の下、すっからかんの財布を前に天を仰ぎ、これからどうしよ・・・、と途方に暮れる上京兎少女。)