2021/10/22 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区の安酒場」にティエラさんが現れました。
■ティエラ > わいわいがやがやと、騒がしい安酒場、貧民地区に良くある、ごろつき共が溜まるだけの、治安の悪い酒場だ。
マスターは、そんな彼らを気にしているのかいないのか静かにグラスを磨いている。
酒はどれもこれも水で薄めているような、味も悪くただ、酔う為だけの酒、それを気にせずに破落戸は酒を飲み、管を巻く。
そんな酒場で、踊る女踊り子はティエラと良い、この周囲の生まれでは無いことを示す褐色の肌、葡萄色の髪の毛に瞳の色を持つ女性。
毎日、安い料金で、酔客の前で様々な踊りを披露する踊り子で、彼らは毎回薄絹に包まれた女の踊りを見て喜ぶ。
この踊り子の特徴は、ステージなどに立つことはなく、酒場の中を踊りながら練り歩くことにある。
破落戸が触れようとすれば触れられるぐらいに近くまで移動し、甘い花の香りの香水が嗅ぎ取れるくらいの所を滑るように移動する。
当然、胸だの尻だのを触ろうとするが、それらをすい、と躱して踊るので、触れられれば寧ろ周りの物に一目置かれるようになっていた。
中には、踊りを遮り、無理やり手籠めにしようとしたものも居た。それが為って居たのならば、女はここにいない。
今もここで踊りを続けているのが、彼らの手に堕ちてない証拠でもある。
今宵もここで踊りを披露し、酔客からお捻りを貰い、踊りの時間は終わる。
踊りが終われば、一人の客に戻り、カウンター席に腰を下ろして、マスターに上等な酒と、最高級の摘まみをださせる。
それに関しては、契約のようなものなので、お金を取られることはなかった。
隣に一人分の席があり、そこには、破落戸共は近寄らない。
誰かを待っているようにも、見える配置だった。
■ティエラ > 人を待っているのだけども、特定の人間、という訳ではない。
逆に言えば、ナンパを待っていると言ってしまった方が、正しいと思う。
秋になり、人肌寂しくなってきたし、今は、恋人と呼べるような相手もいない。
家族は居るにはいるが、音信不通となれば、時には、一時の恋人でも良いので求めたくもなるものだ。
普通に考えれば、もっと治安の良い場所で、という考えも浮かばなくもないが、自分の秘密が逸れに警鐘を鳴らす。
普通ではないから、こういう所でひっそりと、居る事にしたのだ。
縁があるならば、運命が紡ぐならば、こういう所でも、出会うことは出来るだろうし。
女は琥珀色の酒の入ったグラスを持ち上げて、蒼く彩られた唇に近づける。
喉が焼けるような、強い酒精を飲み落とし、はふ、と息を吐き出して、摘まみを一つ摘まんで齧る。
静かにグラスを磨くマスターが目の前にいて、酒精で悪酔いし、げらげら頭の悪い笑い方をしている破落戸共の声をBGMに。
「余り、いい音楽では、無いけれど。」
はふ、と溜息を零し、長い睫毛、半眼で少しうつむき加減のままに、踊り子の服のままの女は、酒を静かに飲んでいた。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区の安酒場」にティアフェルさんが現れました。
■ティアフェル > カウンター席、ということは店の奥まった場所に位置しており店内に丁度背を向ける配置となっているのが基本であり。
となると、今しがた戸を押して冷えた夜風と共に来店した新客の姿は目に留まらない。
逆にこちらの目には踊り子さん指定席となっているカウンターの後ろ姿はすぐに映り。
勘付いていないのを良いことに、小柄な女の足音は賑やかな店内にかき消されるのを利用しつつすたすたと背後から近づいていき。
――終いにはすとん、とその空いている隣に我が物顔をして着席するのである。
彼女の目に入ったならば、にこ、と笑みを投げかけながら片手を軽く挙げ。
「やー」
軽やかに短く挨拶を投げかけるのである。
もしもそこはとっくに誰か決まった待ち合わせ相手の席ということなっていたとしたら、その時はその時。静かに慌てず席を移るのみ、と冷静何だか厚かましいんだか微妙な思考を抱いていた。
■ティエラ > 「――あら。」
気軽にかけられる声、聞き覚えのある声の方に視線を向けてみれば、其処には懐かしい人が居た。
最近忙しいから、合う事が出来なかった知り合いであり、お姉様、と呼んでくれる可愛い子、髪飾りを送ってくれた親しい友人。
こういう所に現れる事に関しては、不思議はなかった。
彼女は冒険者であり、そのフットワークはとても軽い相手だという認識が、自分には有った。
「マスター、隣の彼女に一杯、奢ってあげて?」
腰を下ろす彼女、軽く上げられる手には、女は褐色の手をあげて見せる。
ふふふ、と目を細めて笑い、口紅で彩った口角を、つい、とあげて見せてから、ぱぁん、と彼女の手にハイタッチ。
一応、女も冒険者だから、そう言う気軽い挨拶だってお手の物、でもある。
「お久し振りね?ティアちゃん。お仕事は、最近如何?」
冒険者としてか、それともヒーラとしてか、そのどちらにしろ、彼女の活躍は聞いてみたいものだ。
誰かを待っているわけではなく、誰かを待っていた。
そんな矛盾した時間が終わるのならば。
楽しく彼女と話をしたい。
今、積は誰かの席ではなくて、隣に座るティアフェルの席という事になった。
■ティアフェル > まるでもともと己の席だったとでも云わんばかりの厚顔振りを発揮して隣に座すと嫌でも気づいた彼女の視線に向かって笑みを深めて見せる。
ひこ、と揺れるアホ毛がお辞儀のような態で。
「えー? いいのー? やったー。何にしよっかなー」
一杯いただけるらしい。そんなつもりではあったようななかったようなだがありがたくお言葉に甘え喜色を滲ませて双眸を明るませながら、挙げられた掌に察して同じく高い位置に伸ばした両手お互いの手を軽く打ち鳴らした後は、そのまま軽く握って左右にるんるんと揺らしてから放し。
「んー。ほんと、お久だねー。まあ、ぼちぼちでんなぁ。
稼いでも稼いでもお金のかかることばっかりなんだから……なんてボヤいてもしゃあない。
おねーさまは? 順調? お変わりない??」
生活に疲れた主婦さながらの愚痴は速やかに封じて切り返すように振っては、ちゃっかり今夜は自分の指定席にしてやった彼女の隣に陣取って、何を呑もうかと一考したものの結局は、
「シードルお願いします。甘めの」
選んだのは好物の酒。
食事に合うハードタイプ、アペリティフにもなりそうなほんのり甘く軽めのもの、と選べたので今夜はりんごの風味の強い甘いものを注文した。
■ティエラ > それで良いと、想う。彼女が来て、隣に座ったと言うのなら、待ち人は彼女だ。
彼女と共にいるのが楽しいし、彼女の明るさ、元気さは、自分にとってはとてもいい空気で、和めるのは間違いない。
揺れるアホ毛に、そっとマニキュアを塗った手が伸びて、お前もお久し振りね、とばかりによしよし撫でて擽ってみせた。
「ええ?だって、貴女に盃が無いと、乾杯、出来ないもの。」
楽しく飲むのならば、相手も酒があると良いし、二人で楽しく飲むのが一番だと、女は思う。
きらきらと輝く彼女の翡翠の色の目は、見ていて心地が良い、手は降りて、摘まみを一つ摘まんで見せてから。
はい、あーん、なんて、彼女の可愛らしい口元へと持って行こう。
「こちらも忙しくなって、余り連絡も出来なくてごめんなさいね?私の方は順調、よ。
其れなりに楽しく仕事とか、してるから。その所為で、こう言う風に出かけることが減ってしまった、けど。
また、二人で、あっち行ったりこっち往ったり、遊びに出かけたいわ。
時間合わせて、洋服とか、お化粧と、か、買いに行きましょうね?
―――と、あ。後、カバン、忘れないで、ね?」
「―――ふふ、シードル、良いお酒、ね。次は、私も頼もうかしら。」
彼女の注文を聞きながら、自分の飲んでいるお酒を一つ、絡んと音を響かせて、含んで、ほんのりと鼻を抜ける香りを堪能。
こく、と嚥下して見せて、ふ、と酒精の混じる吐息を零して。
「おつまみも、頼んでいいわ?今踊ったばかりで、懐、暖かいし。」
ね?と、軽くウインクをして見せた。
■ティアフェル > 早い者勝ちの踊り子さん隣席。
今夜はまんまと奪取してしたり顔。しかも奢り。早いものに福がある、などと勝手な縁起担ぎをしつつ。
細く長い指先で撫でられたアホ毛。本体の方がくすぐったげに眼を細め、毛はぴこぴこと神経が繋がっているかのごとく揺れていた。
「酒場に来たんだから飲むよー、それは。でも勝手に来たんだからふつー自腹っす」
何も頼まずに席だけ占領されたら店側からしたらそれは客じゃない。邪魔者である。追い出されないためにもちろん何か頼む心算だったがお言葉には甘える。
だから口元に運ばれるおつまみをあー、と口を開け。ん、でぱくっと頬張り。うまうまと目を細めて咀嚼し。
「いやいや、それは云いっこなしよ。便りがないのは元気な証拠ってね。
お変わりないなら良かったわ。
うんうん、そーねそーね。また遊ぼー。甘いものとか食べいこ。
――っは。そうそうそれなのですよ。お金が貯まったのですよ! ふぉふぉふぉ。ティアフェルの鞄貯金が今火を噴く時なのですよ!」
胸を張らんばかりの勢いで誇らしげに主張。貯金満額となりました、とご報告し。ぴっと片手を上げてよろしくとご挨拶。
「シードル大好きなの。同じ物でも葡萄酒みたいに産地や醸造所で味が違うからついつい頼んじゃう」
しゅわっとしていて夏なんかはソーダみたいにアルコール低めのをよく飲んだ。寒くなって来た今でもキンと冷えたシードルを飲みたくなる。
そして注ぐだけの手間しかかからない酒はすぐに運ばれてきて。淡い黄金色の泡立つグラスを嬉し気に手に取り。
「いえーい。やったあ、太っ腹ー。じゃ、とりま乾杯しましょー」
かんぱーい、と杯を軽く掲げて気前のいい声に相好を崩しつつ駆けつけ一杯。
■ティエラ > こう言ったものは、本当に早い者勝ちなのだろう、ただ、其処にどれだけの価値があるのか。
その価値に関しては、手に入れたものが決めるのだろう。
髪の毛を、アホ毛ちゃんをなでりなでなでと撫でていて、揺れる髪の毛を擽って手を離した。
「それもそうだけど、ね?でも、久しぶりに会った、親しい友人との、再会を祝ってのお酒だから。
それくらいは、奢らせてもらっても、良いと、想うのよ?」
彼女は貧乏でもないし、寧ろ、お金を稼いでいる方なのだろう。そうは思うものの、逢えたという喜び。その喜びを表現する手段のうち一つとして、奢るが、有るのが女の思考で。
可愛らしく口を開いて、おつまみを食べる様子は、もっとあげたくなってうず、としてしまうのだった。
だから、その衝動に負けて、新しいおつまみを一つ、口元へ。
「あは、それはそれは、と。まあ、お変わりはないけれど、人肌寂しくて。
今晩あたり、ティアちゃんの暖かな体をギューッと、抱き枕にして寝るのもあり、かしら?
ふふ、好いわね、甘い物。それも最近取ってなかったし……、体形の心配のない程度で、行きましょうか。
何だ、とても好調だったじゃないの。
ええ、ええ。それなら、改めて、持ってくるわ?その時に最終調整をして、満足したら、お金を頂こうかしら。」
彼女に頼まれていた、魔法の鞄。大きさに反比例して、様々なものが入るようになる鞄だ、冒険者であれば誰もが欲しがるそれ。
彼女に頼まれて作っていて、その資金が出来たら交換という事でお話して居たのだけど。
ついにできたのね、と、目を細めて頷いて見せる。
すこし、否、凄く感慨深く思う。
したっと、手をあげての報告に、じゃあ、次にお会いしたときに、お持ちしましょうね、と。
次のお約束を取り付ける積りで、何時が良い?と。
「ええ、ええ。リンゴも蜜が多くて、とてもおいしいし、シードルは、爽やかで飲みやすいわね。
ブランデーとかも、リンゴでつくるのもあるし、おいしいわよね。」
シードルを好んで伝えてくれる彼女に、小さく笑ってうなづいて。
飲みやすいし、おいしいし、甘いし、良いお酒よね、なんて、カルーアミルクを頼みたくなるわ、とか。
「……そんなに、ポニョポニョは、してないわ?乾杯。」
太っ腹、そういう意味ではないのは判って居るけれど、だから、冗談交じりに言って見せながら、ちん、と涼しげな音を響かせて、グラスを当てて見せた。
くい、と、もう一度、グラスに唇を当てて、酒を、こくり、こくり、と。
■ティアフェル > 擽られたアホ毛は一頻り揺れてからぴ、とやはり頑固に跳ねており定位置で自己主張していた。
「久し振りじゃなくってもいつも気前よくごちそうしてもらってる気がするなー。
だけどそう云ってもらえるとついつい甘えてしまうことと次第」
富裕地区ならいざ知らずこの界隈の酒場であれば比較的低料金である。払いが辛くなることもないけれどせっかくのお言葉は粛々と受けておくのである。
ぱく、と口にしたつまみは小さいのですぐに嚥下も終わる。そして後続があると反射的に口をあーんと開けてもくもく噛み。そうしていると、これは何かに似ている……ああ、そうだ、餌を待つ雛状態…?と連想してしまった。
「ぐっと冷えて来たものねえ……おねーさま、そのカッコ寒そげ……。風邪引いちゃ駄目よ。
っふふ、抱き枕にしちゃ寝相悪いかもよー?
スイーツ大会の為にはダイエットも辞さないよわたしは!
まあまあ、何せ一年近く? 経つような気はするしいい加減わたしのタンス貯金も豊かになるってものよ。うぃ、よろしくでーす」
今使用しているものと大きくデザインやサイズ感は異ならないがよりセンスがよくより軽量にと目指して発注する冒険者仕様のアイテムカバン。
とはいえ……いつが、と訊かれてうっと言葉に詰まる。ちょうど来月の予定はまだ完全に未定状態。ちょっと先で…ともごもご言葉が濁る。
「シードルは度数も低くて癖もないから飲みやすいしね。
りんごのブランデーか…そう云えば飲んだことないなあ。ブランデーはお菓子の時に使うくらいしかしないし……」
りんごのブランデーはアップルパイを作る時に良さそうな気はする。普通は葡萄酒が原料となるのが主な為、考えた事がなかったなーと感嘆し。
「わたしはこれからぽにょっとしちゃうかも……馬肥えないように気を付けますカンパーイ」
とグラスを煽って、ふはーと心地よい吐息を吐き出す。しゅわしゅわと口内を柔く刺激する発泡に目を細め。
「おつまみはー、インゲン豆の塩ゆで……にしておこう……」
少々カロリーを鑑みて注文。
■ティエラ > 矢張り、生きてるのではないだろうかと思うアホ毛。生きてるに決まっている、屹度そのうち……否、今でも意思疎通が出来そうなアホ毛ちゃんである。
名前を付けて大事にして挙げねば、なんて思ってしまう今日この頃。お酒で酔っているのかもしれない、自己主張が激しく集中船が見える気がする。
「あら?そうだっけ?でも、ティアちゃんは奢りたくなっちゃうのよね。
楽しいというか、凄く、嬉しくなるというか。」
こう、奢ってよかったと思わせてくれるような彼女の態度だから、奢りたくなるのだろうか。
嬉しそうにしてくれて、美味しそうに食べてくれて、そして、感謝の気持ちを見せてくれるから。
だから、此方も凄く気前良くなってしまうのかもしれない。そんな風に思いながら、餌付けしてるような状態。
一つ摘まんで口元へ、もう一つ、摘まんで口元へ、止められない止まらない。
「今は、踊ったばかりで温かいから、もう少し冷えてきたら、ローブを羽織るわ。
魔法の力で、外の熱気や冷気を遮断するから、快適なのよ?
それじゃあ、逃げられないようにしっかりと捕まえて抱き枕にしないとね。
プロの踊り子としては……ダイエット前提で……というのはあまりよくないけど。
でも、偶には、そういう風にしてみたい所ね。
ふふふ、楽しみ、でも、一年近くかぁ……そんなに経って居たのね。」
一年と言うと、デザインの流行とかも変わって居る事も多いだろう、お金が溜まって居るならば、今手早くデザインを変えても良いかもしれない。
流行と言うのは唯々、格好だけではなく、それを選ばせる理由もあるのだろうし、使い勝手、等も。
彼女が、来月と言うのであれば、それはそれで、とうなづいた。
「ええ、ブランデーの中では、比較的メジャーだと思うわ。今度、すこしだけ飲んでみると良いかも。
お菓子に入れれば良いのは、良く判るわ。
でも、お腹がポニョっとするのは、矢張りいやね?
私は、そうならないように、しないと、ほら見せつけないといけない仕事、だし。」
グラスを持って、琥珀色の酒をちびり、ちびりと、煽る。彼女のシードルとは違い、其れなりに度数の強いお酒。
一気に呑むものではないから、グラスの氷を溶かしつつ、飲む形。
カロリーを抑え、ダイエット回避を試みる姿、目を細めて、良いの?と眺めていた。