2021/10/10 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にダリルさんが現れました。
ダリル > 「そら、パンと燻製肉、……こっちが果物だ、しっかり持てよ?」

はしゃいだ声を上げて駆け寄ってきた幼い子供たちに、抱えてきた荷物をひとつずつ、
そっと手渡して、にっと笑顔を向けてやる。
少年が女装、もっと言えばシスターの装いであることは今更、
疑問にも感じないらしい彼らが、仕入れてきた食べ物を嬉しげに中へ運んでいく、
そんな後ろ姿を見送って、―――――ふう、と、いささか疲れ気味の溜め息を吐き。

「……最近、物価、高くなってきてるよなぁ……」

思ったよりも買えなかった。
あの程度では多分、今日、一日保てば良い方だろう。
となれば、今日じゅうにもう一度、稼ぎにでる必要があるけれども――――、

「―――――いや、いやいや」

いちばん稼げるのが、なんなのか。
最近になって分かり始めてしまったのだけれど、それだけは。
ぶるり、頭を振って、ずれたウィンブルを被り直す。
ソッチ方面で稼ぐことを覚えてしまうのは、ちょっと、やっぱり、避けたかったので。
スリもコソドロも褒められた方法ではないが、少年自身の精神衛生上、
そちらの方がずっと、ずっとマシだと思えた。

ダリル > ――――――ふ、と、視線が泳ぐ先。

認めたのはこんな場所に相応しからぬ、上等な絹の艶やかさ。
迷い込んだか、それとも好奇心で入り込んだか、
いずれにしても早晩、誰かの餌食になりそうな人物。

思考は一瞬、少年はさっと気持ちを切り替えて、そちらへ歩み寄った。
追い抜きざまに財布をすり取るか、あるいは親切ごかして、
まんまと案内料のひとつもせしめるか。
もう少し近づいてみてから決めようと、足音を忍ばせて――――――――。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からダリルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にアークさんが現れました。
アーク > 貧民地区の路地、とことこのんびりと歩く少年。
胸に抱える紙袋。
中に入っているのは夕食代わりの軽食と、果実水。
秋になればいろいろな果実や果実水が並びルンルンである。
果物はとても美味しい。

にっこにことしながら果実水を飲むのを楽しみにしながら軽い足取りで路地を進む一人の少年。
今日も今日とて真面目に冒険者ギルドでのお仕事も終わり、自分の塒として借りている貧民地区のボロ部屋へ。

アーク > そして少年は夜の闇の中に姿を消していった。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からアークさんが去りました。