2021/09/27 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にイグナスさんが現れました。
イグナス > やっているのは散策である。
昼下がりの時刻に、一歩一歩と足を踏み出して視線をぐるりと回した。
貧民区の路地裏。昼間でもそこは、ちょっとばかし暗かった。

「えェと、こっちにつながってるから――……おう?」

かくりと首を傾けた。
先日このあたりで道に迷ったゆえに、散策でもして道を把握しておこうと思ったのだけれど。
…また迷い気味である。どうしたものか。
地図を買うという手もあったのだけれど、なにせ色々勝手に建築されている。
案内人を雇うのが一番良かったのかもしれない。十字路でのしりと立ち止まって、やれやれと肩を竦めた

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にコルボさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からコルボさんが去りました。
イグナス > ま、こういう時はいちかばちかだ。悩んでいても、しかたない。
だから、よし、と息を巻いて歩き出す。――さて、無事に目的地に、たどり着けたのやら。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からイグナスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にコルボさんが現れました。
コルボ > 【後日ロール継続】
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からコルボさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/裏路地」に黒曜石さんが現れました。
黒曜石 > 酒場や娼婦街の喧騒と、細々と暮らす家々。
その狭間にあるような裏路地だった。
打ち捨てられた廃墟が立ち並んでいる。
細い月明かりが差し込むだけの薄暗い場所。

――――。

そこに、似付かわしくない“声”が響く。
夜に啼く鳥がいるとすれば、夜に歌う鳥がいるとすればそんな声だろう。
言葉のそれでも、楽器のそれとも違う声。
感情に濁らず、どこか物悲しいような声音。

もし、それに導かれれば路地の一本に辿り着く。
ぼろぼろの木の壁に背中を預ける男のところへ辿り着く。
旅人用のような衣装に身を包んだ壮年の男。
どこを見ているのかもわからない眸を何気なく、虚空へ向けた姿。

肩に止まった鳥――否、それを鳥と呼ぶ者はいないだろう。
まるで子供の落書きのように黒い線が鳥の形を出鱈目に作ったナニカ。
そこから、声は零れ奏でられていた。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区/裏路地」にガーネットさんが現れました。
ガーネット > 賑やかな酒場での占いを終えて出てくる姿、適当な道を選んで歩き、先を進む。
次第に喧騒が遠のいて静けさが広がり始め、聞こえてくる鳥の声。
月光が細く差し込んでくる廃墟が並ぶ薄暗い通り、似つかわしく無い声だが、それまでの喧騒に比べるとましな様には思える。

そのまま声に導かれて路地を歩いていくと少し開けた場所に出る。
さらに少し歩くと目に入るのは木の壁に背中を預けた男の姿。
一見すると旅人の様で、月光の加減でどこを見つめているのかは分からない。

肩の辺りから響いてくる此処まで導いてきた声、恐る恐る男へと近づいていく。

黒曜石 > 近付いていけば――ふわり、と靴先に感じるだろう。
いつの間にやら薄汚れた路地に積もっていた、温度の無い灰。
感触の薄い粉雪のような白い白い灰。
怖じずに近付けば――歌が、止まる。

「――何か、用か?」

ぽつり、と問いかける声。
まるで地面に積もる灰の如く、温度の無い声音。
身体を起こさないまま、黒曜石の瞳が女を見る。
碧眼を捉えているようで、捉えていないような視線だ。
長い髪の毛を、その肢体を見つめているようにも見える。

―――歌が、止む。
くしゃくしゃとその肩口で落書きの鳥が折り畳まれて消えていく。
代わりに、ふわり、と女の髪の毛に触れるものがある。
雪のように降って来る、灰の一片。