2021/09/10 のログ
■フリニア > 「はひぃ」
昼間は冒険者や物乞いが多く行き交うのだろう辺り。
冒険者の女は片手に今日の報酬である金貨を持ち、ゆっくりと息を整えていた。
運び屋──というよりただのお使いのようなものだったが、
如何せん大量の荷物を運ぶと流石に疲れる。
体力が尽きるまで酷使され、這う這うの体でギルドに辿り着き報酬を受け取ったのが先程のこと。
すっかり辺りは暗くなってしまっていた。
「あー……もう。魔族だからって好き勝手使いやがって…」
一応人の血だって入っているのだが、依頼主は当然の如く魔族扱い。
おまけに「魔族なんだし力強いんだよな?」と意味のわからない偏見を吹っ掛けてくる始末。
小さくひとりごち、舌打ちを零した。
■フリニア > 「おっ……とと。もうこんな時間か……」
ふと空を見上げれば、星がちらほらと煌いていた。
貰った金貨を懐に仕舞いこみ、女はゆっくりと歩き出す。
どこに行くかは気分の赴くままに。
ぶらぶらと歩く姿が夜の闇に消えていった。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からフリニアさんが去りました。