2021/09/08 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にタマモさんが現れました。
■タマモ > 王都マグメール、貧民地区。
そのどこか、そこに少女は居た。
…そこがどこなのか?と問われても、少女からの答えはない。
なぜならば、道を覚える気のない少女に、そんな問いを答える術が無いからだ。
と言う訳で、今日も目的の無い散歩。
とりあえず、人気の無さそうな場所で足を止め、次はどうするか、それを考える。
もっとも、少女が暇潰しを考える時は、碌な考えは浮かばない。
その大体は、悪戯に通じているからだ。
まぁ、それが一番の楽しみなのだから、仕方無い。
その被害者からすれば、堪らないものだが。
■タマモ > 「………さて、何をするか、は後回しで。
先に、進む先を決めるとするかのぅ」
足を止めたままでは、それこそ何も起こらない。
ならば、何もなくとも、適当に進めば何かあるかもしれないだろう。
そう決めれば、ぽんっ、と手元に唐傘を出す。
「よし、これを、こうして…」
それを手にすれば、とん、と地面に垂直に立て。
そのまま、ぱっ、と手を離す。
立てた唐傘は、わずかの間、立ってはいるが…ゆら、ゆら、と揺れていけば。
ぐらりと揺らぎ、ぱたん、と倒れた。
唐傘の先が向いたのは、前に続く路地の奥。
ふむ、と頷けば、ひょいっと倒した唐傘を拾い上げ。
「これで決まりじゃ、きっと、あっちに何かあるに違いないのじゃ」
そんな言葉と共に、ずんずんと、その方角へと歩き始めるのだ。
■タマモ > 少女は、人気の疎らな路地を、歩み進む。
ただ、進む程に気配は揺らぎ、足音も静かになってゆく。
それは、この先に誰かが居ようとも、少女を察知する事は難しくなると言う事で。
つまり、あれだ…悪戯が成功し易くなる、と言う事だ。
とは言うものの、まだどんな悪戯をするか、考えていない。
まぁ、その点に関しては、出会った相手によって、考えれば良い訳だが。
そこはそれ、直感に頼るとしよう、と。
薄暗い路地の中、少女は静かに歩み続ける。
己は気付かれ難く、しかし、その先の気配には集中し。
いつでも、出会い頭の不意打ちを可能な状態を保っていくのだ。
■タマモ > そして、歩む中、少女は何かを呟く。
ゆっくりと、少女の影を伝い、力が広がり始め。
むしろ、光の届き難い路地の中、その力はそう経たずに周囲を完全に覆い尽くす。
影に立ち入った者の、その感覚を鈍らせる力。
己にとっては有利に、相手にとっては不利に。
そうした状況、それを作り出すのは、少女の得意とする術の一つ。
「ふむ…まぁ、普段はせんのじゃがな。
たまに使わねば、腕が錆付いてしまう、と言うものじゃ」
そう、普段は使わずとも、己が優位な状況がほとんど。
だから、こうして力を使うのは、気紛れ以外に行わない珍しいもので。
相手にとっては、より取り込まれ易い、と言う訳で、何とも言えぬ状況な訳だ。
己の力に支配された、意識を鈍らせる空間。
それを確かめながら、ゆっくりとした足取りで歩く。
■タマモ > 「さぁ、始めようか。
今宵は、金色の悪魔として、動くとしよう」
ゆらりゆらりと、少女はゆっくりとした足取りで、揺れながらただ歩く。
気紛れであれど、こうなった少女は、そうそう手を付けられるものではない。
己を狙う冒険者であれど、そこらの通行人であれど、それを狙う暴漢であれど。
目にした者に、向けられるのは…
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からタマモさんが去りました。