2021/08/30 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にタマモさんが現れました。
タマモ > 「………暑い」

ぽつり、そう呟く少女。
その姿は、日の差さぬ裏通り、人も疎らな場所だ。
散歩、そう、最初は散歩をしていた。
なのだが、今日の暑さに耐えかね、この場所へと降り立ったのだった。

はふん、軽く溜息を一つ。
涼を取るように、ぱたぱたと、扇子で扇いでいる。

まぁ、こんな場所だ、そうそう人も来ないだろう。
来たとしても、表通りみたいに、それなりの人数では居ないはず。
むしろ、人数多いと蒸し暑く感じるので、止めて欲しい。
あ、一人でも、むさそうなのは勘弁だ。
可愛い子なら、大歓迎である、色んな意味で。

タマモ > ふと、扇ぐ手を止め、軽く周囲を見渡す。

「ふむ…」

軽く思案すれば、とん、と地面に足を付く。
と、踏み締めた地面から、くるくると、そう長くない木の棒が回転しながら浮き上がり。
ぱしんっ、とそれを少女は手に取る。

「まぁ、いつも通りじゃろう。
来るも来ないも、運次第じゃ、とな?」

手にした木の棒、その先で、壁に何かを書き込む。
次いで、反対側の壁、そして、地面に。
それを書き終えれば、ぽいっ、と木の棒を地面に放る。

「さてと…では、これで『無間の法』の完成じゃ」

呟き、すぅっと指先が宙に何かを描く。
途端に、壁と地面の文字が輝きを放ち…ふっ、と消えた。
招き入れた者を逃さぬ、出口無き路地。
時折、少女が獲物を捕える為の罠として使う、術の一つだ。

………まぁ、今描いた三つの文字が、その空間のどこかにある。
それがすべて消えた時、この術は解けるのだが。
知らねば当然、知っても、これを解くのは骨が折れる事だろう。

さて、待つか。
よいせ、と適当な場所に腰掛け、のんびりと待つ事に決めた。

タマモ > 先も呟いた通り、そのままだ。
来るも来ないも、運次第。
実際に、これを張って来る時もある。
こうして、来ない時もある。
まぁ、今回は…残念ながら、後者、なのかもしれない。

ともあれ、とりあえず、もう少しだけ待って。
適当に、後は帰ろう、そう思うのだった。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からタマモさんが去りました。