2021/06/14 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にフィアさんが現れました。
■フィア > 貧民街の一角
廃屋も多いその街の中にあって、幾度も修復された古びたレンガ造りの修道院がひっそりと佇んでいる。
荒くれ者が多い地区ではあるけれど、炊き出しが定期的に行われているためか、この辺りで騒ぎを起こす不届き者は少ない。
それもそのはず。
僅かばかりのお布施で治癒の奇跡を施して貰えるのだから。
日中は大抵冒険者を中心に、この街の荒くれ共がひっきりなしに訪れる。
その一人ひとりに、おっかなびっくりしながら治癒を施す少女は、まだ見習いという身分だった。
夕暮れも間近になって、どうにか最後の患者を癒し終える。
魔力ももう尽きかけているけれど、それ以上に精神的な疲労が激しい。
寝台ひとつが収まる程度の狭い施術室で、ぐったりと突っ伏しており。
「うぅ……やっと、終わった………」
もうしばらくは誰とも会いたくない。
薄暗くなった室内に明かりをつける気力もなく、全身から引き籠りオーラを纏っていて。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からフィアさんが去りました。