2021/06/04 のログ
ガーネイ > 「ええ、そうですわね」

お茶を啜り、頷いたのは巡り合わせ、という部分に関してであった。

「私は信心が足りないからでしょうけれど、神々の加護というものを感じたことはありませんが……」

にっこりと笑う女性を一瞥、口元に微笑みを湛える。
こんなところで、誰に見られているわけでもなく、祈りを捧げているくらいだ、さぞや熱心な教徒なのだろう。
神々の教えに帰依してはいないが、教えをまっとうせんとする者には一定の敬意を払ってきた。
眩しいものでも見るように僅かに眼を細めてから、冗談を口にする。

「貴女くらい熱心な人であれば、さぞたくさんの祝福が、貴女の言う主から授けられているのでしょうね。私にも少し分けて欲しいくらいですわ」

メリル・クルーガー >  
「私が貰うだけではございません」

柔らかい笑みを讃えたまま、椅子から立ちあがる。
彼女の方へと歩み寄り、目の前で立ち止まる。

「私だけが貰っていては、我が主もお喜びになりません。我が主にお恵み頂いた祝福を、様々な人に分け与えることが、私の使命ですのよ」

彼女の顔を見上げながら笑う。
慈母のような、善意で満ち溢れた笑顔。

「望むのであれば、ガーネイ様にもお分けいたしますよ」

ガーネイ > 微笑みを浮かべ、立ち上がると歩み寄って来る女性を見遣り、瞬きを数度。

「それは、慈悲深い教義ですわね。同じ教義を共有する者たち同士で恵みを分け合う、という教えは沢山聞きますけれど」

彼女の肩る教えに、女は少しばかり感心した顔で首肯する。
相手を問わず、祝福を分け与える──と言えば、しいて挙げるならばだが地母神の教徒だろうか。
中々、興味を惹かれる話ではあった。
雨が止むまでの有意義な時間の使い方としては、彼女の話に耳を傾けるのも悪くないだろう。
それこそ慈母のような笑みに、女はもう一つ頷いた。ちょっとした洗礼の儀、とかそういった話かと予測して。

「そうですわね、信仰を持たない身でもよろしければ、是非分けて下さいまし。少しはツキが巡ってくるかもしれませんし」

メリル・クルーガー >  
「我が主は誰に対しても平等ですのよ」

誰が何を進行しようと関係はない。
だって信じる信じないではなく、そこに居るのだから。
自身の手を伸ばして彼女の腕を取る。

「ふふ、我が主もお喜びになりますわ」

彼女の顔を改めて見上げ、慈母の笑顔を向け、

「ガーネイ様もきっと気に入って頂けることでしょう――♡」

自身の袖、スカートの裾、スリットの間。
その修道服から膨大な数の触手があっという間に這い出て来て、彼女と自身を丸ごと包み込む。

メリル・クルーガー >  
【部屋を移動します】

ご案内:「王都マグメール 貧民地区 廃教会」からガーネイさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区 廃教会」からメリル・クルーガーさんが去りました。