2021/05/28 のログ
■ステイシー > 「…いやまぁ、案も何も別に奪い取ろうって気は無いよ」
自分とて他の冒険者と諍いなど起こしたくない。
それに、盗んだごろつきを叩きのめしたのも、ここで依頼の品を見つけたのも彼女。
「依頼こなしたのはそっちなんだからさ、
こっちがどうこう言う権利も無いし。悪いのは依頼主だし」
その時、ふと、彼女の視線に気付いた。
自分の身体を、興味深げに眺めるその視線。
ステイシーは少し頬を赤らめた。
「え、えと、何かついてる…?」
■ミドリ > 「…そう?でも、ここまで足を運んでそっちに何も得が無い、っていうのも悪いわね」
こういう依頼が存外割の良い仕事なのは知っている。
ついでに先程肩を落とす様もよく見えていたし。同情…とは少し異なる感情ではあるが。
そして視線に気づかれると、頬を赤らめる彼女にふふ、と笑って瞳を細める。
投げ返された問いについてはううん、と首を左右に振ったが。
「何でもないわ。ただ……美味しそうだなぁ、って?」
冗談めかしつつ、首を傾いで微笑む。
■ステイシー > 「美味しそ…あー、なるほどね、そういうね…」
面と向かってそう言われれば、思わず顔を逸らしてしまって。
しかしながら、ちらりと彼女の方を改めて見れば、
案外露出の多い服装と、自分に負けないぐらい豊満な胸に気付く。
顔立ちも可愛らしく、こんな女と寝れるならいいかもなと思えてしまい。
「何なら…その…買ってく?」
つまりは、体を対価にする形で報酬のいくらかを貰おうと。
■ミドリ > 意味は伝わったようだ。
続く彼女の言葉に、少し考えた後……そうね、と頷いた。
別段、全額貰わなければならない程困窮しているわけでもない。
此処でこうして逢ったのも何かの縁として、ベッドを共にするのも良いかもしれない。
「…じゃ、今日一晩ね。すぐそこに確か、宿があった筈だから」
特に断られなければ其方へ向かおうと誘い掛ける。
件の剣を懐に仕舞い、さぁ、と促して共に歩き出そうと。
■ステイシー > 「ん、わかった。道案内頼める?
…と、そういや名前名乗って無かったね。
私の名前はステイシー。それと……」
ステイシーはきょろきょろと辺りを見渡し、
人通りが無いのを確認すると、
帽子を持ち上げてちらりと頭を見せた。
そこには、人間にはない動物の耳があるだろう。
「私、ミレー族なんだけどさ…いいかな?」
帽子を被り直し、彼女は訊ねる。
お互い裸になる前に、ここは聞いておかなければならない。
■ミドリ > 「ステイシーね。私はミドリ。……うん?」
辺りを見渡し、ハットを傾ける。
その下に除く耳を見て、成る程と頷いた。
最近はだいぶマシになってきたとはいえ、ミレーに対する風当たりは未だ強い。
ここまで警戒するのも致し方ないのかもしれず。
「大丈夫よ。私はそういうの、全く気にしないから」
楽しみましょ、と微笑み、さぁ、と改めて促す。
そうして道案内をしながら、二人して貧民地区の街並みに消えていった──
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からミドリさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からステイシーさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にティアフェルさんが現れました。
■ティアフェル > ――夜を駆けるふたつの足音。
「待って! 待てー!! 待ちなさいよ!」
追う者と追われる者の切迫した駆け足。追跡する女は息を切らしてスカートの裾を翻し、貧民地区の入り組んだ街路を小さな背中を追いかけて疾走する。
この一帯を縄張りにしているらしい、追われるまだ幼い少年はすばしっこく、地の利も得ている為容易く、追跡者をからかうように時折態と距離を詰めさせている余裕っぷり。
追いかける方も決して足が遅い訳ではなくどちらかと云えば早い方なのだが――本業掏摸、というストリートチルドレンに追いつくことは難しい。
はあはあと息を乱して狭い路地を縫って人波の中に態と飛び込んで攪乱して来る襤褸を纏った小さな人影を追う。
相手に理があるものの辛うじて撒かれていないのは脚力に物を云わせているのか、追われる方がそれもまた楽しんでいるのか。
大した金額を入れていない財布、だけだったら別にここまで必死に追いすがることもなかったかも知れないが――中には他に取り戻さなければならない物が入っていた為、絶対に逃がす訳にはいかない、と被害者は汗を飛ばして追いかけるさなか、時折通行人を避け切れずぶつかってしまって、
「っ…! ご、ごめんなさい……!」
衝撃に肩が弾かれるように反発して慌てて謝罪を発し。