2021/04/14 のログ
ご案内:「貧民街の一画」にギデオンさんが現れました。
■ギデオン > 眠りを知らぬかのような魔都の喧騒も、貧民たちが暮らすこの一画にはさほどには届いてこないらしい。
炊ぎの細い細い煙も最早、この時刻ともなれば絶えてしまう。それだけ、人々の暮らしが貧しいということだ。
マントのフードを目深にかぶった男が歩を進めるのは、そういう街区の一画だった。
漆黒の狩猟用の股立ちをゆったりととったズボンに膝下までのブーツは鹿革の柔らかいもの。時折風を受けて裾が翻るマントの下からは、白いブラウスが見えもする。
そして…狩猟用のズボンの上に締めているのは、剣帯。
決闘者(デュエリスト)のような出で立ちでありながら、その騎士風の男が吊るすのは、レイピアのような優美さを誇る剣ではない。それなりの身幅があり、そして重量も伺えそうな…いかにも戦場拵えの剣、だった。
時折、剣帯に吊るした剣が涼やかな音を立てる。
鯉口にあつらえられた金具が、剣帯の金具に当たる幽かな音。
それだけが、騎士の漏らす唯一の気配。
そうしてマント姿のこの男は、人の気配も耐えた貧民街の街路に歩を進めていた。当てのある様子ではない。
当てもなく歩を進め、気づけばこの一画に足を踏み入れていた、という風情。
それでいて、ここがどのような場所であるかを気づいたからとて、慌てた気配は微塵も無い…。
■ギデオン > フードを目深にしたままに、男は静かに歩を進めゆく。
眠りを必要とせぬ身体。
今宵のねぐらを、急ぎみつけねばならぬ要もない…。
男の歩みは、やがて貧民街の闇の中へと消えてゆく…。
ご案内:「貧民街の一画」からギデオンさんが去りました。