2021/02/22 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にブレイドさんが現れました。
■ブレイド > 貧民街の更に奥まった場所。
ここまで来ると大きな店というものはほとんど無く
廃屋や、路上で物を売るものといったものが目立つようになる。
今日のように寒風が吹く日は路上で焚き火をしている姿などもよく見る。
何を燃やしているのやら、嫌な臭いのする黒い煙が上がっているところもあるが
その黒煙も夜闇に立ち上ればたちまち溶けていく。このあたりはそれほどまでに暗い。
焚き火の明かりくらいしか標はないほどに。
そんななかをフードを目深にかぶった男が歩いていても、誰も気にしたりはしない。
そも、隅を歩いていれば視界にはいることもないだろう。
焚き火にたかる、貧民は皆うつろに火をみている。そうでないものは、薬か酒に溺れている。
路上で物を売るものも、積極的に呼び込みなどはしないだろう。
どうせ、扱うものも法に触れるものが多いのだ。
まぁ、今回の依頼はそういう場所で取り扱っているものを買ってきてほしいという
貴族からの依頼だったわけなのだが。ご禁制の薬物をかって、使者に渡す。
そんな依頼だった。それも先程終わったわけだが…
「…さて、こんなとこからはさっさとでたほうが良さそうだ…」
使者がここまで来れるならそいつが買えばいいと言うかもしれないが
直接の部下にかわせるのはリスクが高い。
保身となると頭が回るのが悪徳貴族らしいといえばそのとおりだ。
■ブレイド > このあたりまで来ると、貧民地区や平民地区によくいるゴロツキは
逆に少なくなる。
実入りが少ないからだ。こんなところにいる人間を襲ったところで
でてくるものといえば汚れたボロ布や固いパンくらいなものだろう。
こういうところで襲いかかってきそうな奴らは、だいたい薬をやりすぎた奴らや
本当に飢えて錯乱したものか…シマを荒らされたマフィアくらいなものだ。
さっき利用した路上売人なんかは、よくマフィアに金を収めていたりする。
自分もそうであったように、貴族なんかがよく利用するもんだからこんなところにいながらも羽振りは悪くなく
マフィアの収入源として機能しているというわけだ。
そんなモノをゴロツキが襲う度胸があるわけもない。
また焚き火をしている連中が見える。
もうもうとした白い煙が立ち込めて、甘い匂いが鼻を突く。
何だコイツラ…ヤバい葉っぱでも燃やしてるのだろうか?
「…ばかかっ!」
とっさに鼻と口を抑えるも、少しまかり視界がぼやけた。
■ブレイド > 燃やして煙を吸うことでキメるクスリなんて言うものは珍しくもない。
貴族が使う催淫の香なんてのはまさにそんな感じのものだ。
あれは加工品であり、ある種の効果を高めたものではあるが。
そういったものの原料を燃やせばどうなるか。
効果は薄くなるし、煙は余分に出るし、他の効果も出てくるしでいいことはない。
ないのだが、クスリとしての効果がないわけではなく、むしろ雑多な効果ではあるものの
吸い込んでしまえば、それなりにキマってしまうわけだ。
「くそっ…結構吸っちまったな…」
煙立ち込める地帯を早足で抜けるが
ふわふわとした感覚が抜けない。
なんだか、夜闇に色がついたように見えてくる
それに、なんだかムラムラとする。
この状況で貧民地区の表まで戻るのは良くない気がする。
どこかの廃屋に転がり込んで、効果が抜けるのをまつのが良さそうか…
■ブレイド > 目についた廃屋。
人の気配は幸いなことにない。ドアも、あいている。
転がり込めば、思った以上に空気はこもっていない。
状態のいい廃屋らしく、これまでも誰かが何度か利用しているのだろう。
今日のところは自分が使わせてもらうとしよう。
鍵をかけて床に崩れるように座り込めば、すぅと一息、そして、深くため息
「はぁぁぁ……」
流石に路上でぶっ倒れるとスカベンジングのプロたちの餌食になってしまう。
ここならば、大丈夫だろう…。
安心して開いた目は少し混濁し、ゆらゆらと色づいた夜を演出している。