2020/11/21 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/冒険者ギルド」にヴァル・エイリーさんが現れました。
ヴァル・エイリー > 「良い仕事がないな~」

日の高い時間帯も貧民地区にある酒場兼務の冒険者ギルド。
平民地区よりは危険も多いが報酬の多い仕事が多いこちらへと足を運んでみる。
しかし今日は運がないのか目ぼしい仕事もなく平民地区のギルドと変わらないラインナップ。

「なー、他にもう仕事ってないのか?」

見つからないなら出してないのがあるだろうと店主に絡んでいき。
店主に面倒そうにないと追い払われては肩を落とし、仕方ないのであるので探そうともう一度仕事を探して依頼書を眺める。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区/冒険者ギルド」にタピオカさんが現れました。
タピオカ > 「面白いお仕事、どこかに無いかなー……?」

ギルドを兼ねたその酒場で、薄紫の長い髪をなびかせた少女が依頼書を眺める横に人影が現れた。
褐色肌に動きやすい民族衣装を纏い、腰に曲刀。
懐の路銀袋にはまだ余裕があるけれど、それが尽きるより先に旅や冒険に出たいのだ。手書きの文字もそれぞれの、依頼が張り出された大きなコルクボードを覗き込んで。

「えっと、これは……、遺跡に住み着いたミノタウロスの討伐、生贄のフリをして潜入した上での討伐……と。
えへへ。楽しそう!
でもこれ、危険だから最低二人の女性冒険者求むって書いてあるね。
――ねえ!お姉さん!お姉さんもお仕事探してるとこ?
もしそうなら僕とこの依頼、一緒にどう?」

他の依頼書の影に隠れ気味になっていた依頼書をめくり上げたら、食指が動く。
応募要項を読み勧めたら、ちょうど手すきらしい長剣とダガーで武装した少女へ、にこやかに声をかけ。

ヴァル・エイリー > どうにもしっくりと来ないと仕事を眺めていれば気が付くと人影が増えている。
褐色の肌と民族衣装という一度見れば忘れない格好に同業者なのかと視線を向け。
しかしその視線をまたコルクボードに戻して仕事を探していたが。

「私?私も仕事を探してるけど。
ミノタウロスの討伐なんてあったの?
んー……それって一体ならどうにかなるかな…」

気が付かなかったミノタウロス討伐の依頼。
少女の言葉に内容はわかっているが他に注意はないかとのぞき込むように確認して。

「無理そうなら撤退もできるってあるし大丈夫そう。
いいよ、一緒にやってみるか。
私はヴぁルっていうんだ、君は?」

少し悩む仕事ではあるが撤退できるならいいかと考え少女に頷き。

タピオカ > 「うん、他の依頼書がおおざっぱに張られてて隠れてたけどね!
――さすがに依頼主さんも正確に何体のミノが潜んでいるかわからないから、最低1体ってところかな。
でも、4体や5体以上ってことは無いと思う。そんなに住んでたらさすがに王都が兵を出してるだろうし」

彼女が腰をかがめるのなら、よく見えやすいように上から張られた依頼書を手先で払いながら意見を告げ。

「もしミノタウロス以外にも強いのが何体も居たら、そのときは出直そうよ。
お姉さんは強そうだし、きっとうまくいくよ!
……わぁ!ありがと!
僕はタピオカ。よろしくね、ヴァル!」

首肯したその時、冒険者パーティの結成が決まる。
表情弾ませて伸ばす片手で握手を乞い。

「――依頼主さんとお話はついたよ。
僕たちニセの生贄を送る準備もあるから、決行は明後日になるみたい。
ここの宿に部屋をとってくれたから、そこで英気を養ってくれって。早速行ってのんびりしない?ヴァル?」

依頼書を剥がすと、ギルドの世話係を通して手続きを踏む。
実際仕事にとりかかるにはまだ余裕がある事を告げると、
親切にも部屋をとってくれた恩恵に預かろうと少女を2階の部屋へと誘い、今しがた受け取ったばかりの宿の鍵を揺らしてみせ。

ヴァル・エイリー > 「ここって大雑把だけど上に張り付けるなって。
冒険者か騎士でもないと数なんて調べに行けないしな。
それもそうか、それにもしそんなにいたら引き上げても大丈夫か」

どれどれと腰を屈めて依頼書を上から下へと読み直し。
変な裏もなさそうだと納得をして。

「ミノタウロス自体も厄介だけどそれ以上が居たら二人じゃ無理だしな。
そんなこと言っても何も出ないよ、私なんてまだまだだし。
よろしくな、タピオカ」

普段はソロ仕事なのだが偶にはこういうのも悪くはないと笑みを見せ。
少女の手を握り握手、よろしくと告げて。

「もう着いたのか?それだけ急ぎって訳なんだ。
準備っていうと衣装と神越とかだよな、やっぱり…。
明後日なら道具をそろえるのは明日でもいいし…そうだな、好意に甘えるか」

少女があっという間に話をつける素早さに驚き。
てっきり直ぐに取り掛かるのかと思えば多少とはいえ余裕もある事を聞けば準備を思い浮かべるのだが部屋まで用意されていると聞き、少女に誘われるとそれもいいかと笑って同意をする。

タピオカ > 「依頼主さん、酒場のバックヤードに座って応募が来るまで待ってたみたい。相当困って疲れてたみたいで、ソファにもたれて眠ってたって。……依頼を引き受けてくれる冒険者が現れたって聞いたとたんに僕らのために部屋をとって、準備のために走って出かけちゃったみたい。
だから、顔合わせは後日って感じだね」

ギルドの世話役から聞いた、あわてんぼうな依頼人の様子を伝え知らせて小さく笑い。
ひとまずこれで仕事にかかる前段階は整ったことになる。
仲間を見つけ、ついでに部屋まで無料で得られて、なかなか良い船出と言えよう。彼女の細い手指をぎゅっと握り。

「ふふ。当日は用意してもらった衣装を着て、いかにも弱々しい雌生贄にならなきゃいけないからね!
そうそう。明日できることは明日!お部屋で寛いでいようよ」

魔物雄牛の餌食になる薄幸の少女、みたいな表情をつくって両手を胸の前に合わせたあと、すらりと腰から剣抜く剣士の顔に戻ってみせ。そんな顔芸で笑い。
少女と連れ立って木製の階段を鳴らし、部屋へと。

「わー、見て!向こうのお部屋にお風呂ついてる!
ベッドはひとつだけど、おっきくて僕とヴァルが横になっても余裕あるね!
――んーっ!ふかふかー。」

富裕区のスイート、とまではもちろんいかないものの、
小綺麗に清掃が行き届いた部屋だ。
ダブルサイズのベッド、小さなラウンドテーブルと椅子がふたつ。通りに面した窓、そして嬉しいことに浴室付き。
マントを壁かけに、旅荷物をその下に置くとベッド脇に腰をかけ。そのまま仰向けになり、身体を沈めて笑いかける。

ヴァル・エイリー > 「大急ぎって依頼だったんだな…けど店主が上に別の仕事を張り付けてたって感じか。
疲れてるのにそこまでしてくれたなら頑張るしかないよな。
明後日には会えるだろうしその時で顔合わせはいいか」

そんなに急ぎだったのかと少女の言葉に出来れば確実に討伐できればと考え。
少女と共にならきっと大丈夫だろうと安心させるように笑みを向けて。

「弱弱しい獲物の演技…できるか不安だけどやるだけやってみるか。
タダで泊まれるんだしそうするか」

薄幸の少女みたいな表情を作る少女に演技がうまいなと見てしまい、すぐに剣士の顔に戻る顔芸に、私は出来るかなと冗談ぽく告げて。
普段は全く気にする事のなかった階段をだがそうとするが、その前に少女に連れられて階段を上がり部屋へと。

「ここってかなり高い部屋だよな、風呂付なんだし…。
あ、あー…そういう事かってタピオカは馴染むのが早いな」

普段から使う宿の狭い部屋とは違う広々とした部屋。
浴室までついている事には感心し、大きなベッドに部屋の使い道を何となく察する。
小奇麗な部屋を汚すのには少し罪悪感はあるが今を逃せば使う機会はないだろうと割り切り。
ラウンドテーブルに剣と短剣を置くとベッドに腰を下ろし、慣れないふかふかな感触に仰向けにひっくり返ってしまう。

タピオカ > 「高いかも!運良く、僕たちのところに転がり込んできた良いお部屋、楽しまなきゃー……!」

仰向けに万歳、まるで春の日差しそそぐ草原に寝そべるように瞳を細める。うんと伸びをし、いつも泊まる部屋よりも少し高い天井を見上げて。

「へへ。僕は家族と一緒に高原でテントを張りながら、家畜たちと移動する生活が長かったから。
眠れない枕なんて無いんだー。
――ふふー。バルのきれいな瞳が僕のすぐ目の前ー!」

場所への馴染み、環境適応の早さはそんな出自からの持ち前だと笑えば、一緒に仰向けになる彼女へ身体を折り曲げて。
猫同士のように額を近づけて目を細め。

「……ね。ヴァル。僕、ヴァルともっと親しくしたいな。
ミノタウロスの巣に乗り込む、生死をともにする仲間になるもの。
ヴァルって、……女の子同士は、だいじょうぶ?
ヴァルと、……身体のさわりっこ、してもいい……?」

やや視線を反らしてから、はにかむように俯き。
やがて熱っぽい目つきが、上目遣いになり。
ベッドの上で身を寄せて、同性同士の睦み合いに誘い。

ヴァル・エイリー > 「多分、こんないい部屋を使う事ってもうないだろうしな、そうするか」

ベッドの柔らかさに戸惑いは隠せないが少女のいう事にそうだと笑って楽しむことにして。
気分が変われば柔らかな感触に全身を包まれるのは意外と悪くは鳴く癖になりそうで。

「遊牧民ってやつか?そういうのも楽しそうでいいよな。
み、見るなよ恥ずかしいだろ…」

普段使う安宿や廃屋とは全く違う部屋に気を緩めて瞳を細め。
ふと気が付くと額がくっ付きそうな距離で瞳が合うと恥ずかしそうにしてしまう。

「私と……そういってもらえると嬉しいよ。
二人で乗り込むのは不安だよな、よくわかるよ。
それってアレだよな……?
大丈夫だけどきっと驚くぞ」

逸らされた視線が戻れば熱っぽい目つきで見つめられて頬を掻き。
驚くことになると先に一言告げ、寄せられた少女の体をそっと抱き寄せて頷く。

タピオカ > 【後日継続予定】
ヴァル・エイリー > 【後日継続予定】
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/冒険者ギルド」からタピオカさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/冒険者ギルド」からヴァル・エイリーさんが去りました。