2020/10/18 のログ
アレエル > かすかにでも名前が聞こえれば、それで十分と言うように微笑んで頷く。
その場で竦んで小さく固まる少女の姿は、
大人から見れば全く身を守れているようには見えない。

「そう? 僕だってこういう冷え込む夜に一人だと
 退屈で寂しい気分にもなるんだよ。
 だからシーナみたいな子に付き合って欲しいな……。
 もちろん、お願いを聞いてくれたら少しくらいお礼もするよ」

秘密の話をするように彼女の耳元近くへ甘い言葉を囁く。
少し強引に彼女の手を掴むと、その小さな手を両手で優しく包み込むようにするが
気づけば彼女の手の中にいくばくかのお金の感触。
冒険者のあぶく銭だが、このような貧しい地区で暮らしてる者にとっては
ずいぶんと生活の助けになるような額だった。

シーナ > だって本当に、寂しいわけじゃないのだ。
ちゃんと家族が居て、愛し愛されているのだから―――――けれども。

「ひゃ、…―――――ぇ、ぁ、あの、っ……?」

囁き落とされる声音に、耳朶を擽る吐息の甘さに、ぞくん、と背筋が、腰が戦慄く。
思わず声が上擦ってしまった、ほんの一瞬とはいえ、ぐっと手を掴まれてしまった。
―――――次の瞬間、掌のなかに違和感。
反射的に視線を落として、握り締めた手を恐る恐る開いて。
今度こそ、零れ落ちそうに双眸を見開いた。

「……す、…少し、って………こん、な、」

男にとっては、もしかするとはした金かも知れないが。
少女にとっては、これは大金なのだ。

警戒心はますます跳ね上がる一方だけれど、
お願い、の内容が気にならないわけではないけれども。

「………なにを、すればいい、ですか……?」

俯いて視線を外したのは、やっぱり怖い気持ちが勝っているからだ。
しかし、もう一度手が伸びて来たならば、今度は避けようとも、
抗おうともせずに身を委ねるだろう。

アレエル > 少女の手に見知らぬ男がお金を手渡す。
それはこの町で珍しくもない光景だった。
実際、男はいかにもな口ぶりで下心もしっかりあったが悪びれはなく
一緒に楽しむついでにお小遣いを与えている、という程度の軽い様子。

むしろ、彼女が後ろめたくなるのはその次の言葉だったかもしれない。
彼女が質問すると、それを了承と受け取ったように笑いながら頷き、
肩へそっと腕を回すようにして自分の元へ寄り添わせるように抱き寄せた。
楽しげな眼差しで横から顔を覗き込むようにして見つめながら笑う。

「シーナがさっきシようとしてたこと……、
 誰にも言わないし、……代わりにシてあげるよ。
 会ったばかりの男に、強引にヤられちゃったことなら、
 シーナは何も悪くないよ……」

彼女の小さな罪を二人だけで共有しようと耳元に囁いて誘いながら、
彼女の手を掴んで勝手にポケットの中へお金を入れさせようとする。

そのコインが少女の懐でかすかに音を立てれば、
それと同時に男の手がシーナのお腹へと伸びてさすり、
スカート越しに足の付け根あたりをゆっくり撫で始める。

シーナ > 見知らぬ男に対する警戒心は抱くものの、
少女はまだ、そういう意味では子供だった。

どんなに少女が手をあかぎれだらけにして働いても、
決して手に入らない金額のお金で、少女の『性』を買う男が居る、とは、
どうにも信じられずにいたのだ。
けれども、小さな身体は男の懐へすっぽり抱き込まれてしまう。
少女がこの先、どんなことをされようと―――見ているのは、この男だけだ。
そしてポケットに、手渡されたばかりの硬貨が落ちる気配。
重くて、冷たくて―――――男にそんな意図が無くても、その感触は少女の心を縛る。
抗ってはいけない、拒絶してはいけない、だってこれは、お仕事、なのだから、と。

「か、代わりに、って、―――――ち、ちが、……ふ、ゃあ、っ、
 ア…レ、エル……さ、………だめ、ソコ……ぉ、」

ポケットのある胸元からお腹へ、それから、揃えた足の付け根へ。
忍び寄って、スカートの生地ごと潜り込んで――――不自然な熱を帯びつつある、幼いソコに指の動きが伝わる。
肉付きに乏しい腿を咄嗟に閉じ合わせたけれど、男の手を阻むどころか、
柔く挟み込んで、なお、自由に動く隙間を保つ格好に。
小さな両手が男の手首辺りを掴み、ぎゅっと握り締める。
ふる、ふる、俯いたまま打ち振られる真っ赤な顔が、くしゃりと歪んで。

「だめ、です、ぅ……っ、アレエル、さ……ん、おねが、ソコ、触っちゃ、や、
 ……変、なの、あふれて、きちゃうの、っ……」

消え入りそうな声で繰り返し、ダメ、と訴えるも、それ以上の抵抗はしない。
お仕事だから、―――――というより、もう、身体がうまく動かなくて。
少女のくちびるから零れ出る吐息は、その熱量を示すように、白く、しろく棚引いて―――――。

アレエル > さっき男が現れた立ち木。
本当はその位置からは積まれた木箱が視線を塞いで
少女の手元は見えてもいないはずだった。

それなのに今、男の手は彼女の下腹部をそっと撫で回しながら
彼女が触れようとしていたまさにその一点を触って的確に力を込めた。
痛くはないが、彼女にとって自分とは違う大人の手つきとわかるような
絶妙な力加減で押さえつけ、そっと上下になぞって動かし始める。

片腕はしっかりと肩を抱きとめ支えているので、
足元がふらついても倒れる心配はなく、
冷たい秋風からも守るように抱いて包み込んでいる。

細い足が反射的に閉じることで逆に自分の手が挟まれると、
そんな様子や仕草を可愛がり耳元にキスする。

「変じゃないよ……でもシーナ、意外に感度良いんだ?
 秘密にしておきたいなら、ここじゃマズイかな?
 それなら、ちょっと街の方まで歩こうか。
 ……そういうお店とか宿、わかる?」

淫らに糸を引いて開かれる口元に誘われて顔を近づけたが、
その唇を奪う寸前、男は動きを止めて尋ねた。
そして年端もいかぬ少女の肩を抱いておもむろに歩き始めると
奇しくも、彼女が仕事を終えて帰ってきた道を
そのまま戻るようにして夜の街へ連れていくのだった。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からアレエルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からシーナさんが去りました。