2020/10/06 のログ
ティアフェル > 「うん、他の踊りも観たいな。さぞ優雅だろうと察しがつく。
 今日の踊りもとっても色っぽくて綺麗だったけど……うん、子どもには見せられないね」

 扇情的なものばかりではなく、色んな舞いを踊れるのだろう。それはよくわかる気がしますので真面目な顔で首を縦に。
 一晩お供にしてくれたら、花も本望よ、と保存を気にする様子にそう軽く笑声を添え伝えて。棘は取って売られていたから刺さる心配もない。

「ここに来る途中で売られてるのを見かけて、お姉さまみたいな花だって思ったのよ。大輪で……華やかで少し危うい。
 ――ほらぁー、デンジャラスな発言をなさるぅー。お花は裏読みせず受け取ってくれると思ってたんですけどもぉー? 踊り子さんだったら慣れてるっしょ。
 んー……できればもらいたいよね」

 薔薇でなくても花束とかもらって「なんという気障!」とツッコミながらウキウキしてやりてえ。想像して、甘酸っぱそうな空気を醸した。アホだ。

「ううん!ううん! 全然ごめんなさいではないしっ。むしろこっちが折角のご厚意をですよ。
 だって、わたしがカードを使ったって、早速怪我をしたって……またしそうだって心配してくれたから云ってくれたんだから。それは嬉しい。めっちゃ嬉しい。
 だから、本当にありがとう……がんばる。がんばれるよ。でも、もしも本当にヒーラーじゃなくなったら、オマケしたってください」

 お節介とは欠片も思っていないし、ご親切に頭がさがるのはこちらで。だからお詫びされて慌てたように、狼狽えて身振り手振り。頭下げないでーと焦った。
 頭の上から汗が散っているようだ。
 ついでに、本気でカードを購入せねば担った時に備えてお願いしておく。そんなバカな冗談でも云っておかないとやってらんないと半ば自棄気味で。

「そして薔薇より綺麗な踊り子さんへ」

 乾杯、と軽く合わせたグラス。硬質な音を聞いてから、こくりと一口含む果実の酒。秋めいた梨の味に目を細めて、ふいぃ、と心地よい息を吐いた。

ティエラ > 「それでも、一人での表現には限界があるのよね。そこだけは、何時でも、頭を悩ませるわ。ふふ、子供を誘惑しちゃうのは―――流石に私もしたくないわ。
でも、こういう場所では、来るのよねー。」

小さな子供でも、男は男だ、そういう視線を向けてくるならば、ちゃんと男として扱うのが女の流儀。真面目な顔で言葉を放つ彼女には、ちょっと理解できないかもしれない。
花に関しては、押し花で栞が一番いいかしら、それとも魔術で保存して、髪飾りと言うのもありよね?と首を傾いで、棘の無い幹をそっと擽る様に撫でまわす。

「危うい―――というのは、妖しいのほうかしらね?魔女としては、その評価は嬉しいわ。
だって、こういう場合は、モノの方が、裏を読まないのよ私は。流石に、結婚指輪とか、そういう物を、何も言わずに送って受け取ったからはい結婚と言うのは、普通にないでしょう?だからお金とか、物品の方が裏表なく思えるわ。
そして、花自体に意味が強くてね、勘繰ってしまうのよ。そもそも、花と言う生きてるものを贈ってるのだし。」

デンジャラスな発言をなさるおねーさまは、持論で申し訳ないけれど、と付け加えて見せるのだけれども。
出来れば貰いたいと言うのなら、目を細めて流し目で彼女の顔を眺めよう。
にんまりと、吊り上がる唇は、悪戯してしまおうかしら?と言う子供の様。
良い事聞いたわ、今度は、お返しに贈ってあげましょうね?言葉にしないで言い切ってしまう。

「冒険者だもの、冒険に出れば怪我をすることは必定と考えてるわ。心配してるのも、確かだけれども。
でも、貴女の思いを聞かずに、先にお節介をするのは、良くないの。ちゃんと、貴女が考えて、相談してきてくれた時に出すのが良い女なのよ。
だから、何時でも遠慮なく、困った時には相談に来なさいな。相談できないなら、お手紙で連絡でもいいから。
後、ティアフェル、貴女がヒーラーでなくなることは、絶対にないわ。魔法が使えなくても、貴女は人を癒すことを望む限り、ヒーラーであるのでしょうから。」

ヒーラーと言うのは治療師だ、世間一般的には、回復魔法が使えるなのだろうけれど、使えなかろうが、道具でも、技術でも、治療ができるのなら、それはヒーラーだと言える。
彼女がヒーラーでなくなる事は、絶対に無い、こればかりは、占いは好まない女ではあるが、未来を見て言える。

「もう、気障なんだから。実は口説いてる?」

くい、とカクテルを、一口飲んで、女は微笑んで見せる。
そして、思い出したかのように、ほふ、と熱く酒精混じると息を吐き出して。

「ごめんなさい代わりに、バックを作るときにサービスしちゃおうね。」

ティアフェル > 「そうなんだ? 充分素敵だったけど……。誰かと踊ったりもするの?
 マセガキだな……その場合は保護者に突き出すかね。守備範囲ならわたしはなにも云いませんけど」

 自分の弟は末のほうは小さい。さすがに色気なにも理解していないが、10歳超えると盛って来るのはご承知。双方と保護者に異論がないならご自由に…と思う。自分の弟の話であれば、エロガキと罵倒してボコボコにするが。
 水に差していても儚い切り花だけれど、そんな風に取っておいてくれるという意見を聞いて擽ったそうに笑って。首を傾げる所作に、逆にありがとう、と嬉しげに。

「んー。どっちもかなー。
 それじゃあお菓子とかにすべきだった? フツーはないかもだけど、フツーじゃない奴が受け取ってもらって結婚した気になって押し掛けてきちゃうかもよ。
 持ってきちゃいけなかった?…だって薔薇が綺麗だったんだもんー」

 勘繰られるとか考えなしだった。綺麗な物をひとつだけ贈ろうとちょっとした気持ちだった。紫の秋薔薇が白や赤に混じってあんまり綺麗に秋風に揺れていたのだからしょうがない。
 おぅ、とお返しの発言に、嬉しい!でもこの流れは裏読みできんね!と。悪戯だと明白なので逆に受け取りしやすそうだった。

「なんだけどね。でも、今はさすがに冒険はお休み中。このままだと廃業ね。
 ん……だけどわたしが心配かけるようなこと云うから良くないのもあったよ。
 でもお姉さまがそう云ってくれるなら甘えさせてもらうわ。じゃあ、連絡先教えてほしいかな。
 ―――……。そうね。確かにそーだ。魔法使い、のカテゴリからは外れるかも知れないけど。全部諦めることもないね」

 薬を調合したり処方したり、不調のケアをしたりとなにかとあるだろう。今までよりは落ちることを感じるかも知れないけれど。深く深く肯いて。そこでなんだか安堵したようにふっと肩の力が抜けたように自然な微笑を浮かべた。

「素材は天然。しゃーないわ、お姉さま毎日鏡見てるっしょ? 単に事実」

 計算で気障なことは云えない。正直に口走っているとこうなります、と真面目にお伝えしてから、けらりと小さく笑い。

「やーった! それはありがたくありがとうッ、サービスウェルカム~」

ティエラ > 「求められるのであれば、とは言っても、流石に―――貴族様の社交界のダンスは。教えてくださる人がいないから。
流石に、年端の行かぬ子どもは……ねえ?」

そもそも、彼女にはちゃんと伝えてあるが、ティエラは同性愛者である。自分の体に欲情するような男に食指は沸かない。そして、同性の女の子―――も、余りにも幼過ぎて、子供を愛でることはあっても愛することは無理だ。
何方と考えても、無いな、としか言いようがなくて、はふ、と溜息を一つを。
紫色の薔薇の保存方法は、朗らかに笑う彼女の優しさを見て取って、そうね、と。髪飾り、と決まることになった。
家に帰ったら、それ用の魔方陣を作って保存しないとね、と。

「どっちも……。あらやだ、私欲張りね?
お菓子は嬉しいわ?でも、食べると後で後悔するのよね、プロポーションを維持するの大変だしでも甘いのは食べたいし。
流石にそういう風に押しかけてくるような人は、蹴り飛ばしてしまうわ、そして、衛兵さんと仲良くしてもらいましょうね。
ティアフェルちゃんからのプレゼントは、いつでもどこでも大歓迎してます、絶対に返しません。」

持ってきちゃいけなかった、と言う彼女、そんなことはない、プレゼントは嬉しい、本当にうれしい。純粋な気持ちで送られるものは、金貨の山よりも価値の有る物。
だから、ぎゅう、と薔薇を抱きしめる。胸に挟んでしまおう、彼女はきっと取れなくなる、返さないの意志は、鉄のように、鋼のように。

だから、今度出会うときは、彼女に似合う花を持ってきてあげよう。花束にして、気障ったらしい言葉で、いたずらで、楽しく笑いあうプレゼント。

「そう、ティアちゃんは休止中か……。でも、それも道の一つなのよね。冒険者でなくてもヒーラーは出来る、治療院とかに勤めればいいのだし。
最初に、経過を聞いたのは私でしょう?貴女は悪くないわ。
ええ。私は、貧民区の北側にあるバー・マスカレードの店員よ。そこに行けば、大体いるわ。
見つからない場合は連絡用のカード、これに書いてくれれば私の元へ手紙が届くわ。」

もし、魔力が戻らないときは、薬草などの調合なら、何時でも頼りなさいな、と。魔女としての薬草の調合方法などは教えてあげられるので。
弟子入りしちゃう?と、笑って見せた。

「言われると嬉しい物は、嬉しい物ね。ドキドキしちゃう。」

計算があろうがなかろうが、好意ある相手に褒められれば、頬が染まるのは乙女の嗜みのようなもの。
有難う、とほんのり褐色の頬を染めて返答した。

「ふふ。じゃあ、腕によりを掛けちゃいましょうね。」

魔法のカバン、デザインなどは彼女待ちだ。それが来れば、何時でも作るわと。

ティアフェル > 「あれってそんなに難しくもないらしいから、お姉さまならすぐできちゃいそーだけど。
 さすがの広いストライクゾーンもおこちゃまは空振りかあ」

 ふむ、と納得顔で腕組み肯いて。幼女もアリですと云われたらさすがに返答に困るところだなとは思っていたので多少安堵めいた気持ちで。
 手間をかけてもらえるらしい薔薇。やはりここに連れてきたのは薔薇にとっては幸運だったのかも知れない。彼女の髪を飾れるなら咲いた甲斐もあるだろう。

「欲張り……うん、そーかも?
 判るぅ、わたしも甘いものは週一のお楽しみだよ。でも糖質も摂らなさすぎは良くないし。お姉さまの場合踊りはハードな運動だしね。
 良かった……返してなんて云わないよー。ただ、要らない物だったら切ないって思っただけ。違うようで……嬉しい。プレゼントってもらうのもだけど渡すのも嬉しいから」

 没収を忌避するように抱き締めて胸に挟んでしまわれる薔薇。花に意思があれば照れているかも知れない。くすくすと喉声で笑って「アンタ良かったね」と死守されている薔薇に囁いた。
 花束をもらったら万歳してこっちも返さないからねっと死守する予定。

「さすがに回復が使えないとパーティはもちろん入れてくれないし、ソロは危ないから。
 ……そうだね、冒険者辞めるのは残念だけど。ヒーラーとしてはがんばってく。
 んん……じゃ悪いってことはお互いないってことで。
 ふむふむ、分かった。それじゃあそこにお訪ねするね。お手紙の場合配達屋にお願いするもありかな」

 宛名と送り主をきっちり書いておけば彼女の手元に届くだろう。連絡手段を得て、ありがとうと肯いて。
 調合のスキルはあるが、回復ポーションなど高価なものは最終的に魔力を込めなくては仕上がらないし、魔力に関係のない一般薬であれば本格的に習得している魔女の知識には劣る。師匠、とおどけたような彼女の科白に乗っかった。

「やあん、かーわーいーいぃー。
 そのような反応目の毒にござる……かわいいけど」

 計算できない女、本音一直線だったが素敵な反応がきたので、思わず唸る。
 頬がほんのり紅潮しているので、なんかテンション上がった。美人得やわ、と改めて認識。

「嬉しーっ。そんなの絶対宝物にするね」
 
 サービスしてもらった上に頑張ってくれるらしい。楽しみ過ぎて日々の労働の糧になりそうだ。
 呑んでいる果実酒と高揚感でこっちも少し赤らんだ。

ティエラ > 「そも、お貴族様は基本的に自分たちで完結してるから、下々の人が踊れてもね?教えてくれるような人もいないし。学べば出来ると思うけれど。自分から学びに行くようなものではないと思うわ。
ええ、流石に、おこちゃまはね……?」

理由は有るが、流石にそれは口にできない、彼女は色々な意味で純粋無垢だ、なので、言うに言えないと言うのが正しい。安堵してるのを見て、言わなくてよかったと思って居る。
薔薇をどんな風な形にするべきか、花飾り、そのまま固めて髪の毛に飾るもいいし、薄くしてバレッタにするのもいいわね、と。うきうきするのは久しぶりだ、自分で自分の為のアクセサリーと言うのも。

「欲張りなおねーさまとしては、隣にいるとても素敵な女の子をお持ち帰りしたいです。
確かにそうなのよね……、運動した直後って甘い物がすごくおいしくなっちゃって、あれは、魔女の誘惑以上の誘惑よ。
プレゼントは、一緒に気持ちを渡すから、気持ちを受け取ってもらうのって、とても心地がいいしね。」

死守された、守れた薔薇の花、ふと、彼女が言っていた匂いを思い出し、そっと持ち上げて花に顔を近づける。
甘いバラの香りが心地いい、ああ、いい匂いだな、と思い出して。
その後彼女が花束を両手で持ち上げる様を思い浮かべる。身長差を鑑みて。かわいいという結論に達する。

「そうね、今のティアちゃんはか弱い女の子だもの、流石に冒険は危ないわね。
―――仲間に入れてくれるような人とか、居ないの?とは言っても、男は野蛮だし、無理に入れても、ティアちゃん目当てになるかもか……。
ええ、ヒーラーとして、名を残して頂戴ね。

私はこういう風に、他の店とかで踊っているのとか、冒険に出ていたりとかの方が多いから、お手紙の方が確実よ。」

所属は在っても所属よりもふらふらしてる、ジプシーの血かもしれない。だから、手紙を送ってもらった方が良いわね、と彼女に伝え置こう。
寧ろ所属している店で出会える方がレアかもしれない。
師匠呼びに対しては、やっぱおねーさまの方が良いかも、と。乗っかられて言われた、師匠のフレーズ可愛くないと思った。

「本音って、ストレートだから、心にキュンキュンきちゃうわ。
そういうティアちゃんも可愛いのだから。」

ね?狼さんは言いました。
改めて、彼女は可愛いなぁ、と。

「ちゃんと使ってあげてくださいね、そういうアイテムを作るのだから。
と、さて、そろそろティアちゃんをお持ち帰りしたいのだけれども、残念ながらお時間ね。
そろそろ、上がりましょうか。」

欲望をさらりと吐き出しながら。
時計を見ればいい時間だ、そろそろ、お互い帰る事を提案する。余り夜更かしするのは美容の危機よと。

ティアフェル > 「んー。そういうもんか。地元じゃ社交界なんてものはなかったけど、お祭りの時にはみんな一緒になって踊ってたなあ……。似たようなもんと思ってたけどやっぱ違うか。
 お子ちゃまはいつか育つし、話はそれからよね」

 明らかあんまり深く考えていない顔でふむふむ肯く。裏読み何て相変わらずできていない。
 もしも、また会った時にこの薔薇が髪飾りになっていたら、同じ花でもきっと今より誇らしげに見えるだろう。

「ああ、うん。そうだと思う。わたし素敵ランキング上位者だから………というボケに突っ込んでもらえなかったらツラいな……。
 運動後は適度なカロリーとタンパク質の摂取は理に適ってるからねえ。身体が求めるのよねえ……。
 そうそう、それに喜んでくれた顔を見るためね」

 薔薇の香りは女性ホルモンに作用する薫り。そんなところも薔薇が似合う人だと思った理由だから、香りを確かめる表情を眼を細めて眺めて。

「う、うん……ソウナノ。ワタシカヨワイノ……。
 野蛮じゃない人もいるよう。むしろわたしが野ば…げほごほ………まぁ、あの、回復魔法が使えないと肩身が狭いから……。
 うん、このまま戻らなかったら魔法が使えないのに敏腕ヒーラーとして這い上がってやる。
 了解です、じゃあ何かあったらお便りさせてもらうね」

 うんうん、と首肯を繰り返して了解の意を表す。直接赴くのは近所を通りかかった際くらいだろうか。
 かわいさ大事。師匠呼びを却下されて速やかに受け入れた。今後ともお姉さまでいきますと。

「嘘で云われても響かないもんねえ。キュンしてるお姉さまも素敵なので今後とも素直に生きていきまする。
 ……えへへっ。やったあ。かわいいは心のご馳走だー」

 嘘では云わない。思った時に云う。
 こんなに狼らしくない狼もいないなあと。むしろこっちはゴリラ。誉めてもらえてはしゃぐ
ゴリラ。

「もちろんだよ、飾っておくなんてもったいないよ。ずっと一緒に連れてる。
 ――うん、そうねぇ。今日は薔薇子さんをお連れしてくださいな。
 お互いスキンなケアを気にせねば」

 時計を確認するまでもなく、眠気で知れる深夜の刻限。こくりと首肯して、残っていた果実酒を飲み干して。お愛想お願いしまーす、と手を上げて精算し。
 かーえろ。と立ち上がりましょう。外の空気が冷たく感じて目を細め。秋めいた風受けて「寒くないー?」と薄着に見える彼女にそんなことを話し掛けながら帰路を辿るだろう。

ティエラ > 「だって、村や町のお祭りは、気兼ねなんて要らないけれど、お貴族様のダンスは其れこそ、お仕事の延長、自分の事を見せる戦場みたいなものだし。
そうね、ちゃんと大人になって、色々を理解したうえで、選んでもらいたいものよ。」

理解は求めてはいない、というか、彼女がそれを理解してしまったら、イケナイ道に引き込んでしまえてしまったという意味でもあるのだし。
その時は責任を持つ必要があるだろう全力で喜んで。なので、理解してほしいとは、今は思わない。
ただ、ちゃんと髪飾りの薔薇は作られるのだろう。

「……ごめんね?
そこで油断すると、ボディバランスが崩れて、その時の踊りは見るに堪えなくなって………ふふ、トラウマなりそう。
イケナイ人ね?こんな私の喜んだ顔を見たいなんて。そもそも、顔も普段は隠すのに。」

天然だからこその口説き文句と言うやつなのでしょうね?女は笑って薔薇を懐に戻す。魔法で仕舞いこみ、傷まないように。
彼女の顔をじいっと見るのは、ええ、先程の片言の言葉。

「冒険者なのだもの、自衛手段は必要だし、野蛮と言うなら、私だって、よ?今度一緒に冒険しましょうか。野蛮なおねーさまを見せましょう。
肩身が狭い……か、矢張り、急務よね。
魔力なしのヒーラー目指すその時は、ちゃんとお手伝いするわ。ポーションとか一杯。
ええ、ええ。待っているわ。ラブレターも。」

彼女は何かと自分を乱暴に扱う模様。冒険者していれば誰もが大なり小なりと思うのでフォローしてみる。
師匠よりもおねーさまで貫こうとするさまは、ある意味面の皮の熱い女だった。

「でも、余りキュンキュンさせちゃうとぉー?」

いいの?と問いかけてみよう。狼さんモウガマンデキナーイと、ティアちゃんに手をかけてしまいます。
ほんのりと赤く成る頬、ちろ、と己の蒼く彩る唇を舐めて濡らす舌。欲情を湛えた瞳。
一寸覗き込めば、屹度その危険性は思い出してもらえるはずだ。かわいい貴女を我慢してる狼さんです。

「ええ。だから、早くお金貯めてね。貴女だけのカバン、作るから。
薔薇子さんと言う名前が出来てしまったわ薔薇子さん。ふふ。」

彼女の名づけに軽く笑う、楽しかったから。
お愛想をして立ち上がる彼女に続いて立ち上がり、ローブを取り出してそれを羽織って見せる。
これ、温かいのよ、と魔法の品であるローブ、自作のそれを、自慢しながら。
彼女と共に、家路につくのだった。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区の安酒場」からティアフェルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区の安酒場」からティエラさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区裏路地」にクロティアさんが現れました。
クロティア > (日もすっかり落ち、月と星の光が街を照らす頃。ぶらりと歩く夜の街。冒険の報酬で得たお金で出店から菓子を買い、もふもふと甘いそれに満足そうな笑みを浮かべつつ歩いていた頃、こつん、となにかを蹴るような感触。ころころと転がっていったそれをなんだろう、と視線を落としてみれば)

・・・わぁ。

(思わず引きつった声が出たのはきっと仕方のないこと。このうさぎのミレーが蹴ったそれがなにかといえば、所謂大人のおもちゃ、というようなものであったから。それも・・・少してかてかした体液がまだへばりついているような、使用済みの。
どこの誰が落としていったものかはわからないけれど・・・むしろ知りたくもないけれど。この街は爛れている、というのはよく聞いていた。けれどこんなものが堂々と落ちているなんていうのは思いもしなかった。

――ところで、これどうしましょう。)