2020/09/25 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にシュティレさんが現れました。
シュティレ > 此処は、マグメールの中でも貧民地区と呼ばれる場所です。基本的にこの場所は、お金の無い人や、犯罪を犯した者たちが集まる場所です。
私の作り上げる檻、煉獄と通じるものを感じてしまいます。此処は、煉獄ではありませんが。
品性の悪い人たちが集まり、出来た場所は混沌としていて、あまり好きな場所、とは言えません。私の見目や身成から、己の欲望を満たそうとするものが集まってくるのが良く判ります。
捕まえて売り払おうと画策するヒト、性欲を満たすために犯そうと思うヒト、様々な人が此処に来て、私を監視しております。
不愉快な場所ではありますが……来たのには、理由があります。
逆に言えば、不愉快なので私はここにあまり期待とは思いません、バフートも同じような場所です。故に良く知りません。
知らないままにしておくことは出来ないでしょう、それに知れば、知識になります。私の領地に、そういう場所ができてしまった時の対策にもできます。
故に、知る為に、私はこの場所に足を踏み入れました。

気は、進みませんが背に腹は代えられません。
今回は、鞭を振るう、其れさえも視野に入れて、私は、貧民地区の道を、進みます。

シュティレ > 覚悟を持って、私はこの貧民地区に挑んでみました、思って居るように私を見る視線は在ります。狙っているという事がひしひしと伝わります。
しかし、私はそれを脅威に思ってはおりません、ヒトでも、危険なのは、血族殺しを覚えているヴァンパイアキラーと呼ばれるヒト。
血族に――私に対する知識のない物では、私を害することは出来ませんし。鞭を振るうと言うのも追い払うという感覚の方が強い物です。
とは言え、喧嘩を売られたりするのは正直心地のいい物ではありません。不快です。
しかし、此処に来たからにはそれを飲み込み、私は進まねばなりません、出来れば、願えるならば、誰か、供回りがいれば、もう少し気が晴れる、そう思うのですが。
居ないものを願っても仕方がないと言うのは、どの世界でも共通でしょう、諦めます。

「―――全く、それにしてもここは。」

其れよりも、です、私が気になるのは、この地面―――足元です、平民地区などであればちゃんと舗装されて歩きやすいこの場所。貧民地区となると舗装は剥がれ、砕けています。
歩きにくい事この上なく、私は眉をひそめてしまいます。
歩きやすい様にしてくれればいいと思うのです、王国は、為政者は、こういう所を治すために、税を得るのではないのでしょうか。
私がヒトであれば、誅罰に向かっていたでしょう、いけませんこれは。
とは、言えども、私は他国の―――さらに言えば、ヒトデナシです。なので、之は、息を吐いて首を振る、それだけのジェスチュアで終えるしかありませんでした。

シュティレ > 歩きにくい道を、私は進みます、右に二人、左に三人、ヒトが増えてきています、屹度仲間をなかまを集めているのでしょう。人数さえいれば、私を捕まえることができる、そう思って居るのだと思います。
なれば、鎧を顕現する、と言うのも面白いかもしれませんね、そうしてしまえば、彼らが私を襲う気概が失せるかもしれません。
兎も角、今は私はこの場所を観察し、ヒトを確認し、この場所を知らねばなりません。
その為に、襲われると言うのも一つの理解と言えましょう、私は、それを撃退するべきかどうかを悩んでいます。
とは言っても、此処に来るような下賤なヒトに肌を晒したり、躰を預けるのは好ましくないと思います。
なら、撃退するべき、でしょうか。
しかし、撃退をしてしまうと、それで終わり、彼らの事を理解するには不足してしまいましょう。

「すごい、困りました。」

私は気が付いたことに肩を落とします。
之では、理解できるとは思えないではないか、と。なれば、もっと別の方法やアプローチが必要なのではないか。
一度足を止め、思考を回して。そして決めました。

「一度、引きましょう。」

自分の考えたことに落ち度があるならば、一度引いて計画を練り直しましょう。
時間も、暇も多く有るのですから、無理をする必要はありませんし、私は、踵を返すことにします。
彼らが襲ってくるなら、今回は、容赦なく叩きのめしてしまうでしょう。


そんな、一幕でした。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からシュティレさんが去りました。