2020/09/19 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にタマモさんが現れました。
■タマモ > ここは王都マグメール、貧民地区。
人気の無い裏通り、そこへ通じる脇道から、真っ裸の男数人が逃げ去って行った。
そんな状態でなければ、逆に襲う立場のような、そんな面構えをした者達。
今日、不思議な事に、そんな現象が何件も起こっていた。
そのどれもが、同じような人通りの少ない裏の通りばかり。
となれば、これを起こしている者は、同一人物と考えられるものだろう。
実際、その者達を捕まえ、吐かせれば、同じ答えが返ってくるはずだ。
金色の悪魔が現れた、と。
それは、ある少女を差す呼び名。
この王都内に限らず、神出鬼没、どこでも現れる狐の耳と複数の尾を持つ少女だ。
今のように、ただ悪党を襲うだけならば、そんな呼び方は悪党だけに呼ばれるものとなるだろう。
しかし、その少女は気紛れで、襲う相手は悪党だけとは限らない。
時に冒険者、時に民を襲う。
もっとも、襲うとは言っても、別の意味の襲う訳だが。
そんな訳で、その呼び名は、誰もが口にするものとなっていた。
「………ふむ、少しは気が晴れたか」
さて、裏通りに戻ろう。
そこに佇む少女は、そう呟けば、はふん、と溜息を吐いた。
気が晴れた、とは言うものの、その表情は、まだそうとは言えない不機嫌さを漂わせている。
それはそうだ、気が立っている時に、無理矢理に転送を封じられ、遺跡に放り込まれたのだから。
が、戻って仕返し、と言いたいが、あっさりと返り討ち。
仕方無いので、こうした場所で、鬱憤を晴らしている訳である。
ここならば、小悪党には事欠かない。
そうした者達からすれば、いい迷惑だ。