2020/08/04 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からヴェルソートさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にライゴウさんが現れました。
ライゴウ > 貧民地区の一角にある酒場。
決して有名なわけではない。
だが人間だけではなく、亜人や、時に正体を隠した魔族も訪れる雑多なこの酒場が居心地がよく、男は贔屓にしていた。
人並み外れた巨躯である男も、ここに来れば目立たないからだ。

「いつものエール――…いや、上質なほうのヤツをもらおうか。
なんで羽振りがいいかって?
ひと仕事うまく片付いたからに決まってるじゃねえか。
賊だなんて名乗っちゃいるが、最近の若ェのは物分りがよくて助かるね」

注文された酒を差し出しながら、酒場の主が頬あたりを指で示す。
そこに触れてみると、赤いものが指先についた。
どうやら賊を殴ったときの返り血が残ったままだったらしい。
ニィと大きな口に笑いを浮かべると、エールの入ったジョッキを片手に、酒場の端にある席に腰を下ろした。