2020/07/02 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にサチさんが現れました。
■サチ > ――わー、もう。真昼間から。
「ですから、結構ですってば……」
この界隈は昼となく夜となく必ずこんな輩が出没する。
真昼間から酔って絡んでくる酔漢が。
うっかり絡まれてしまった、地区の繁華街に当たる通り。届け物をした帰りに抜けようとしたら、一人の中年男にぶつかり――千鳥足でぶつかって来られたのだが――そのまま絡まれ、今に至る。
進行方向を塞いで、酒臭い息を吐き散らしながらそっちからぶつかって来たというのに「おう痛ぇじゃねえか、詫びにちょっと付き合えよ」と来た。
そっちからぶつかって来たんでしょうが、被害者私。と主張した所で焼け石に水な気がしたので、なるべく穏当に済まそうと首を振って。
「すみません、ちょっと急いでいますので……急いでなくってもごめん被るのですが―――あ、いえいえ……その。ご遠慮します。ってゆうか、行かせてくださいよぉおぉ…っ」
そう告げて男の誘いを拒否し、行こうとするが、行く手を阻んであまつさえ、腕を掴まれそこで足止めを食らった。
「放して下さいってばっ……! しつっこいですよ!」
■サチ > 「痛っ……痛いです、本当に放して下さい…!」
女が酔っ払いに絡まれるなんて、珍しくもない光景。行き過ぎる人は何人かいても誰も厄介ごとに関わろうとはしない。一瞥して目を反らして脚を速めるか、好奇な目を向けて行くか、しょうもなさそうな顔をするか、風景の一部として気にも留めないか――概ね、そんなもの。
「……………」
ですよねー、と思いながら一応視線をくれてひょっとして助けてくれそうな人はいないか――期待薄で試しに縋る様なまなこを造ってみた。
何事もやらないよりはやった方がいいかも知れない。
チラチラとアピールタイム。
これにうっかり引っ掛かってくれる様な人がいたら、貧民街の奇跡として連綿と語り継ぐも吝かではない――そんな妄想を過らせながら。
■サチ > まるでそれが当然、というようにチラ見の効果は一切なかった。
ですよねー。ともう一度納得。奇跡はそうそう起こらないから奇跡と言うのです。
しばらくそこで悶着していたが、拉致が空かないのでついて行く振りをして男が油断した隙を狙って、突き飛ばして逃げる事に成功。
「っふー……やれやれ……」
どっと疲れた。肩をこきこき鳴らし次の仕事に遅れそうな事に気づいて足早に駆け出した。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からサチさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区・安酒場」にヴェルソートさんが現れました。
■ヴェルソート > 貧民地区にある安酒場。金の少ない冒険者や労働者、ごろつきが集まる酒場の片隅で、隻腕の男がちびちびと、蜂蜜酒を傾けてながら、ツマミにナッツをポリポリと齧り。
「…さて、どうするかねぇ。」
一曲歌って人稼ぎするか、それとも…誰か遊べる相手でもほしいところだが、どうしたものか…。
ふわりと、男から漂う甘い香りは、職業柄割と身綺麗にしているのもあるが、雄を誘う呪いでもあり…。
とりあえず、コップの中身が無くなってから考えようと、周囲をぼんやりと眺めながら、少しずつコップを自分の唇に傾けていく。