2020/06/02 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にセイン=ディバンさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にヴェルソートさんが現れました。
セイン=ディバン > 「ここでいいや。
 とりあえず、空いてる席座ろうぜ」

男は連れにそう声をかけ。適当な席に座る。
貧民地区、酒場。
今宵の夕食は、ここにしよう、と決めてのことだったが。
一人で酒を飲んでも楽しくない状態なので。
知り合いに、ムリヤリ声をかけて付き合ってもらった形。

「マスター、俺、エールね。
 とりあえず、俺奢るからさ。
 なんでも注文してくれよ」

まず酒。なにはなくとも酒。という感じで。
酒だけ先に注文する男。
連れにメニューを渡しつつ。イスにすわり、ぎっこぎっことイスを揺らす。

ヴェルソート > 彼のメイドに伝言を頼んで数日…そろそろ押しかけてやるかと思った矢先に彼から夕食に付き合えと半ば強引に誘われた今日。
適当に決めた席に腰掛ける彼の勧めに従い、向かいに腰掛けた男は、なんとも投げやりに見える彼の言動に、隻腕の左腕でテーブルに頬杖をついて。

「そりゃ随分と、投げやりぎみな太っ腹だなぁ。…まあ、とりあえず俺は蜂蜜酒と、揚げじゃがで。」
こういう酒場では必ず頼む2つのセットを注文しつつ、不機嫌そうにギコギコと椅子を落ち着きなく揺らす様子を胡乱げに眺め。

「……それで、ご機嫌が一つもよろしくない理由は、聞いても良いのか?」
と、見ただけでわかる不機嫌さに小さくため息をはきながら、問いかけてみよう。

セイン=ディバン > 「投げやりっつーか。別段気合入れてメシ喰おうってんじゃねーし」

イスを揺らし続ける男はそう言い、細巻を咥えようとするが。
ため息を吐き、細巻を懐へとしまう。

「……別に、機嫌が悪いってわけでもねぇよ?」

相手の言葉に苦笑しつつ。男は首を回す。
丁度、そのタイミングで注文が届けば。
男は、エールを手に持ち。

「とりあえず、乾杯」

と短く言い、酒を一気に呷るのであった。

ヴェルソート > 「はっ、飯でも酒でも、もうちょっとテンション高いだろお前さんは。」
それこそ、細巻をため息まじりに吸うのをやめるのを見れば、あきらかに意欲に欠けてるというもので。

「…じゃあ、ヘコんでるって言えば良いのか?」
苦笑を浮かべ、エールのジョッキを掲げる相手に、こちらも頬杖を止めて届いた蜂蜜酒のグラスを掲げれば。

「ほい、乾杯。」
チン、と軽くグラスを触れさせ、自分はちびちびと蜂蜜酒を傾けるが、相手はグイとエールを一気に呷るのを見て眉根を寄せる。

「ったく…どうせ飲むなら美味そうに飲めよなぁ。……で、何かあったのかよ。」
シケた顔で飲みやがって、とボヤきながらも…付き合う気はあるのだろう、少しずつ飲み下しながら、揚げじゃがをつまみ…話したいなら聞いてやろう、といった具合。

セイン=ディバン > 「おいおい、そうでもないぞ?」

相手の指摘に、男は肩を竦めるものの。
実際、相手の指摘は間違っていないかもしれない。
まぁ、この男の場合、明暗の差がハッキリしているのは確かだ。

「……それは、当たってるかもしらん」

続く指摘に、男はうぐっ、と言いよどみつつ。
そこの部分に関しては、認めていく。

「……んっ、っぐっ、っくっ……。
 カァ~ッ! 美味いっ!」

エールの喉越しを味わいつつ、男はそう叫ぶ。
どうやら、酒の味に、少しだけテンションが上がったらしい。

「美味そうに飲もうと、不味そうに飲もうと。
 酒は酒、だろ?
 ……何か、っつーかなぁ」

ずいぶんと言われるなぁ、と不満顔になるものの。
相手に尋ねられ、男は苦い表情になる。
再度、ぐいっ、とエールを飲んだ後。
男は、うつむいたまま。

「……まぁ、なんていうか。
 妻と離婚した、っていうか。
 いや、それは正確な物言いではないっつーか」

そう、ぼそっ、と語り始めた。

ヴェルソート > 「そうでもなくても、もうちょい騒いでるじゃねぇかいつも。」
それこそ、飯が苦手でももう少しギャアギャア騒ぐイメージがある彼にそんなことを言いながらも、どうやら凹んでいるのは当たったらしい。

「大体お前、俺でも良いから酒飲みに誘う時点でなぁ…まあ良いけど。」
それこそ、まっとうに酒が飲みたいならもっと飲める奴か、美女の知り合いにでも声をかけるだろう。
少なくとも、声が焼けるからと酒を控え気味な自分を誘うのは、何時もの彼にしたら少しばかりおかしくて。

「……まあ、酒の味は良いよな、ここ。」
少し何時ものテンションを取り戻せば、まあそこから辺に蒸し返すのも野暮だ。少しずつ嗜むように口に含み、味わう蜂蜜酒は、確かにこのあたりの他の店と比べると味わい深い。

「酒は酒だが、飲む相手の面は酒の肴になるんだから、良い顔見てたいだろ?」
と、苦い顔をする彼にこちらも小さく笑いながら…しかしまあ、無理やり笑えと言うわけでもなく…彼が言葉を紡ぐのを、じっと見つめて眺め。

「…離婚、ねぇ……そういや、確かに奥さん行方不明だとか言ってたな。
……あれか、契約的なもの結んでたのが、自分の中からさっぱり消えたとか?」
自分と彼の関係も、半ばそれに近いので、なんとはなしに思い当たった推測を投げて、首を傾げながらもぐりと揚げじゃがを一口……ふと、思いついたのように一つ摘むと、お前も食えと言わんばかりに口元に差し出して。

セイン=ディバン > 「少なくとも、周りのヤツ等よりは静かなつもりなんだが」

え、俺そんなにうるさかった? と。
微かにショックを受ける男。
どうやら、これまでの人生においての自分の振る舞いについては無自覚だったらしい。

「バカヤロウ。女を誘ったらがっついてるみたいだし。
 食事と酒、って時は。男相手の方が気楽だろうが」

女性と食事に行く時の難易度の高さは、不変の物、というのが男の考えであった。
店、メニュー、雰囲気、立地、その他諸々。
気楽な食事をしたいなら、むしろ男の知り合いと行くのがベストだ、というのは。
男にとって譲れないポイントらしい。

「まぁな。酒の味だけは、貧民地区も富裕地区も変わらないから良い。
 ……なんともキザったらしいお言葉だ。
 まぁ、わかるけど」

たまにいる。飲みながら激怒する人間とか。
そういう相手の顔を見ながらの酒は、なるほど。不味いよな、と思い。
男は、ため息を吐く。少し反省したらしい。

「ん~? あぁ、いや……。
 連絡が取れないのは間違いないんだけどな。
 そういう、繋がり、みたいなのは。特に俺とあの人の間には無いよ。
 だからまぁ。離婚、っつーか。俺が愛想を尽かされた、ってのが正しいのさ」

相手に差し出される芋をもしょもしょと食いながら。
男はそうぽつりぽつりと語る。

「これは個人的な見解なんだけど。
 男と女が別れる時。非は、圧倒的に男にあるんだよな」

はふ~ん、と息を吐きつつ、店員に酒のお代わりを頼む。
これに関しては、人によって意見はあるだろうが。
この男の場合は、そう考えているらしい。

ヴェルソート > 「そんな、どんぐりの背比べみたいな事言われても……。」
困る、と本当に困った顔をしやがるこの男も、さして大人しいわけではないのだが。
しかしまあ、微かにショックを受ける彼に、ちょっとだけ頷く程度に留めるくらいの良心はあったらしい。

「今更だろうが、ったく。……まあ、言いたいことはわかるけどな、女性と食事はまあ、気にすること増えるもんなぁ。」
かといって、気楽な食事のために呼ばれたと言われると、それはそれでちょっと癪なような…しかし、自分も気楽に食べたいなら彼を呼ぶ気がするので、黙っておいた。

「そりゃお前さん、吟遊詩人が言葉を飾らなくなったら終わりだろ?
 まあ、アンタの顔は割と悪くないから、別に良いけどな。」
面食いではないけど、少し暗いテンション低い方が整って見える彼の顔を評価しつつ、自分もなんだかんだで一杯目を飲み干して。

「ふ、ぅ……ん、おかわり。
 ふぅん…いやまあ、向こうがどっかに居なくなったなら、確かに離婚…に、なるのか?」
まあ、別れてる時点で離縁になるか、とうなずいて……もしょもしょと食べる仕草が面白くて、ひょいひょいと、口の前に芋を差し出しながら話を聞いていけば。

「…それは俺は賛同しかねるが…まあ6:4…よくて7:3くらいで男の方が悪いケースが多いのは認める。
 女のほうが男捨てて金全部持って浮気相手と駆け落ちしたって話も俺は耳が腐るほど聞いたけど。」
まあ、なんだかんだで少なくともこの国は、男尊女卑の傾向が強いのだから、彼の持論もまぁ、わからなくはないのだ。
それで?と先を促しつつ、とどいたおかわりに口をつけ。

セイン=ディバン > 「……え、そこまで酷かったか、オレ」

酒場とかでは静かにしているつもりだったらしい。
ある意味、この辺りの無自覚さが。
この男の悪評に繋がっているのかもしれないが。

「だろ~? いや、それがいい、って所もあるんだけど。
 結局は時と場合な訳だよ」

逆に、肩肘張って女性と食事。その為に気合を入れる。
そういうことをする男性もまぁ、多いのではないだろうか。
目的は人それぞれだろうが。

「へいへい。そうですねぇ。
 今このタイミングで褒められても嬉しくない」

くつくつと笑いつつ、男はメニューを開き、なんとは無しにそれを見る。
どうやら、ちょっと食べ物を追加で頼もうと思っているらしい。

「離婚、ってーのは俺に都合のいい物言いだけどな。
 結局のところ、アイツのことなんて何もわかっちゃいなかった。
 なんてのは、なんの歌の歌詞だったかなぁ」

酒と芋を味わいつつ、微妙に神妙な顔で、珍妙なことを言う男。

「いや、ものによっちゃあ女性が悪いパターンもあるんだろうけど。
 でもなぁ。泣きを見るのは女性の方が多いわけじゃん?」

くぴくぴと酒を飲みつつ。男はそう語る。
ケース・バイ・ケースとはいえ。そこについて思考した場合。
人それぞれ、色々と思いはあるのであろう、というところ。

「ん~、まぁ結局。そんな感じで。
 自分のヘタレさ加減と無計画っぷりに自己嫌悪しつつも。
 悲劇のヒーロー気取ってるアホさ加減にイヤになりつつ。
 日々酒に溺れてたわけなんだが。このままじゃあイカン、という思いもあり」

ぐっちぐっち、と愚痴りつつも。
男は、酒を飲みながら周りを見ている。
二人の周囲には、いつしか客の数が増えていた。
つまりはそういうこと。男一人が落ち込んでいても。
別段世界は変わりなく回る、のである。

ヴェルソート > 「…………ノーコメント。」
そっと、視線を逸らしてそう告げるので、実態は彼自信が知ってほしい。
いや、別に自分としては嫌いではないのだが、職業柄愚痴というのは入ってくるもので。酒場の店主やウェイトレスも含め、だ。

「まあ、お前さんは男も女も評判は真っ二つだからなぁ。」
そりゃあもう、中間点、という評価を見つけるのが難しいほど真っ二つに分かれる彼の評価。
まあ、最近は良い方に傾いている気はしなくもないが。

「ははっ、そうかよ。良いじゃねぇか顔は良いんだから。
 あ~…そんな歌もあったな。歌ってやろうか?」
ちょうど自分は吟遊詩人だ、歌い上げてやってもいいぜ?なんてクツクツと茶化す、というよりは気分を紛らわせてやるように。

「まあ、この国じゃあなぁ。 女が泣き見る方が圧倒的に多いってのはわかるが……。
 つまり、女に振られて凹んだ自分に甘えて酒かっくらってたけど、このままでも何も変わらねぇよなと自覚した、と。」

愚痴る彼の言葉を要約するも…半ば酔いが回った自分の言葉が微妙に彼の心を刺してしまった気がふとして……
くぴ、と彼よりペースは大分遅いが蜂蜜酒の入ったグラスを傾ける手が酒を置くと……酔いにまかせて、彼の頭を手を伸ばして、ぽんぽん…と頭を撫でようとする始末。

セイン=ディバン > 「……まじかぁ……」

相手の言葉と様子に、ショックだ、という様子を見せる男。
あきらかに元気がなくなるが。
ぐい、と酒を飲み、忘れようとするかのよう。

「そこは自覚してる」

そして、そこについて弁明するつもりはない男。
自分が真人間でないとは思っているし。
人に好かれようとしているわけでもない。

「なんの慰めにもならねぇよ。
 やめてくれ。吟遊詩人のそんな歌。
 今聞いたらマジで泣いちまう」

相手の提案に、ヒラヒラと手を振り。
芋を食いつつ、メニューを置く男。
どうやら、芋の味を楽しむことに決めたようだ。

「だろぉ? ……まぁ、全部が全部、とは言わないけどさ。
 ……まぁ、そんな所。だから、ぼちぼち仕事もしようかと」

最終的に、ある程度のことは受け入れていくしかない、という。
そんな当然のところに帰結したのではあるが。
男としては、友人と酒を飲むことで。
そこにたどり着く。そのきっかけを作った、ということらしい。
頭を撫でられそうになれば、くいっ、と身体を逸らしてそれを回避する男。

「やめぇい。男に頭撫でられても嬉しくないわい。
 ……そういやさ。実際、吟遊詩人って儲かるの?」

そこで男は、そんなことを切り出してみる。
これに関しては、単純に興味本位。

ヴェルソート > 「…まあ、酒のんでパッパラパーになったやつなんてだいたいみんないっしょだろ。」
明らかに元気をなくした彼を慰めているつもりなのかそうでないのか、酒飲んで酔えば大してみんな変わらないと。

「俺は好きだけどな。まあそれはさておいて。
ん?いっそ泣きはらしてすっきりするか?力一杯歌ってやろうか?」
くっくっ、と笑いながら泣いてしまうという彼にいっそ泣いたほうがスッキリするのでは?なんて持ちかけてニヤニヤと笑みを浮かべ。
もし同意が得られるならそれこそ感情を力いっぱいこめて歌い上げるだろうが…。
しかし、つぎつぎ口に揚げじゃがを放り込む姿は、まるで雛の餌やりにも似て。

「ま、な。 まあお前さんがだから悪いとは俺ぁ思わねぇけどなぁ。 それこそ、間が悪かっただけ、なんてことも往々にあるだろ?男女の仲ってのは。」
だからまぁ、そんな気にするな、とは流石に言えないけども、彼が嫌がるのも構わずぽんぽんと頭をしばらくなで続けようとすたが、クイッと回避されるとむぅ、と少しばかりむくれてみせようか。
己を起点にしてくれたのは嬉しい、が…その自分の手を避けられるのは癪だった様子。

「自分はやる癖にコイツ……ったく。……あ?そりゃあ、人によってマチマチだろ。俺はまぁ…おひねりで数日か、一週間くらせるくらいは稼げてるぜ?」
まあ、自分の場合は別の収入も混ざっているのは彼もしってるだろうが…まあ、それはそれだ。

「時々、貴族に夕飯の席で歌ってくれー、なんて依頼が来るときもあるしな。そうなったらまあ、金貨くらいはほいとくれるしよ。」
まあ、その辺になると運だよな、なんて笑いつつも…くい、と再び蜂蜜酒を飲み始める。まだ2~3杯目だが、すでに頬が紅い。

セイン=ディバン > 「違いない。問題は、その度合い、かもな」

くっく、と笑いつつ。男は相手の言葉に同意する。
そのまま、空になったグラスを置き。

「いいっつーの。
 家で、とかならともかく。
 こんな場所で泣いたら笑いモンだよ」

相手の笑いに対しては、男はやれやれ、とばかりにため息を吐くが。
相手が気を使ってくれているのには気づいているので。
特に、文句は言わず。

「そうだなぁ……。まぁ、そんなもんだった、としておこう。
 考えれば考えるだけ、落ちそうだから」

間。結局はそれだったのかもしれない。
それはそれで、悲しい話だが。
終わったことを蒸し返しても、得るものは少ない。

「ふぅん……つまり、それも間による、って?
 ……吟遊詩人も大変なのな」

安定しない仕事、といえば。
冒険者もそうだが。吟遊詩人もそうかもしれない。
そう考えつつ、男は相手の様子を見ながら、店員に会計を支払い。

「うし。腹も膨れたし。
 もう一軒。次は酒だ酒。
 もっと酒のある店にいこう」

そう言って、相手を引っ張り、店を後にするのであった。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からセイン=ディバンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からヴェルソートさんが去りました。