2020/05/26 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区 朽ちた教会」にラフェルさんが現れました。
ラフェル > ここは貧民地区にある、小ぢんまりとした教会。
ほぼ手付かずなのだろう、所々朽ちた場所が見受けられる。
ただ、まったく使われていない訳でもなく、埃塗れになっている事もないようで。

今は誰か居る訳でもないそんな教会の中、割れている大きな天窓の隙間から床へと光が降り注がれるように差される。
その輝きはゆっくりと消えていき、気が付けばそこには一人の少女が佇んでいた。
背中まで伸びたふわふわとウェーブの掛かった金髪に、閉じられた瞳、ゆったりとした波打つようなウェーブの入った白のワンピース姿の少女だ。
ただ、その姿を見て人間と思う者は居ないだろう。
その頭上には輝く光の輪が浮かび、その背からは白い翼が広げられているからだ。
その白い翼がゆっくりと折り畳まれてゆくのに合わせ、閉じていた瞳を開き澄んだ蒼瞳で目の前にある神を象る像を見上げる。

ラフェル > 今日もいつものように心の声を頼りに救いの手を差し伸べに尽力していた。
元々は王都の付近には居らず、少し離れた場所を巡っていたのだ。
しかし、それを続けている間に王都へと近付いてしまい、それに気付いた。

王都の方角から聞こえる数多くの声。
しかも、それは一点の場所から集中して起こるものだった。
それを聞いて気にならない訳がない。
そこへ向かおうと空を舞い、上空から場所だけでも確かめようとしたのだが、それを目にするだけで戻って来てしまったのだ。
その場所は王城。
進んで人前に姿を見せる事はしない少女には、余りにも難しい場所だった。

もしかしたらその声の主を救えるかもしれない、そんな声を前にして戻るしかなかった。
それに対する懺悔を行いに、この場所に現れたのだ。
ここは自分の敬う神を祀った場所ではないが、教会として懺悔する場所として使わせて貰おうと。

胸元に両手を組み、瞳を閉じる。
そのまま周囲の静寂に溶け込むように、少女は静かに懺悔を行うのだった。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区 朽ちた教会」にガルディさんが現れました。
ガルディ > 小ぢんまりとした教会を使用する一部の人間の、その一人。
用途は祈りでもなければ懺悔でもなく、奴隷売買のため。

マッチで煙草に火を付けて、それを燻らせながら教会へと踏み込む。
静寂に包まれた教会に人の気配を感じなかったが故の行動だが、輝く光の輪と白い翼に直ぐ気づくこととなる。
だからとそそくさ火を消すほど信心深くは無い。

「あー……天使サマ?
 これからちょいとココ、使わせて貰いたいだけど……時間掛かりそうですか?」

明らかに人間離れした存在に対し、とりあえずは丁重にお伺い。
煙を漂わせる男の手とは逆から、一本の鎖が背後に向かって伸びている。
男に続いて足音はもうひとつ。
首輪を付けられた『商品』がついて歩いていた。

ラフェル > 懺悔も終わる直前に掛かる声。
両手は祈るように組んだまま、ゆっくりと瞳を開く。

「申し訳ありません、こちらこそお邪魔をしてしまったようで…」

声の主に振り返りながら答える言葉は、しかし途中で途切れる。
振り向いた事で声の主と、連れられた存在に気付いたからだ。
こうした立場になる者には色々な理由が存在する。
だから一方的に否定をするような事はしないのだが、やはりそうした立場になってしまった事に思う事はあるもので。
何か言いたげに向ける視線を、目を伏せるようにして僅かに落とす。

「あ、あの、差し支えなければ一つお伺いをしたいのですが。
このような場所を何にお使いになられるのか…いつ崩れ落ちる部分もあるかの分からない危険な場所ですから、心配になって…」

本当に聞きたい事はまた別にあるのだけれど。
当たり障りのない方の問い掛けをするのだった。

ガルディ > 目を奪う輪っかと白い翼に、振り返った器量は些か幼いが甘く整って見える。
普段ならもう少し食指も動くのだが、今は仕事も仕上げの段階。
品定めする視線もそこそこに、伏せた視線に怪訝そうに首を傾げた。

男にとって、というより特にこの地区に置いては日常茶飯事でありふれた光景。
悪びれることなどなく。

「何って……あぁ、そこまで長いするつもりはないよ。
ただこの子をこれからくる客に引き渡して、それでおしまい」

煙草を咥え、細い鎖をじゃら、と手繰る。
個人的には縄や革の方が煩く無くていいのだが、鎖でというのも客先からのご注文だった。
一歩後ろに立っていた『商品』を傍に引き寄せて、軽くその尻を叩く。

『商品』は見た目、10代半ばの少女。上下ともに肉付き良く男好きのするスタイル。
戯れじみた刺激でも、耐え忍ぶ声を零して恥ずかしげに天使から視線を逸し、落として俯いた。

ラフェル > 理解はしているけれど納得の出来ない現実。
どうして後ろに立つ彼女はあのような立場で居るのか。
仕方の無い成り行き上のものであるならば、場合によっては心配する事こそが余計なお世話となるものなのだ。
理想と現実の違い、それは考えれば考える程に頭を悩ませるものだった。

そんな考えに僅かに耽ってしまったのだろう。
前に立つ男性の言葉に意識を戻す。

「そう、ですか…」

下手な言葉を向けて状況を悪くしてしまうのも。
そう思えばこそ、その言葉の答えを短く済ませる。

ただ、余興のように行われる行為にはつい視線を逸らしてしまう。
それを行われた少女から見える感情の色で、羞恥も意味する色が見えたからだ。
見てはいけないと思う考えと共に、それを理解させられる自分もまた、そうしたものに不慣れなのがあるからで。

ガルディ > 教会に響いた答えは短く、理解を示すよう。
だと言うのにその場から去りもせず、自分が傍らに抱えた『商品』を眺める様子がまた怪訝。
予想していたのは天使らしく尤もらしいことを言われるか。
幼い見た目に合わせて早々に小走りにでも何処かへ去られるか、だった。

「……おや、もしかして……天使サマ?
可愛いお顔に似合わず、……こういうことに興味があっておいでで?」

視線は逸らす。
それだけの彼女の傍まで、『商品』を引き連れて歩み寄る。
彼女よりは大きく、男よりは小さな『商品』。
『商品』の背後に立ち、両腕を肢体に絡ませて彼女へと見せつけるように触れていく。
簡素な貫頭衣の下に秘められたシルエットを指で辿り、たぷりと乳房を鷲掴みに。
『商品』が甲高い声で喘いで、教会の空気を震わせた。

「ちなみに、天使サマは初めて見ますが……こんな所でお祈りですか」

耐え難い羞恥の感情と、微細ながら愉悦の感情の色をも『商品』は漂わせた。
男が何事かを耳打ちすると、――みていてください、と少女は天使に乞い願う。

ラフェル > 不意に男性から見える疑念も示す色。
自分の行動に何か悪い部分でもあったのかと、それが見えれば考えてしまう。
本当のところはその考えは違うところにあるのだが、見える色は大雑把で細かくは分からないのだ。

そんな考えを巡らせているところに掛かる男性の声。
何を言われたのかを理解するのに間が空いてしまう。
そして、同時に少女を前に立たせる事の意味も分からなかった。
その行為が始められるまでは。

「な、え…? あ、あ、あのっ…な、何を…?」

いきなり目の前で行われ始めた行為に、明らかに顔を真っ赤にしてしまう。
なんでこんな事をするのか、その意味も分からない戸惑いも混ざって。
興味が無いと言えば嘘になる、だがそれを言える訳もなく。

「あ、は、はいっ…で、でも、もう終わりましたので、私はそろそろ…」

そこまでは分からない。
羞恥が浮かび上がってるのに、なぜ愉悦が同時に浮かぶのか。
そんな混乱の中、少女からは見る事を望む言葉まで向けられてしまう。
本人が望むのならば、ちゃんと見るべきなのか…

結局は戻ろうとする意思を示しながらも、視線は少女へと向けられる。
律儀な性格が災いしたと言えるのかもしれない。