2020/05/20 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にアイリースさんが現れました。
■アイリース > 【待ち合わせ待機中です】
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にビョルンさんが現れました。
■アイリース > 「……あぁ、なるほど」
貧民地区の通りにて、周囲を見渡して手拍子一拍。
今まで通ったことの無い道もあったので。
こうして、色々と歩き回って道を覚えられるのはありがたい。
特に、案内してくれる人間がいるというのは本当にありがたいことである。
「……これで一通りは見て回った感じでありんすか?」
近くにいる相手にそう声をかけて確認をする。
何のことも無い。私は王都にまだまだ不慣れである。
なので、まずは身近なところから案内をしてもらおうとお願いをした訳で。
特に、その土地に詳しい人間に案内してもらえる機会なんてそうそうないので。
ついつい、色々と歩きまわってしまった。
■ビョルン > 「そうして、平民地区へ繋がる大通りへ出るのがさっきの小路と」
女の頭で地図が繋がったらしい。手を打つさまを頷いて見守る。
奥に行くほど入り組み、路地は迷路じみてくる。
その路地もおおっぴらに道なのか、誰ぞの家の軒先であったり路上を占拠してバラックが建ったりすることもある。
女の問いかける声には視線を向けて答える。
「ああ、恐らくは」
そうして、ふと思いつきが浮かび表情を変えずに言葉を続ける。
「これからお前の先導で、此れ迄の道のりを逆に辿って帰ってみよう」
要は、相手の覚えを試すと。
女の歩くままについて歩くつもりだ。
■アイリース > 「あ~……ほぅほぅ」
更に大通りのことを言われれば、一気に頭の中で地図が出来上がる。
これで、少なくとも貧民地区内の案内された場所では迷わない。
ただ、まだまだ案内されていない場所もあるだろうから。
そこは自分で学んでいくしかないか……。
「……まぁ、それくらいならお茶の子さいさいでありんすぇ」
恐らくは試験のつもりなのだろうが。
さすがに、案内された道を間違えるようなことはない。
私は、案内されたルートを、元の位置に戻るために最短ルートで移動し始める。
「……ふふっ」
途中、ちら、と相手を見て思わず笑みを零してしまう。
もちろん、バカにする意図などは無いのだが。
■ビョルン > 納得している様子には思わずこちらも小刻みに頷いて返す。
共感も無きにしも非ず。
「流石だな」
相槌のように声の温度を変えずに返した。
もしも女の頭が覗けるのであれば案内した道を逆順に通るのと最短ルートを通るのでは話が別である、故に先程申し付けた言葉を復唱しただろう。
良く笑う女だ。
仏頂面で女の後を追う。合っているかどうかは知らない。
■アイリース > 「なんぞ、言いたいことがある、と。
そういう顔でありんすね」
後ろをついてくる相手に、そう声をかける。
仏頂面なのは、この相手ではいつもどおりなのか。
まぁ、私が知る中では仏頂面の比率が多い、という話であるが。
「せっかく散歩のようなことをしているんですし。
ちょっとした会話なんてするのもよろしいんでは? と。
わっちは申してみますが?」
振り返らず、再度そう言ってみたり。
まぁ、相手に拒絶されたらそれまでなのだが。
せっかくなので、もう少し。この難物な相手のことが知りたい。
■ビョルン > 「なにも」
声を発することに関して、吝嗇家であるかのように短く告げる。
そうしては、相手の歩む先は出発地点である遊郭へとどんどん近づいていくんだろう。
己の申しつけ、思い返す猶予を与えるように相手との距離を離して歩く速度を落とす。
「会話」
とりたてて女に話せるようなトピックがないのがひとつ。
他にも言葉に窮する理由はあるだろうか。遠い空を見上げた。
■アイリース > 「……なんとも。つれないお言葉」
相手の気配。それが、少し離れたのに気づき。
私は、一度立ち止まると、相手を振り返り。
はふん、と鼻から息を抜いて、来た道を戻る。
そうして、今度は。試験開始した地点から。
きっちり、歩いてきたルートの逆走を開始する。
「……怒るでもないでありんすか。
ビョルンさまは、時々。
他人に、面白みが無い、とか言われんせんか?」
わざとルートを違えてみたり。
わざと、笑ってみせたりしたのに。
まったく反応がない辺り。
もしかしなくても嫌われてるのではないか?
という思いが無いでもない。なので、はっきりとそう言ってみる。
正直、怒ってくれた方が気は楽だった。
■ビョルン > 「そう言われても」
そうして相手が距離を空けた己を振り返って察するのだろう。
己はむしろ、わかっているなら最初から違う道を通らなければいいのにとすら思っている。
新たな出発からは相手とほぼ並ぶくらいの近さになる。
「──俺が面白いと、何ぞ良いことでもあるのだろうか」
言葉少なかろうと無言だろうと、相手から離れず姿を見せているうちは嫌っていない証拠であるのが己。
誠に複雑に見える女心に厄介さを感じながら路地を歩いている。
■アイリース > 「……」
なんだろうか。あきらかに反応が淡白である。
冷たい、とも違う。なんというべきか……。
興味がない、というのが一番しっくりくる感じ。
「それはまぁ。あると思いんす。
面白みがある、と思わせれば、相手によっては侮るでありんしょう。
人当たりが良い、と思われることも。相手が警戒心を解く可能性だって」
すたすたと歩きつつ、そう一々言ってみせる。
もちろん、口からでまかせ……ではないが。
概ね希望的観測に基づいた意見である。
「それとも……私と一緒に居るのはつまらないかしら。
貧民地区の案内を頼んだのは、迷惑?」
ある程度歩いたところで、くるり、と相手を振り返り。
そう尋ねてみる。首を傾げつつ、まっすぐに相手を見て。
■ビョルン > 「思うに──…」
相手の言い募る言葉を最後まで聞き、訥、と言葉を吐く。
「俺のよォな極道者の人当たりが良い、とすれば。
それ以上に質の悪いことはないと思うが──…」
笑顔でご融資鬼の取り立て、なんてことは。
ならばデフォルトを鬼の傍に置いた方が誠実と見える。
そんな考えの一片を見せたつもりであるが、言葉は些か足りないかもしれない。
ごく一瞬の困り顔を顔面に浮かべていれば相手が振り返った。そうして発せられた問いかけに答える。
「そんなことは──いや、滅相もない」
プライベートの距離に自ら詰め寄る女の存在が稀有で、床の中以外では懐の内を語る言葉に窮しながら、視線は外さずでいる。
■アイリース > 「……それはまぁ、確かに」
私も、血盟家については多少話は聞いている。
そこから考えるに、この相手がにこやかだったりしたら。
それはまぁ、不吉というか、恐ろしいというか。
そういう風に思われてもおかしくないかもしれない。
「あらそう? だったら、少しくらいは楽しそうにしてほしいわ。
まぁ……それがベッドの外の貴方の姿、っていうのは。
理解しているつもりだけど」
言葉にウソはない、と思いたい。
私は、一歩相手に近づき。
顔を覗き込むように前かがみになる。
「少なくとも、私にとって貴方は特別よ?
そんな相手にすげなくされちゃあ、悲しいわ」
これは本心。せっかく一緒に居るのだから。
少しくらい、年頃の男の子らしいところは見せてほしいと思ってしまう。
■ビョルン > 共感するような言葉を貰えれば、さも当然とばかりに頷く。
組織の中には蛇よりも悪魔よりも質の悪い幹部などもざらに居るのだが。
よからぬことを為そうとするとき、更にそこへ後味の悪さを足す必要は感じぬ。
悪は悪だ。
「楽しそうに、と、──」
外で感情を発露する習慣がないので弱る。
そうして更に己を見上げながらの言葉には思わず視線が逸れる。
「そォやって、キンタマを掴んでくるのが、
シノビの手練手管ってやつなんだろう──…?」
緩く首を振って息をつく。帰ろうか、と相手を促し。