2020/04/26 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にマデリンさんが現れました。
マデリン > 本来であれば、爽やかな朝の光があまねく街を照らすであろう時刻。
――――残念ながらこの界隈には、その程度の恩恵も望めぬものであるらしい。

「………全く、酷い目に遭った、もんだ」

控えめに言っても廃墟に近い、傾きかけているような家屋の壁に凭れ、
疲労困憊の溜め息を洩らす己の呟き声は、これまた酷く掠れていた。
未だ何かが宿ってでもいるような、重く甘い疼きを残す腹の辺りを両手で押さえ、
お世辞にも美しいとは言えぬ界隈に視線を巡らせる。
確か、ここは王都である筈だが、しかし――――、

「……都、って感じじゃ、ないな、これ。
 ま、どこの街にもこんな所はある、ってことか……
 てか、それに、しても」

取り敢えず、あまり長く身を置いていたい場所では無いが、
どこへ向かえば抜け出せるのか、どの道を辿るのが正解なのか。
もう随分歩いた気がするのに、同じ所をぐるぐる回っているような気も。
有り体に言えば迷子、なのだろうが、場所柄を考えると何とも笑えない話だった。

マデリン > ―――――取り敢えず、とても疲れていた。
見つけられたくはないから、一応は物陰を探して蹲るが、
直ぐにことりと眠りに落ちてしまう辺り、危機管理能力は底辺か。
破れた軒下で膝を抱え、暫し、体力の回復に努めようと―――――。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からマデリンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にドリーさんが現れました。
ドリー > 一仕事終えて、滞在している宿へと向かうその途中──
廃墟と見紛う建物と建物の間に口を開けた路地に視線をやる。
そこは初めて通る道では無い……が、夜に通行するには少々治安が悪い界隈だった。
しかし、そこを通るのと通らないのとでは、宿に着く時間が20分程度違って来る。

(うーん……どうしますかね。明日も早いですし)

と、胸中で唸りつつ悩んだのは、結局数秒程度だった。
基本、楽観的な性格であり、仕事以外の面では多少ものぐさなところもある──
かつかつと立てていた靴音を多少潜める努力をしつつ、裏通りを進む。
廃材や空樽が置き捨てられた風景はほとんどゴーストタウンのそれだった。
左右は廃墟の裏手であり、差し込む光はほとんどなく足元も悪い。
あまり夜通ることのないそこは、昼間には感じたことない不気味さもあり……

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」に黒須さんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からドリーさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」から黒須さんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/安宿」にキリエさんが現れました。
キリエ > 「しっ、ごっ………はぁっ、くそっ……」

 浅く息吐いて。
 早朝にしては相応しくない声が安宿に響いている。
 薄手を通り越して下着一枚に上一枚引っ掛けただけの女が、ベッドの下部に足を引っ掛けて腹筋をしていた。

「はぁっ、はぁっ、よし、次……」

 かと思えば次は腕立て伏せ。
 ダブルベッドには、もう一人が寝ているはずだった。そして、前の夜は、その者と甘いひと時を楽しんだはずだった。
 だがいつもの習慣を乱すつもりは一部たりともなかったらしい。くたくたになるまで腰を使った翌日、女は何事も無かったかのように鍛錬をしていたのだった。
 鍛錬の声で相手が起き上がるかもしれないが、構わなかった。