2020/04/25 のログ
ビョルン > 「ふむ、要は。
 年頃の男児としてはエレガンスが過ぎる、と。
 ──今はある意味プライベートで、ディバン様には敬意を払っておりますから。お気になさらず」

今はこの言葉選びも苦ではないから。
故に、逆に崩せと言われても困ろうものか。

企業秘密に関してはそれっきり触れることはない。
はなから話題になどならなかったかのように。

「──王国には、静の部分と動の部分があります。
 手前共は静たる大地に虫の如く這って暮らしております──大地まで動くことは、許されぬかと」

流れとしてはダイラスで起きている出来事に関してだが、曖昧なような謎かけのような暗喩を以て返す。

「まぁ、気になったら遊びがてら見てくるのも宜しいけれど──深入りは勧めません、とだけ」

ごくごく、と喉を鳴らしてジョッキの中の牛乳を飲み干して。
ひらりと手を上げて店員を呼べば「勘定を」と。

セイン=ディバン > 「ま、そんなところです。
 あー……敬意払われるような人間じゃねぇんだけどなぁ、オレ。
 ……いや、逆にオレの方から砕けたしゃべり方にしたほうがいいのかな?」

理解力も高いなぁ、男は舌を巻く。
ある種。この若者は、そう振舞うを強いられてきたのだな、とも思うが。
それが本人にとっての幸か不幸かは分からないので。言及はしない。

「さぁて、そりゃあどうかなぁ……。
 虫が動物の死骸を分解し、それが大地を豊かにしていく。
 この世界じゃ、本当の意味で不要だ無駄だの存在なんて無い。
 価値も、そうさね。違うかい、若人?」

ふ、と笑いつつ。男は相手の暗喩をはぐらかす。
はぐらかした上で。相手の真意・覚悟を問う意味もあるのだが。

「忠告、感謝しま~す。
 あぁ、ここはオレが……」

相手が勘定を払おうとするのなら、男は二人分の代金をテーブルに置く。

「忠告へのお礼ってことで。
 ……また会えますかねぇ?」

ケヒッ、と小さく笑いつつ。男は相手の肩をぽんぽんと叩く。
どうやら、本格的に相手に興味が湧いたようであった。

ビョルン > 「ならば、縄張りもシノギも掠り合わない遠い筋の叔父貴くらいに思っておきます」

そう、あまり──あまり、年上の男に軽薄な口を利く癖はつけない方がいい。
その程度には不器用だと思って戒めている。

「ええ、ですので我々は無益だったことはない。
 此れまでも、此れからも」

その自負がなければ既に何処かで瓦解している組織だろう。
相手とは、噛み合えているかは怪しいがともあれ最低限には伝えたろう。

食事代を奢って貰えれば「馳走になりました」と頭を下げて席を立つ。

「星の巡り合わせに期待しましょう。
 然様ならば、此れにて」

肩を叩かれて頷くに留めるが、辞去の挨拶をして家路につくのだろう。
相手の元へは別の男が駆け寄り先程の会計が幾らだったか聞いて清算しようとするだろうが、ビョルン自身には与り知らぬことであった。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からビョルンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からセイン=ディバンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にポチさんが現れました。
ポチ > てこてこと貧民地区を歩く少年。
まだ肌寒さもあるが太陽の光は暖かく春の訪れをつげているようで心地よく、
空を見上げて青空にながれる白い雲を眺めたり、
地面の端っこに咲く名も知らぬ小さく咲いている白い花を眺めて突いてみたり…。
あっちにふらふらそっちにふらふらと楽し気に日課のお散歩をしている。

ポチ > たどり着いたのはお気に入りの場所。
天頂を少し下ったところにある太陽が照らし出す整備されていない公園。
ぶかぶかでボロボロの靴かぽかぽさせながらそちらに進むとすねの高さまで自由に伸びている草や花の中を進み、木製の朽ちかけた長いベンチにぽすっと腰を下ろす。
「ふぁ… いい天気…。」
と、ぽやぁっと穏やかな表情を浮かべた…。

ポチ > ぽやーっとベンチに座って僅かに浮いた足振り子のようにぶらぶらとさせながら心地よさげに日向ぼっこ。

誰もいなければお尻の割れ目の上あたりに本来ある尻尾を出し、襤褸布の隙間から出してゆらゆらと揺らせて。

日日の稼ぎで手にした出店のサンドイッチが入った紙袋を懐から取り出して小さな口を大きく開けてはむっと一口。
のんびりと咀嚼をしていく。

ポチ > サンドイッチはあっという間に少年の胃袋の中に。
もう少し多く持ってくればよかったかな等と考えながら親指についたパンくずをペロリ。

まだ足りないと訴えるお腹を軽く小さな手で撫でてため息一つ。

ポチ > 「はぁ もっと食べたいなぁ…」
ぽつりと零れた言葉。
へたりと体から力を抜いてベンチに横たわる。

尻尾をうにうにしながら目を閉じれば目の前にはご馳走の山。
絵に描いた餅だがちょっと幸せな気持ちになる。

ポチ > そして少年はいつの間にか夢の世界へと落ちていった。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からポチさんが去りました。