2020/04/17 のログ
■サチ > 「あら、そんなつもりはなかったんですが……じゃあブレイド…、さん?」
男性というより少年風情に映ったが見た目よりもずっと大人なのかも知れない。失礼しました、と呼び方を変えてみはしたが…違和感がある…と首を捻っていた。
「はい、身を挺してでも御守りします。ご安心ください。
目には目をと申しますから、ここはやった分の仇を受けて頂くということで落ち着きましょう」
にこりと笑みを投げかけて、ぐ、とサムズアップして彼の身の安全に関しては請け合う。
要は自業自得にしておこうと言う。だから仮にこの男が掏りならば財布を掠め取るのもありだったかも知れないが。強姦の罰は強姦で贖わせる。
よいしょ、とタイミングを合わせて男を持ち上げて。潤滑油の用意を気にされたとしたら「お互い様だと思うんですよー?」とこの男も用意がなかったので不要だろうと穏やかに却下します。
「2番地遠いですね…そっち重くないです?」
えっさほいさと気絶した男を少年と運搬というケッタイな様相を呈しつつ暢気に道中訊いた。
■ブレイド > 「呼び捨てでいい。さんとか言われる程でもねーし…
どうしても呼びづらいってなら君でもいいけどよ」
首をひねるサチの姿。まぁ、そうだろう。自分の身長を思えばそうもなる。
よくよく見れば、顔立ちはすこしばかり幼くも見える愛嬌あるものだが
身長はもちろん、体つきもしっかりと大人の女性に見える。首をひねるのも仕方がない。
「身を挺されちゃ助けたいみねーから
ヤバそうなら頃合いを見えて逃げてくれよ。まぁ、あのへんの奴らならアンタにゃ目もくれないだろうが」
目には目をというやつか。それはそれで恐ろしい。
だからあんなに去勢にこだわっていたのか…。恐ろしい女だ。
「あー、これくらい屁でもねぇ。つか、この状況のほうがよっぽどやべぇな…
これじゃただの誘拐だ」
これを見咎められたら流石に言い訳は難しそうだ。
■サチ > 「ブレイド……、ううむ。ちょっと呼びにくいですね。
うー。善処、します……」
君が一番しっくりくるが、当人がイヤなら呼ぶのも悪い。悩まし気に眉を寄せつつ唸りながらうなずいて。
「だけど、善意で手伝ってくれているブレイドく……ブレイドを掘らせる訳には参りません!
そうそう、私などは眼中にないという奴です。だから有事の際は全力でお助け致します!」
どん、と胸を叩いて力みながら鼻息荒く使命感に燃える。胸を叩くのにうっかり片手を離したので男の片足がどすん、と落ちて、慌てて拾った。
「よし、じゃちょっとペースアップしていきましょ。えっさ、ほいさ。えっさほいさ」
確かに見咎められればちょっと言い訳が面倒だ。急いで向かい、止められないようにしようと掛け声を掛けながら足を速めた。
■ブレイド > 「ああ、もう…めんどくせぇな、ブレイド君でいいよもう。
アンタ何歳だ。年上だったらガキ扱いみてーな呼び名でも文句ねぇ」
そうじゃなかったら…まぁ…我慢する。
人がいいのかなんなのか…少しよくわからない女だが…悪人、ではない?気はする。
「そりゃ心強いなっつか、そうなったら結構な騒ぎになるだろうしな
できりゃ穏便に片付けたいもんだ…っとと…しっかりしてくれよ?」
少しバランスを崩しつつも持ち直し、サチが速度を上げれば合わせて早足に。
「えっさ、ほいさっと…そろそろつくんじゃね?入り口横切りながらこいつ投げ捨ててきゃ大丈夫だろう」
■サチ > 「妥協させてしまいました……。
私ですか? 今21歳です。プレイド君は?」
呼び方ひとつで申し訳ない気持ちになり。眉が下がる。
16~17歳くらいかな?と思ったが違ってたらとても怒られそうなので先入観を捨てて問い返した。
「すみません、うっかり……しっかり持ちますね。
……ですねえ、穏便に隠密に……どうか、どうか神様、この男性が同性愛者受けして散々掘られて路上に棄てられますように……こゆい方にお持ち帰られるのも可です……」
とんでもない祈りを捧げ、今度は足を落とさないようにしっかり持って。急ぎ足で向かう場所はもうすぐだ。
「そうですね、ここら辺が――ああ、野太い悩ましいお声が響いてまいりました。それでは、ここからは、シィー…声を潜めてこそっと放棄してささっと逃げちゃいましょ。行きますよ――」
足を速めたお蔭で2番地には到着した、発展場というか、カオスと化している路地裏の方向を両手が塞がっているので顎先で示してはあそこら辺にさくっと棄てて行きますよと合図して、しゅたたたた、と男を駆け足で運び込んでメッセージが見えるようにして放置して行こうと息を合わせた。
■ブレイド > 「………18」
年上だった。意外にも。
同年代、もしくは少し年下もワンチャンあるかとおもいきや…現実はそんなもんだ。
彼女の君呼びに正当性を与える結果となったのだ。
「まぁ、被害にあった方からすりゃひどい目にあっちまえって気持ちはわかるがな…」
別に大事あったわけでもない。足を落としたことはこれ以上は咎めず歩調を合わせてすすんでいけば…
なにやら空気が変わる。
どこかで獣の唸り声にもにた声がするが…どういうシーンで出るような声なのかは想像したくもない。
なんで彼女がこのあたりの情勢に詳しいのかは謎だが、彼女の指示通り足音を忍ばせる。
「よし……せーのっ!」
走り出す二つの影+α。男をぽいっと投げ捨て放置してしまわなければ、この場においての異物。
警戒されても仕方ない。
■サチ > 「あら、そうなんですか。じゃ、私の方がお姉さんですね」
もっとお若く見えました…とはやっぱり明らかに怒られるだろうから言わなかった。
ただ、のんびり微笑みかけてそれだけ口にした。
「憶測で物を言うのは良くないですが…。おそらく常習犯の様ですし。そろそろやられる立場になるのもアリだと思うんですよね……案外気持ちがいいかも知れませんよ――この人もそう思ってやっていたことなのでしょうし」
フフ、と特に他意はなさそうにさらっと呟いた。実際に強引にされるのを望む女性もいるのだからそれはそれで趣向の一致ということで異論はないが……今回違ったのは確か。
貧乏人は貧民街の地理に関しては詳しいというか、そうでなければ生きていけない面もあり。
夜も更けてすっかりお盛んな現場の声に耳を傾け、お仲間に加えて頂けますようにと最後にもう一つ祈りを捧げて。そして二人がかりで一気にポイ棄てしたフリーホール…もとい、男。
呼吸を合わせて投げて棄てると。手で戻りましょうとジェスチャーして。
そのまま、でででででーとその地獄のような呻き声が響くエリアを一緒に駆け抜けて行こう。
ある程度まで走り抜けていくと、ハアハアと呼気を乱しつつ、
「はい、お疲れ様でしたー。無事解決、ということで。この度は非常にお世話になりありがとうございました」
少し落ち着いたところで丁寧に頭を下げた。
■ブレイド > 「じゃあオレはサチねーちゃんとでも呼んだほうがいいか?」
たしかにそうなんだが、なんだか悔しい。
微笑む彼女に冗談めかして応える。
「はは、こえぇな…無理やりなんざ対してよくねぇだろうによ…ご愁傷さまだ。
せめていい思いができるようになることを祈ってるぜ?このあたりの一角に限るがな」
こいつがそういう趣味になったとして、外に出てきて今度は男を襲うようになったのではたまらない。
彼女の自分と同じく貧民地区に詳しいあたり…このあたりが生活圏なのだろうが、男を襲う男の噂が流れないこととを祈りつつぽい。
彼女の追って速やかに離脱。ミッションコンプリート。
「ふー…一件落着か。ま、いいけどな…つか、そもそもアンタが無謀な真似しなけりゃこんな面倒はなかったんだろうが…」
それを助けた自分がどうこう行ったところで説得力はないだろう。
■サチ > 「ねーちゃんだなんて……萌えてしまいます。サッちゃんでもいいですよ」
冗談を真に受けて喜んでしまい、頬に両手を当ててにこにこしながら厚かましく提案もしておく。
「フフフー。良くないですかねえ……それこそお互い様、ですよね?」
妙な祈りが立て続けに捧げられて今頃神様もかなり迷惑しているだろう。それはともかく、遠耳に響く新たな咆哮のような悲鳴に気づいて耳を澄ませ。ひっそりと黙祷した。
「すみません、本当にそうかも知れませんね――でも、ほっておくのも寝覚めが悪い、ってことですよね?」
無謀な真似をしたのは認めるが、襲われて本気で嫌がるばかりの存在を無視できなかったのはお互い様だろうと小さく笑って。
「――さてぇ……さすがに仕事の後でのさらに一仕事は疲れました。何もお礼を差し上げられず申し訳ないのですが、私はそろそろ帰らなくては……。
ブレイド君も早く眠らなくてはいけませんね。遅くまで付き合わせてすみませんでした」
一仕事終えて、夜も更けて疲労も押し寄せてくる。申し訳なさそうにしながら深々と頭を下げ。
■ブレイド > 「も…萌え?なんて?………サチでいいか?」
ちゃん付けは流石に辛い。よばれるのもあれだが呼ぶもの少し苦しい。
名前にちゃん付けなんてのは生涯したことないのではないだろうか?
「オレはそういうのは趣味じゃねぇからな。
それこそ、お互い良くなってこそだろ、そういうのは」
こういう考え方は男からすれば甘ちゃんというか、度胸のない女々しい考えと言われそうなものだが
どうせ致すならお互いに思い合ってたほうが気持ちいいというものだ。
響く獣の咆哮にうわぁと渋い顔をしつつも、その方向からは背を向ける。
もう自分の関わりないことだ。そういうことにする。した。
「いいさ。オレもそうだし。けどまぁ…できることの見極めはしようぜ?あと、冷静にな。
材料がなきゃ、逆上させてもっとヒデェ事になるかもだしよ」
乗りかかった船だし気にするなと手を振って。
帰らなくてはという彼女を見送ろうとするも、やはりなんか子供扱いされてる感が否めない。
「……また変なのに絡まれてもあれだろ…送ってくよ」
■サチ > 「………いいです」
あからさまにがっかりしたように確認する声に力なくうなずいた。無理強いはすまい。
「そうでしょうね。でなければ何を見ても聴いても放っておいた筈ですから。
ブレイド君、イイ男ですよ」
いい子、とはもういうまい。立派な男子であることは間違いないのだから。にこりとすがすがしいような笑顔を向けて親指を立てた。そのままナイスガイ街道突っ走って下さいと声援を送ろう。
「そうですねえ。私もよっぽど介入はよそうかと思ったんですよ? でも、ねえ……ここで見て見ぬ振りした方がメンタル面でよろしくないと思ったのですよ。人間メンタル崩れると厄介極まりないですから」
彼の言うことは最もである。しみじみしたように同感の頷きを現したが、肩を竦めながらしょうがなさそうに苦笑して。お手数をおかけする結果になってしまい恐縮した。
「――あら、紳士的ですね。では、お言葉に甘えさせていただきます。お茶位ならお出しいたしますよ」
しかし余りのボロ屋に遠慮されるかも知れない。茶葉も手作りという赤貧ぶりだし。お言葉に甘えて送っていただくことにはして。しっかりした少年――を一人前の青年と認識し直しながらこっちです、と脚を向け二つの足音は帰途を辿ろう。
■ブレイド > 「……っ…さ、サッちゃん…くっ、これでいいかよ…」
あからさまにがっかりされると流石になんだか悪い事したような気になってしまう。
口の中がなんかもにょもにょするが、目の前でしょぼくれられるよりはマシだ。
まぁ、慣れるしかなかろう。次また会うことがあるかもわからないし…。
「いい男、ね。ま、そう言われるのは悪かねぇ。アンタも言うことは物騒だがな…
いい女なんじゃねぇの?」
そうでなければ彼女の言うように、誰が襲われていようとスルーしたはずだ。
メンタルの話に関しても…まぁ、彼女の言うことはよく分かる。
「そりゃありがてぇ」
お茶の申し出はありがたくうけつつ、彼女とともに歩き出す。
呼び名はまだなれないが…次会うときはもうちょっとまともな場面だといいとおもうのであった。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からサチさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からブレイドさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/裏路地」にヴェルソートさんが現れました。
■ヴェルソート > 「ほんと、何時もながら湿気た上に物騒なとこだ…。」
娼館の主に客でも取ってこい、と放り出されたのがつい先程。
適当にふらついていたらやってきてしまったのは、犯罪の残り香すら濃厚な貧民区の路地裏…しまった、何も考えてなかったせいで、何時も通る道を適当に通ってしまった。
手塩にかけて教育してきただろうに、この扱いは無いんじゃないかと思わなくもないが、片腕なくしてからは大体この通りだ。
まあ仕方ない、童顔で多少は若くみえるとはいえ、トウが立った五体不満足な男なぞ、男娼としても奴隷としても微妙なことこの上なかろう。
一応は高級男娼でしかも歌唄いだというのに、立ちんぼ同然の扱いだ…悔しいのが半分。気楽なのが半分…さて、まあそれは良いのだ。問題は……。
「……どうするかなぁ。」
歓楽街でも歩けばよかったな、なぞと今更思いながらも…伸びやか声で鼻歌なぞ唄いながら、プラプラと路地裏を進んでいく…。