2020/03/30 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にノトさんが現れました。
ノト >  ―――娼館にて。
 娼婦や男娼に必要な才能はなんであろうか。容姿か、話術か、あるいは声かもしれない。
 多くの人がいて、それぞれ違う好みを持っているということは、何が美しく、何に性欲を抱くかも多種多様であるはずだ。
 ならばきっと、娼婦もまた多種多様なはずだ。
 そんな多種多様な娼婦でも、仕事途中で沈黙してしまったり、手が震え始めたりするような種類の人種は、歓迎されない。
 女が娼婦をはずされたのは、主に性格面のせいであった。

「…………は、ははははははははい! はい! ダイジョウブです! えっと、あっ、お客様ですね!!」

 噛みまくる女が一人、目をぐるぐる回しながら娼館受付で業務にあたっていた。

「こちらの子なんて凄いんですよ! えっ、何が? えーっと…………………」

 続く言葉が出てこなくなりだんまり。というのに客は満足したらしく、その娼婦を指名して意気揚々と幕を潜っていく。
 ほっと胸を撫で下ろして机に突っ伏す。

「はひぇぇぇぇぇぇぇ……」

 上がり、どもり、かと思えば黙る。
 なるほど娼婦にはとことん向いていない。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にルヴィエラさんが現れました。
ルヴィエラ > (娼館にも、様々な種類がある
其れは提供される娼婦の趣向で在ったり、或いは単純な『格調』で在ったり
例えば一般的な冒険者や、市民が集う様な娼館で在れば
騎士や貴族、或いは国賓と言った層が訪れる事は中々あるまい
其れは真逆も然り、余程娼婦の中にお気に入りが存在するのなら話は変わるが――兎も角
女が所属する其の娼館の客層によっては、其の来客は、少々目立ったやも知れない。)

「――――やぁ、御機嫌よう。」

(――僅か前、そんな風に受付へと声を掛けた男が一人
館主へ用が有ると言う事で、対応の後、程無くして館の奥へと通されて行った
そうして、女が事務対応で忙殺される事暫く
再び、今度は館主と共に談笑しながら、受付へと姿を現そう
要件自体は終わったのか、いかにも、今にも帰る間際だと言う様相では在ったが

其の途中で、先刻声を掛けた際の反応が愉快であった、件の受付嬢に
再び視線を向けたなら、その仕事ぶりを眺めて、愉快そうに笑み。)

「―――――……彼女は、受付として雇ったのかい?」

(そんな事を、館主へと問いかけてみた
いや、とても愉快な娘では有る、が、御世辞にも受付が向いて居るとは言い難い。
ただ、其れが巡り巡って人気だと言うのなら、在る意味才能なのやも知れず
何処か、興味を抱いた様に)。

ノト >  娼婦には向いていない理由はほかにもある。
 名前と顔が一致しないことが多々あるのだ。記憶力が悪いのだろう。名前すら覚えられない娼婦では、なるほど役に立たないであろう。つい今しがた通した客も名前がわかっていないほどだった。

「ご、ごきげんようさまです!?」

 男がいた。
 銀細工のような髪の毛をした美しい男だった。悲しいかな。書類に目を通すそぶりをして目を合わせなかったせいで、せいぜい下半身くらいしか見ていなかった。
 挨拶返しというには愉快な台詞を噛みながら言って、それから次の客の対応に当たる。

「あわわわ!」

 事務仕事は得意だが、受付をしながらやるのは苦手だった。ペンをあらぬ方向に転がしてしまい右往左往。目をぐるぐるさせながら、なんとか対応をする。

 男の言葉に館主はこう言う事だろう。
 『金が必要だからとやってきた。容姿がいいから客を取らせてみたが』

 と。その彼女が受付をしているあたり、察してくれと言わんばかりである。

「あ、さ、先ほどの方ですね! いらっしゃいませ!!」

 帰るといった素振りの男に元気よく挨拶をする。その挨拶は、やってきた側の客向けなのだが。

ルヴィエラ > (――目を合わせた、様な気はしたのだが
如何やら如何せん余裕が無いのだろう、まるで初めて見かけた客の様な挨拶が返る
一寸瞳を瞬かせ、其れから館主の方へと視線を向ければ、何とも胡乱な表情を浮かべる物だから
成程、と納得したかに一度相槌を打って、暫し様子を眺めて居よう
確かに、其の容姿は美しく、気に入られれば乗客が付きそうな程
だが、受付ですらあのような状態では、確かに、娼婦と言うには不向きなのかも知れない

――いや、問題はもう少し根本的な部分に在りそうな気はしたが
其れでも、そんな女が、金を求めて娼館の戸を叩いた理由は、少々興味を抱いた。)

「―――――……もし良ければ、私が手を出しても?
何、挨拶代わりに娼婦を壊して帰る様な事はね。
其れでは、宜しく、と言いに来た意味が無いだろう?」

(ふと――館主へと、そんな事を問うた。
受付としてではなく、敢えて、娼婦として彼女を指名しても、と。
本来この娼館へ訪れた理由は、一寸した挨拶回りで在る
王都へと進出した自らの娼館が、周囲と上手く付き合って行く意思を示しに来たので在り

あの儘でも困るだろう? なぞと、小さく悪戯気に告げたなら
改めて、受付の前へと近づいて行こう。)

「やぁ、御機嫌よう。 人を指名したいのだが、良いかな?」

(まるで、今しがた来たみたいな、先刻と同じ挨拶と共に。
今度は、娼館の客として受付を求めよう
先刻の様子見からすれば、きっといの一番に娼婦のリストを見せて来る筈だ、が、其れをは直ぐに手で制し。

――其の顎先を、くい、と指先で持ち上げよう。
合わぬままの目線を、己へと、向かせる為に)。

ノト >  娼婦には向いていないが、事務としては向いていたらしい。だがただの事務を雇うほど娼館も暇ではない。受付にされてしまい、現在に至るのであった。
 なにやら美しい男を通したような気がする。
 程度の認識はあったが、果たしてどこの誰なのかまでを考える余力が脳に残されてはいなかった。

 館主は男の問いかけにひらりと肩をすかした。
 物好きもいたものだ。まあ見た目と声だけで見るなら上物かもしれんがね。

 などと続けて、あとは退散することだろう。受付嬢を指名してはならぬという規則はどこにもないのだ。ただ指名できるとは知らない者が大多数なだけで。
 一応は娼婦の身。受付などやっているが、指名は不可能ではなかった。
 男が進み出ると、額の汗を拭っていた女は電流でも走ったかのように背筋をピンと張り詰めた。

「はじめまして……!? あ、あれ? どこかで見た、かな……。
 もちろんです! こちらがリストになります!! え? リストが御気に召さないです、か?」

 姿勢をただしリストの紙をどうだと掲げようとしたが、手で制止を食らいきょとんとする。
 そうして、されるがまま顎を指で持ち上げられる。

「…………………? ………?? ………!? えっ、えぇぇぇ! えっ、ひぇぇぇ!?」

 ガタン。席を立つと、素っ頓狂な声を上げて後退し、胸元を押さえて男と地面に視線を行ったりきたり。

「………ハイ。ワタシデヨケレバ……」

 緊張しすぎて棒読みになりつつ、俯き加減に頷いた。

ルヴィエラ > (つまり、事務専任で無いと言うのなら、そう言う事なのだろう
物好き、と言われれば、のんびりと笑いながら言外に肯定
館主の許可さえ得られるのなら、後は堂々と、娘を指名させて貰おう。

矢張り、己の事は真っ当に覚えていないらしき娘の
それはもう、生娘の様な――いや、この娘ならば在り得る事だが――反応に。)

「――――――……良し、では行こうか。
その前に、君の名前を教えてくれるかな? 嗚呼、案内しながらで構わないよ
出来れば、ゆっくりと寛げる良い部屋を御願いしたいのだが。」

(満足げに、受付のカウンターを回り込み、再び彼女へと近づいて
其の腰元を、片腕で軽く引き寄せたなら、まるで、エスコートするように店の奥へと促そうか。
勝手に進むのではなく、あくまで案内自体は娘に任せはするが
相手の挙動不審ぶりが、或いは余裕の無さが、足を止めてしまう前に
あっさりと、連れて行ってしまおうと

具体的な要望としては、館の中でも良い部屋
そして、場合によっては長時間占有できる場所。
其れは、すなわち彼女を、其れなりに長い間
買う事になるやも知れぬ可能性を示すものだけれど
さて、其の辺りに気付く余裕までは、あるだろうか)。

ノト >  男の希望が通っているらしいことは、スイートルームの許可が下りたことで理解できた。
 この男、どうやらよほど羽振りがいいのか、地位が高いらしい。一介の事務員(と本人は思っている)にはたどり着けない高い位置にあるらしかった。

「で、でしたら、案内しますぅぅぅ………。
 ノト、ノトです! あの、名前………」

 もはや言葉というより単語を言っているだけに近かった。
 男に寄り添われ、スイートルームの鍵を受け取って案内する。
 何やら道行く娼婦に嫉妬の目で見られたが、そんなことはどうでもよかった。緊張しすぎて足と腕が両方同じ側が前に出るくらいだった。
 スイートルーム。宿泊も可能な、館で一番上等な部屋。そこの鍵を開けて、中に男を通す。

「こちらがスイートルームでございます………。
 あ、あの、ご指名でしたよね! がんばって、がんばりますね!
 え、えと、えへへへへ……」

 とりあえずごまかし笑いをして、部屋の入り口で気まずそうに立ち尽くす。
 どうしていいのかわからないらしい。

ルヴィエラ > (上等な部屋を要望した理由は他にも在った
大抵、そういった部屋は防音も確りして居る
其れは、恐らくは些細な事で怯えて仕舞いそうな女が
僅かでも、目の前の相手にだけ集中出来る様に、と。

部屋の鍵が開かれ、中へと通されれば、身に着けていた上着を掛ける
背後にて、相変わらず落ち着かない様子ながらも
少なくとも心意気と言葉の上では、やる気を見せている相手に
ふ、と微笑み、自らのシャツを、ボタンを外して緩めながら。)

「―――――……先ずは、相手を良く見て御覧?
相手が、自分に何を求めているのかを考える事が、まずは大切なのだからね。
其の為には観察だ、俯いて居ては、相手の顔も覚えられない。

そして――深呼吸だ。」

(燕尾服の飾りを一通り外し終え、寝台の上へと腰を降ろす
立ち尽くす女に、まず、娼婦としてだけではなく、何よりも
客商売に大事な心構えを伝えては、そっと、己が元へと手招きして。)

「―――……鍵を掛けて、私の前へ。
自分で服を脱いで御覧、嗚呼、それと…隠さない様に。」

(其れはまるで助け船、なすべきことを思いつかない彼女への、要求。
声音はあくまで、のんびりと、穏やかに。 彼女の緊張が、僅かでも解れる様に
じっと、静かに待って見よう)。

ノト >  いきなり男が脱衣を始めると、ああ始まってしまったのだなという気分が起こる。そう、以前仕事で盛大にしくじってしまった時の記憶がよぎってくるのだ。
 あの時はひどかった。酷すぎて事務員(本人はそう思っている)になったくらいである。

「は、はひ……なにをもとめているのか、ですか……?
 はぁ、はぁ、はぁ、求めるんですね、なにかを……」

 深呼吸の意味を履き違えている。
 荒い呼吸をしつつ、相手のことを凝視する。
 致命的に娼婦には向いていない女である。奥ゆかしさもなければ、エロティックな素振りなどできるはずが無く。
 男に手招きされると、やはりはぁはぁしながら一歩前に出る。そして、鍵をかけて、大きく頷いた。

「かっ、かく…………わかりました!」

 隠してはいけないらしい。
 女は早速ネクタイを緩め、上着を脱いだ。ぷちぷちとボタンを開けて、シャツの前を開ける。白いもっちりとした肌に映える黒いレース刺繍の下着が、たわわな果実を包んでいる。それも取ると、たゆんと柔肉がまろびでる。
 次に、ベルトを緩めてズボンを落とす。そして、顔を真っ赤にしながら、ショーツも下に落として。

「………」

 隠さないでと言われたことを守り、所在なさげに腹部に腕を添えて、俯き加減に男を見つめていた。

ルヴィエラ > (―――緊張が過ぎる。
深呼吸するのは良いのだが、其れは落ち着こうと言う意味合いで在り
余りそれを繰り返しすぎると、恐らく、逆に失神しかねない。

此れは重症だね、なぞと小さく呟いたのは、果たして彼女に届いたろうか
何れにしても、兎も角――己が言葉に従う事は出来る彼女が、自らの衣服を脱ぎ落して行くなら
――目前に晒された、其の白い裸身へと、掌を伸ばして。)

「――――……ノト。」

(一言、彼女の名を呼ぶ。
そうして、其の目を見上げ、視線を重ねながら
掌を、女の其の、下腹へと静かに重ねては、ゆるりと撫ぜて。)

「―――……先ずは、落ち着いて御覧。
ゆっくりと息を吸って……そしてゆっくりと吐く。」

(深呼吸の仕方から教える様に、言葉の速度で、彼女の呼吸を誘導する様に。
彼女の中で、全速力で稼働し続ける心臓みたいな緊張を、ゆっくりと緩めて遣ろうとしながら。
――触れる下腹の奥を、ゆったりと揺らして行く。

そうして――もし、彼女の緊張が、多少なりと緩和された気配が有れば
ふと、掌で触れていた下腹へ、今度は顔を静かに寄せて――口付けを

其の瞬間、ちろりと触れる舌先が、女の肌を僅かに濡らし
――其れが、じわりと、娘の身体に時間を掛けて、熱を齎して行く
媚薬に等しい己が体液は、人間の娘でも等しく染まる
其れが、混血であるならば尚更に、胎の奥が、ゆっくりと、疼きを呼び起こして行くだろう、が)。

ノト > 【中断します】
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からルヴィエラさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からノトさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にブレイドさんが現れました。
ブレイド > 薄暗い貧民地区。今宵は雨。
さぁ…と、小さな雨粒が降りしきる。
小雨ではないが、雨粒がそれほど大きくないおかげでフード付きのマントでも防げる程度。
雨の日は人通りも少ないが、こういう日だからこそ開く店やそとにでる者もいる。
貧民地区では特に。
そのため、裏通りをあるいていても、人が全くいないということはない。
数人の影がチラホラと見える。
自分はと言えば、そのような人々や商売などとは関係なく依頼の帰り。
宿や食事処を探しているだけ。

ブレイド > とはいえ、自分の見た目はあからさまに怪しい。
フード付きのマントで雨の中をうろつく目つきの悪い男。
故に数人の客引きや売人などに視線を向けられるが…
雨粒とともにシッシと払う身振りをすれば問題なく相手も引く。

自分とは違う…そういう目的の人間は、そこらの建物の軒下で取引をしたり
女をあてがわれ、どこかしらへと去っていく。
このあたりでは日常的…雨の日はそういう輩も目立つと言うだけで。

「はらへったな…」

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からブレイドさんが去りました。