2020/03/03 のログ
ヴェルソート > (歌声は、静かに裏路地に響き……夜がじんわりと更けていく…。)
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/裏路地」からヴェルソートさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にティアフェルさんが現れました。
ティアフェル > 「待てー! どっこまで行くのよー!! 
 もぉ! このっ…!!」

 昼間でも薄暗さを感じる、うらぶれた場所にはどこか似つかわしくないような騒がしい声。
 そして追いかける足音と逃げる小さな足音。
 待てと云って待つ奴は人間にだってそういない。
 ――動物ならばなおのこと。それでもついつい云ってしまうのは、黙って追っかけていられないのは、何故だろうか。

 基本二次元移動しかできない己に対してしなやか自在に三次元移動して翻弄しているのは――赤い首輪を着けた白い猫。

「冒、険者の、仕事、じゃ、ない、わよね…!」

 本日受けた依頼は猫探し。町中探し回って目撃証言を得てとうとうこんなところまで来て――ようやく見つけたそいつと取りものとなった。

ティアフェル >  すばしっこい猫はなかなか捕まらない。それでも家猫なせいか野良猫よりは動きが鈍く。どうにか撒かれずに済んでいる。
 人気のない路地をひた走りながら、まるで追いかけっこをして遊んでいる、というようなつかず離れず微妙な距離にいる真白い尾っぽを追い。

 そして、猫の走って行く先に人影が見えれば思わず叫んだ。

「その猫捕まえてー!!」

ティアフェル >  ――そして、首尾よく通行人に捕まえてもらえたなら無事に迷い猫を捕獲して飼い主へと引き渡せただろう。

「冒険者の仕事じゃないよーな気がするけど……ま、いっか」

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からティアフェルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にカーレルさんが現れました。
カーレル > ベッドの上の女の温もりをほんの少し名残惜しく感じながら、衣服に袖を通せば挨拶もなく平民地区の宿を後にする
外気の冷たさにぶるりと身体を震わせるが、懐から取り出した煙草が短くなる間にどうでも良くなった
一度の熱情も事が済んでしまえば、どうしてあんなになっていたのだろう、と冷静に思えてしまうから
人間というのは不思議なもんである

貧民地区へ入ってしばらく水路に掛かった橋のあたりまで来ると、欄干に寄りかかって煙草をまた1本咥えた
この辺りは昼間、浮浪児だとか爺さんたちが水路に入ってくる小さな魚を捕ったり、釣ったりしている場所で
そのお零れに与ろうと野良猫が多い…今もぼんやりと水面を眺めながら紫煙を吐き出していると、
足の辺りをやけに人懐こい野良猫が身体を寄せて懐いてくる

「お前に上げられるようなものはなーんも持ってない」

そう足元に視線をくれて呟くも当然、通じるはずもなく
琥珀色の瞳でじーっ、と此方を見上げながら不思議そうな顔をしているものだから、
猫好きとしては抱き上げずにはいられなかった
猫の方はと言えば、まずった、しくじった、とでも言わんばかりに暴れて逃げようとするのだけども、
こちとら扱いには慣れている…人間であったりを扱うより余程、簡単であった

「…うへへ、さてどうしてやろうか?
 シチューにでもしてやろうか…なんてな。お前の温もりだけを頂くとしよう」

幅のある橋の欄干に両手で抱きながら乗せつつ、毛並みに沿って背を撫でる
怖がって身動きがとれないんだか、それとも観念したのか猫は大人しくなり、その様子に
そんなんじゃあ、ここいらじゃ生き残れないぞ、と苦笑しつつ煙草の煙をふわり、と吐き出した

カーレル > 煙草が短くなれば抱き上げた猫を開放して
軽く伸びをしてから貧民地区の更に奥の方へ消えていった―――

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からカーレルさんが去りました。