2020/02/29 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からネコさんが去りました。
■スミデー > <<後日継続致します>>
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からスミデーさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にシスター・マルレーンさんが現れました。
■シスター・マルレーン > 一瞬、クラッとした。
「………これは………。」
修道服で口元を覆って、夜の薄暗い路地裏を歩く。
彼女はシスター兼任の冒険者。教会からの依頼と、冒険者ギルドからの依頼を両立する(ことを命じられている)女だ。
長い金髪をフードに。割とそこそこレベルで人目を引く身体のラインを分厚い修道服とその中のチェインメイルに隠し、今日も今日とて夜もお仕事。
今宵のお仕事は………いわゆる、薬の関係だ。
この路地からは濃厚なそれの匂いがしている。
最初に嗅いだ時に、目がチカチカした。
■シスター・マルレーン > 「しかし、………これ、一人でやらせますかね、普通。」
以前薬物を追いかけた時は、見事に返り討ちにあって身体に入れられて大変な目に遭った。
そうでなくても、こういう犯罪で狙われるのは女性だ。
おとり捜査じゃないんですから。これ試練のバリエーションって話じゃないですよもう。
もっと言えば、薬の匂いの立ち込める路地裏で一人うろつく修道服。
目立ちすぎる。
「…………求めてうろついてるように見えますかねこれ。」
ははは、と笑って遠い目をする。した。
あんまり長時間いたくない場所だ。 売っている人間を早々に見つけないと。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にリムリアさんが現れました。
■リムリア > 夜もそろそろ更けようかという時間帯
そのうえ場所は貧民地区の路地の奥―――
たったふたつのキーワードが重なるだけで、これほど物騒なこともないだろう。
しかも路地裏に一歩足を踏み入れただけで、鼻に突いた匂いはとても良いとは思えず。
「これは……想像以上っていうか……できれば帰りたいんだけど……」
依頼品の納入先がこの路地の奥という話なのだけれど。
胡散臭いを通り越して、危険な香りしかしない。
けれども確たる証拠もなく依頼を放棄するわけにもいかずに頭を抱えてしまい。
とりあえずもう少し奥を覗いてみようかと、曲がり角までやってくる。
その向こうに、うつろな表情を浮かべたシスターが彷徨っているなんて思いもせずに。
「きゃっ!? ―――って、マルレーンさん?
こんなところで、何して……?」
■シスター・マルレーン > 「ひゃっ!?」
曲がり角での突然のことに、こっちも思わず声が出てしまう。
流石に悲鳴をあげかけて、必死に自分の口を塞いで。
「………な、何しにきてるんですか。 こんなところに。
ここ、めちゃくちゃ危ない場所ですよ!」
ひそひそ会話で相手に突っ込みを入れつつ。
……はっ、と何か気が付いたように。
「………ここにはどんな要件です? いやいや、でも、まさか違いますよね。
ここ、危ないものを販売とか使用されてる路地ですよ。
……私は、捕まえに来ただけなんですけど。」
お互いに、お互いを疑いかねないこの状況だ。
■リムリア > 危うくぶつかりそうになった相手は、こんな裏路地では珍しいシスターだった。
互いに悲鳴を上げかけて、けれども見知った相手だった故に、それもすぐに収まる。
「う…、まぁ、そんな気は薄々どころか、ビシバシ感じてるんですけど…」
おでこがぶつかりそうなほどに顔を寄せられての内緒話。
小声ながらも叱責するような突っ込みに、それは重々理解はしていますとばかりに、小さくなる。
「私は依頼品を代わりに納品してきてくれって、頼まれちゃって……
ここのシスターさんはいつから、衛兵業務を兼務するようになったんですか?」
犯罪者を掴まえるのは、衛兵とか兵士の仕事だろう。
間違ってもシスターの仕事ではないはず。
怪訝そうな表情をしつつも、押し付けられた依頼品の入った小さな木箱を見せてみる。
中身は見るなということだったけれど、怪しさは真っ黒どころの話ではなく。
「というか、じゃあ、やっぱりこれって……」
■シスター・マルレーン > 「以前は薬打たれましたよ。あとちょっとで私が奴隷市場行きでしたからね。」
マジな顔で注意をする。普段よりもさらに本気の顔はする。
正直、マジな話で命の危機もありうる場所で。
「いやまあ、教会の方でも信者さんに広がっている事実もあるんで……
それぞれ、情報を得られた時に動いちゃったりするんですよね。
でまあ、結局私なんですけど。」
衛兵の仕事だと言われれば、その通りだな、と思ってとほほと肩を落とす。
ただ、相手が持ち出してきた木箱を見れば、顔をしかめて。
「………わかりました、どこに納品する予定なんですか?
あと、どなたに頼まれました?
私が行ってきましょう。」
危険は慣れっこだ。むしろ、目の前の少女には危険が過ぎる。
■リムリア > さらりと告げられる危険度にゾッとする。
いや、この区画でなら、そんな話はごろごろといくらでも転がっている。
それは理解はしているものの、目の前でそうやって聞かされるとなるとまた別で。
「いくら信者の方に広がってるからって……
ひとりきりで捕まえに行くものじゃないでしょう…っ」
相手がひとりならまだしも、どう考えても組織相手にひとりというのは頭がおかしいとしか言えない。
思わず口を突いて出た言葉がキツイものになってしまう。
確かに目の前のシスターは腕は立つのかもしれないけれど、それでもあまりに理不尽で。
「この路地の奥って話です。
話を持ってきたのは、最近ギルドに登録したばかりの冒険者さんなんですけど……
だから、マルレーンさんがひとりでやる仕事じゃないですってば…!」
何が私が持っていきましょう、なのか。
理不尽をあまりにあっさりと受け止めている相手にきつい視線を向けると、
手にした木箱をローブの内側に仕舞い込む。
危険と分かっていて、ひとりで行かせるわけがないでしょうと。
■シスター・マルレーン > 「と思うじゃないですか。」
ははは、と乾いた笑いを浮かべて。
「いやー、一人で森を切り開いて開墾しなさいとか。
遺跡に行って調査をしなさいとか。
ふふふ、一人で何でもやれるように教育されているんですよ……」
ふふふ……、と笑ってそんなことを呟いて。
ころころと笑いながら、ぽんぽんと肩を叩く。
「大丈夫ですよ、私は結果として危ない物だというなら、攻撃しなきゃいけませんしね。
その時にその荷物を貴方が持っていたら、貴方こそ攻撃しなければいけなくなります。
なーに、私からすればいつものこと、なんですけど。」
何か怒っている気配がある。ありゃー、と頬をぽりぽりと掻いて。
だ、大丈夫ですよ? なんて、ちょっと首を傾げてみる。
■リムリア > それは教育じゃなくて、洗脳とか躾というんじゃないだろうか。
笑って済む話じゃないと、相手に向ける視線の温度はさらに低くなる。
「開墾とか調査とは、全然レベルが違う話だと思いますけど…?」
肩を叩かれれば、疲れ切ったようなため息を吐き。
彼女に怒っても仕方がないと、気を取り直す。
「と・に・か・く……これをマルレーンさんに渡して、さよならってわけにはいきません。
渡しても良いですけれど、私も付いていきますからね?」
攻撃とか何とか。そんなのは詭弁でしかない。
納得できる説明もないのなら、自分もしたいようにするだけ。
いつものこと、なんて付け加えようものなら、再び視線がきつくなるか。
「ほら、捕まえに行くんだったら早くしないと逃げられますよ。
それにこういうのはひとりよりも、ふたりの方が良いに決まってるじゃないですか。」
自分が囮役を買って出れば、絶対に反対しそうだから口にはしない。
けれど、仮にサポートに徹するにしても、自分のような駆け出しでもいるといないでは大違いだろうと。
■シスター・マルレーン > 「う。………いやまあ、分かりました。」
相手の言葉に気圧されるように、頷く。基本的に気圧されるってことあんまりないんですけど。
自分の当たり前は他人の当たり前では無かった。
あはは、と少しだけ苦笑いを浮かべながら。
「そう、ですかね。………でも、本当に危ない時は逃げてくださいよ?」
囁く。どう考えても罠だと思うからこそだが。
棍を納めて、一息ついて。 さて、と路地裏の奥、建物を眺めて、その奥にいるであろう受取人を探す。
そんな二人の視線の先、ではなくその横。 隣の建物の二階から、吹き矢を持った人間が一人。
ターゲットは一人と聞いていたが二人になったことに困惑をしつつも、ふ、っと吹き矢を放ってくる。
どちらに向かうかはその場の動き次第で。
■リムリア > どうやら納得してくれたらしい様子に、ほっと肩の力を抜いた。
いやだって、どう考えても力不足の駆け出しを連れていくメリットは少ないわけだから。
正論で向かってこられると、押し通せる自信はなかったという胸の内は隠したまま。
「はい、それはもちろん。
というか、その時はマルレーンさんも一緒に逃げますよ?」
一蓮托生です、と笑みを浮かべて返事を返す。
相手の視線にこちらも路地の奥へと視線を向ける。
聞いた話では、路地奥のぼろ屋が受け渡し場所だということ。
似たような廃墟ばかりだから、これだと自信を持って言えるようなものではない。
一番可能性の高そうなぼろ小屋を慎重に窺いつつ。
「たぶん、あれだと思うんですけど……
―――っ!?」
どうします? と荒事には慣れているらしい相手の判断を仰ぐ。
振り返ったその視界の先に、何かが動いたのが見えた気がして。
咄嗟のことに障壁の魔法を使う暇もなかった。
ぐいっと傍の彼女の腕を掴んで引き寄せる。
非力ではあるけれど、一歩分くらいこちらに身体を寄せることはできただろう。
そしてその掴んだ腕を軸に、その分だけ自分の身体を前へと移動させ――
■シスター・マルレーン > 「そうしましょうか。
私、実はそこまで足は速くないんですよね。」
ははー、っと笑う。ずっしりと構えて戦う、重戦士みたいな女である。
ふふ、と笑みを浮かべながらウィンクを一つして。
その上で、奥をじ、っと眺めて棍を取り出そうとする。
いざ、待ち構えているならそこだろう、と思っていたところで。
「っ!?」
ぐい、っと一気に引っ張られれば、バランスを崩してその場に倒れ。
代わりにと前に出た彼女の背に、ちくりと痛みが走るだろう。
それが先ほど言っていた「撃たれた」であると理解はすぐにできるだろうか。
痛みは一瞬。むしろふんわりとした高揚感と酩酊感が襲ってきて。
「だ、大丈夫ですかっ!」
慌てて駆け寄って、しっかりと抱き留める。
二射目を受けないよう、物陰に引っ張り込んで。