2020/02/08 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にイグナスさんが現れました。
イグナス > 貧民地区の図書館――普通ならそんなところ、立ち入る人間も少ない。
実際そこは薄暗く、司書だってまともにいないような空間だ。
が、案外こういうところの方が面白い…普通はお目に掛かれない本もあるというもので。

「ん、………く、ぁ。」

もうどれくらいいるだろうか。採光窓から漏れる光を頼りに、大男が本を読んでいた。
書庫の一角、無造作に本を積み上げて、読み漁っている。
その速度は中々のものだった、ぱら、ぱらとまるで読んでないようにめくられている。
よほど集中していて、だからこそ、ぐらぐらと周りの本が今にも崩れて落ちてきそうになっているのには、気付いていなかったが。

イグナス > さて、結果としてどうなったか。どちらにしろまだしばらく、本を読んで過ごしたのだろう――
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からイグナスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にセイン=ディバンさんが現れました。
セイン=ディバン > 貧民地区の酒場は、イコール、治安が悪い……。
などとは限らない。中には、静かに酒を楽しむ。
そんな店だってあるにはあるのだ。

「……ん~。やはりモルトはライザントに限る」

男がいる店も、そんな店だった。
店内には、客は数人程度。本当に微かに流れる音楽は、ピアノの生演奏。
酒の種類は豊富であり。男は、こういった静かな酒場、静かなバーのお気に入りの店をストックしていて。
ここはその一店舗である。

「……はぁ。美味い酒ってのは。
 人生を変えるねぇ」

かふっ、と呼気にアルコールを混ぜつつ。男はモルトを流し込む。
ツマミなどいらない。ただ酒を楽しむがために酒を飲むという贅沢。

「……とはいえ。隣に美女がいてくれれば。
 より最高なんだがねぇ」

男は、口癖の一つを漏らしつつ、くいくいとモルトを飲む。
深い味わいに、目を細め。流れる音楽に心地よさを覚える。

セイン=ディバン > 男は、静かに酒を味わい、至福の時を楽しんだ……。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からセイン=ディバンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にカイロンさんが現れました。
カイロン > 陽が落ちて久しい貧民街の一角。
なわばりを争っているのか恋の鞘当てか、高く叫んだ野良猫が逃げ込んだ路地へ無目的にふらりと立ち入ったまま暫く経つ。

「珍しくも」

迷ってしまった。
夜の暗さと、不規則に並ぶ明かりが街並みを変えて見せているようだ。

心当たりもない路地の裏、街へ通じる道か一旦立ち寄る場所を求めて長身の男は思案している。

カイロン > 目を閉じ、他の感覚へ意識を集中させる。
──どこかで遅い夕餉を炊く匂い。
ひとつ先の区画だろうか、何やらそこに明るそうな空気を感じる。

目を開き、その方角へぽっくりぽっくりと歩き出してどこかへ。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からカイロンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にイグナスさんが現れました。
イグナス > 続、貧民地区の図書館。
結局真っ暗になるまで、大男はそこで本を読み続けていた。
周りには山のように並んで、日光はなくなって、代わりにランプの明かり。

ぱら、とめくる音の後に、ぱたん。今度は閉まった。

「ん、……ぐ、ぅ。」

ぐいい、と背伸び。どれだけここにいたってことも、ない。
今更気付いたように、周囲を見回した。くらい。

「今、…何時だ、おい。」

腹の虫もぐうぐうと鳴いている、ええい、うるさい。