2020/02/04 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にシスター・マルレーンさんが現れました。
シスター・マルレーン > 珍しく、ぷくりとむくれる修道女。
どんな依頼でも大変そうにしつつもこなす彼女が、珍しく不満げにしながら夜の路地を歩く。
ランタンを片手に路地を照らしつつ、指定された場所を巡回する。

犯罪の温床だった空き家やら、盗みの被害が多い倉庫やら。
様々な場所を照らして、異常が無いことを確認して。

棍を手にしながら、ゆっくり一つ一つ確認し、また地図とランタンを手に歩き始める。

シスター・マルレーン > 怒っている理由はとても分かりやすい。

その1、雪がちらちらと舞う夜であること。
ひたすら寒い。元々痛みのある指先であるが、まーた感覚がなくなってきている。
まあ、これに関しては天候だから仕方ない。 仕方ないのだ。

その2、彼女が風呂上りであること。
ほこほこと湯気が出て、少ししっとりと濡れた金髪がその証。
流石にもうこれで終わりだー、とオフの気分だったところに舞い込んだお仕事に、溜息も出るというもの。

そして何より、お風呂上りに雪の夜道を歩いてこいとか、人の心が無いとしか思えない。
ぶるり、っと僅かに震えながら、夜道を歩く。


ここが治安の悪い場所であることは不機嫌の理由に入っていない。いつものことだ。

シスター・マルレーン > 「………折角久々のゆっくりとしたお風呂だったんですけどねー。」

とほほ、と肩を落とす。
じっくり身体を温める機会も少ない彼女である。
湯気が出るくらいにゆっくり浸かれば、身体の疲れもすっかり滲み出て。
後は寝るだけ、といった準備に身体が入っていたわけで。

ふぁ。

欠伸をちっちゃく漏らしながら、夜道を歩く。

「………っと、緊張、緊張。」

頬をぺちん、と自分で叩きながら、巡回を続ける修道女。一人で巡回をするには異端な格好ではあるものの。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にブレイドさんが現れました。
ブレイド > 「……この辺、まだ使えそうだな…」

今日も新居探しに勤しむ冒険者。
新たな家を買うというのもありなのだが、それはそれとして
貧民地区にもセーフハウスの一つくらいほしいものだ。
なんだかんだでミレーである自分も暮らしやすい。
実際前暮らしていたときはだいぶ過ごしやすかった気がする。
隙間風など気にしなければ。
そして今見つけたこの廃屋。
少しばかり床はきしむが、なかなかの良物件かもしれない。

「(先客は……いねぇな?)」

シスター・マルレーン > 「はーい、誰もいませんかー。 いませんねー。」

ざくざくと廃屋を見回る女。
雑そうではあれど、しっかりと照らして見て回り。
声をかければかけたで、その後一瞬押し黙って反応、空気の揺れを感じ取る。

流石に熟練冒険者である。
流石に闘技場に血の雨(自分のも含む)を降らせた女である。
はっはっは。

「………と。 ……誰かいますかー。」

廃屋の三つめ。質問の内容が変わる。
床のきしむ音が聞こえた気がして、棍が明るく輝きを増して。

ブレイド > 先客はいなかった。
ならば自分がそれになる可能性は?
もちろんゼロではなく、今まさにそうなりそうな気配だ。
足音。
しっかりとした歩調。
酔っ払いや浮浪者がフラフラと寝床をさがしてといった感じではない。
少し警戒の度合いを高め扉の方に視線を向ける。
そして響く声は女のもの。
いや、聞いた声だ。

「入ってるぜ」

短く答える。

シスター・マルレーン > 「はーい、ここは廃屋ですから、出てった方がいいです、よ、っと。」

扉を棍で開きながら、ずい、っと前に出てくる女。
指の怪我や寒さによる不調は置いといて、弱みを見せぬいつもの彼女。

「……………あら。」

声だけでは分からなかったのか、相手の顔を輝く棍で照らして、間の抜けた声を漏らし。

「……何してるんです?」

きょとん、と首を傾げる修道女。

ブレイド > 「廃屋だから丁度いいんだろうが」

やや呆れつつ声の方…
シスターの方を見つめれば、棍でてらされる。
魔力だか奇跡だかの光はやや眩しい。
光に顔をしかめつつも、ひらりと手を振り。

「ちけぇよ、眩しいったらねぇって」

軽く目の前から棍を手のひらで押して、ようやく肩の力を抜く。

「あー…なにって、そりゃ…家探し」

いえさがし、である。やさがしではない。

シスター・マルレーン > 光を消せば、よいしょ、とこちらも肩の力を抜いて、こん、と地面にかるくついて杖のように使いつつ。
同じようにランタンを隣に置いて。

「家探し、ですか。
 ………ここは危ないですよー。 教会の息がかかった家ですから。」

ぽそりとつぶやきながら、肩をこきこきと鳴らして。

「ここいらに他の場所から連れてきた信徒をひとまず住まわせたりするみたいです。
 ほら、教会の工事にやってきた人とか。」

そういう人に与える家としては、ちょっとみすぼらしすぎる家ではあるのだけれど。
そこまで文句を言ってしまえば、文句なんぞ底無しだ。
小さく溜息をつきながら、首を横に振って。

「ですから、こうやって関係者が見回りに来るんです。」

ブレイド > 「そりゃ残念だ。先約済みかよ」

事情を聞けば肩を落とし。
彼女もこちらのフードの下のことなどはしっている。
だからこその忠告なのだろう。
教会のシスターである彼女…そして小間使いとして使われているのは相変わらずのようで
その様子に眉をひそめる。

「その様子じゃ、まだ独立できてねーみたいだな。
久々にあってみりゃ、仕草が老け込んじまって」

全身にガタが来ているかのようだ。

シスター・マルレーン > 「そゆことです。
 そういった場所に住みたいなら、………あえて兵舎の傍とかがいいと思いますよ。

 あそこにいる人は割と理解を示してくれますし。
 それに、どうやらこういった仕事をしても報酬は出ないそうなので。」

自然と声を出しながら、相手の言葉ににひ、と笑う。

「ああ、ちょっとばかりその、怪我を?
 しかも聞いてくださいよ、今日なんてお風呂入った後に見回りに行けって言うんですよ。

 老け込んだんじゃなくて、どう考えても身体にガタが来る環境が整ってるんです!」

老け込んだことに関しては全力否定をする。ちーがーいーまーす!

ブレイド > 「兵舎ぁ?この辺の兵士の連中の質が上がったってならいいけどな
そうじゃねぇなら不意の事故とかは避けてぇんだが…
ま、すこしみてくるか。丁度いい空き家がありゃいいんだけどよ」

笑う彼女の姿を見れば、少し安心したようで。
それでも怪我なんかをしたと言っているあたり、危険な仕事を押し付けられているのは変わりなくなのは間違いなさそうだ。
いや、以前以上に雑に扱われているのではなかろうか?

「あんたが怪我?まぁ、いつかするとは思ったけどよ…後引いてんのか?
しかも風呂の後に雪までちらついてるってのに…ご愁傷さま。
体動かなくなると、すぐらしいからな。顔に出るの」

ほうれい線やらシワやら。

シスター・マルレーン > 「ほとんど兵舎って言いつつ、揉め事があればそっちに向かうだけですからね。
 ここで揉め事が一個も起きない日があれば怪しいかもしれませんけど?」

なんて、ころりと笑う。

「………あー、まあ、私ですから。 ある程度の怪我はゆっくりしてれば人の何倍も早く治ります。
 それがゴーレムのパンチを受けまして、こう、身体が浮いて飛んでくるくるーって。
 その後武器を使ったんですけど拳でガンガン殴ったらちょっと指が大変なことに。」

明るく表現しながらの限界バトル。
久しぶりに死んだと思いましたよ、なんて嘆息しながらも軽く口にする。はっはっは。

「………でーまーせーんー! 帰ったらもっかい入って寝ます。」

頬を押さえながら、むぅ、と膨れる。すっかり指も身体も冷えてしまった。
しっとりと湿っていた髪は少し凍っているほどだ。

ブレイド > 「そりゃちがいねぇか。シスターですら毎日駆け回ってんだしな」

あんたみたいになと、軽口を叩く。

「逆にアンタで良かったな、それ…オレだったらひき肉になってるんじゃねぇか?それ…
つか、その腕そんなことすりゃ…ってか、指、治ってんのか?」

苦労を苦労とも思わない…いや、思ってはいるが笑い話にしようとするのが悪いところだ。
笑っちゃいるが、おそらくはけっこう大変なことになっていたのだろう。
つい最近まで。

「それがいい。オレは…どうするかな。この辺に泊まれねーとなると
つか、髪」

彼女の髪に手を伸ばし、薄く貼った氷を払うように。

シスター・マルレーン > 「私は毎日って言ってもそうでもないですけど。
 ゴーレムに負けたから仕事量増えたんですよ、もー。」

軽口に軽口を返しながら。肩を少しだけ竦めて。

「治ってると思えば治ってます。
 昨日は土掘ってくる仕事だったので昨日より今はマシです。
 いやまあ、痛みはありますけども。」

言いながら遠い目をした。あははー、と笑う笑顔は乾いていた。
ま、それはともかく、とぺちりと頬を叩いて。

「……あ、ありがとうございます。
 私のことはいいとして、そちらは大丈夫なんですか? 泊まるところも無いとか?」

はて、と首を傾げて相手に話を振ってみる。

ブレイド > 「はぁ?負けたのに仕事が増えるのかよ…どういうシステムなんだそりゃ…
怪我人は寝かせておけって教えねぇのか?教会じゃぁよ」

彼女の返答には眉をしかめ
信じられないと言った風情で返す。

「痛みがあるなら治ってねぇだろうが。
そういうとこだぜ?あんたさ…
言ってもしかたねーことだろうけどよ」

何を言ったところで結局は突き進むのがこのシスター。
無理をするな、休めなどとは言うだけ無駄だ。

「んー、この時間に受け入れてくれる宿があるってならなんとかなるけどな。
そうじゃねぇなら、泊まるとこはねぇな。
神の施しとやらに期待するのも悪かねー」

とんとんと、廃屋の床を踏みしめて。

シスター・マルレーン > 「勝て、って依頼だったので。依頼失敗ですからね。
 ま………。……いえ、何でもないです。」

てへ、と舌を出して。
どうせ身内ではないですからね、と言いかけて、言葉を止める。 それを言ってしまうと帰る場所も無くなってしまう。 ウソでも本当でも、なんだかとても寂しくなって。

「ふふーん、今はもうほぼほぼ大丈夫ですからね。
 ばっちりです。

 それでも、荒事の解決に直接向かわせられないだけありがたいですけどね。」

こぶしを軽く握って、軽く話して。

「…………えー、それって何ですか。
 私は神じゃなくて使いですから施しも何も。」

ジト目になりながら肩を竦めて。

「………その1、今日は何も見つからなかった、と報告をする。おそらく次の巡回は三日後です。
 その2、一緒に今から宿を探す。まあ、知り合いのツテを辿ればどっかは見つかるでしょうけど。
 その3、私が知っている教会に連れていく。誰だとか気にすることも無いでしょうし。」

そこまでいって、はー、っと溜息。

「私の宿は狭いんですってば。」

その4も少しだけ提示した。

ブレイド > 「それにしたって使い方がなっちゃねーってことだ。
それで済むってのはそれこそ…オレたちみてーな使い捨てくらいなもんだ」

金の代わりに怪我は自己責任。
それが冒険者だ。
同じ組織の人間…、使いまわそうという人材に行う仕打ちではない。
が、彼女が何でも無いというのなら、自分が言うことではないのだろう。

「ま、そういうことならいい。
その分雑に扱われてるみてーだけどな。
老けるのは冗談だがよ、凍って白髪になっちまうぜ…まったくよ」

それをありがたいというのもどうかと思うが。

「ふーん…あんたがすぐに風呂に入れるような選択肢は?」

シスター・マルレーン > 「そうですよねー、まあ、そろそろ使い捨ての時期なのかもしれませんねー。
 そうそうそこらのゴミ箱に入りませんけどね。」

ぺろ、と舌を出して、ついつい本音が漏れる。
言いながら、首を横に振って。

「言い過ぎましたね。気にしないでください。
 私は使い捨てなんて無いと思っていますよ。
 ふふ、凍っちゃってますか。 もうここまで来たら早いも遅いも変わらないですよ。」

かっかっか、と笑って腰に手を当てる。
出会った頃よりか幾分か心も強くなっているようだ。見たところ、は。

「………すぐにですかー。 あんまり無い気もしますけどね。
 とりあえず、一緒に宿を探すなら、もう1時間くらいはかかると思いますよ。」

凍っているのなら、と自分の髪を撫でる。ひゃあ、冷たい。

ブレイド > 「いっそさっさと捨ててくれたほうがオレとしては気楽だけどな。
ゴミ箱のもんなら拾っても誰にも文句は言われねーし」

なるほど。
ついに教会のほうがしびれを切らしたと言うか…彼女の扱いづらさに折れたと言うか…。
教会の思い通りになるような女ではないと判断したのか。

「元気なだけのバーさんは始末にわりーから
老けるならもうちょっと心の方もしょぼくれてからにしてくれよ」

どこか乾いた笑いに、こちらも力なく笑みをみせて。

「時間かからねぇ宿もあるみたいな言い方してたじゃねぇか。
狭いらしいけどよ」

彼女に嘘をつかせた場合、それがバレればさらに立場が悪くなるだろうし
自分の存在をしられたら、彼女に責任を持って排除させるかもしれない。
一時間かかる宿探しはできれば避けたい。
教会は、リスク回避を考えれば遠慮したいところだ。

シスター・マルレーン > 「にひひ、まあ、捨てる時にゃ大仕事もありますし。
 何にしろ、私は変わりませんから。
 困っている人がいて、自分の力が何かの役に立つならがんばるだけ。」

歯の浮くようなセリフであれど、彼女の根本はそうなのだろう。
胸の前で手を組んで、本気で祈りの言葉を吐く。
確かに、扱いづらい女ではあるだろう。

「だーかーらー、老けませーん。まだ早いでーす。」

んべ、と舌を出しながら相手に言い返してやりつつ。

「それは私の部屋って意味ですってば。
 察してくださいよ。」

ぐぬぬ、と眉を潜めて相手に言う。
言いながらも、確かにまあ、無理して教会に泊めるのも眠れないのだろう、と考えれば………うーん、と唸る。

「まずはどこか開いてないか、宿の主人と交渉してからですけどね………」

肩を落とした。連れていくしかないと観念したらしい。

ブレイド > 「ばぁか、あんたも困ったら人の力くらい借りろっての
変わんねえのはいいけどよ」

ずびしとシスターの額を指ではじいてヘラリと笑う。
教会はともかく、彼女の想いが本物なのは前から知ってる。
教会からすれば、使えるが邪魔といった風情だろう。

「じゃあ、遅いも早いもなんていうもんじゃねーっての。
今度は指じゃなくて腰とかいわせちまうかもしれねーしな」

舌を出すシスターの姿。
前から思っていたが、このシスターは大人なくせに仕草そのものは幼気だ。

「察していってるんだろうがバカヤロー」

ケケケと笑いつつ、身体強化術で熱を増した手で彼女の頬に触れてみる。

シスター・マルレーン > 「借りてます借りてます。 ゴーレムの時も、土いじりの時も助けられてますから。
 なんだかんだ、私も一人の限界は感じるんですよねー。
 そういうとこでは、変わった、ともいえるのかもしれないですね。」

あう、っと指ではじかれながら。
もう、と頬を膨らませ。

「………察して言うもんじゃないです。
 何より、いきなりなにやってんですか、温かいですけど。

今度はこっちが、とばかりにデコピンをしようとする。
え、手袋がちょっと光り輝いている? そんなことないですよ。 どりゃぁ!

ぶぉん、っと空振りをするその音が棍棒の音だった。

「………さて、部屋が空いてたらそっちですからね。」

まったくもう、とため息交じりの女。 さて、と棍を持ち直し、ランタンを持ち上げ。

ブレイド > 「そういうことなら、状況は多少はマシかもな。
未だに一人で冒険者やてるオレの言うことじゃねーけどな…っ!?」

デコピンしようとする彼女の指
ギリギリで当たらなかったものの、闘技場でみたアレだ。
冗談で振るうような力ではあるまい。

「やめろよ、部屋どころか部屋のしみになっちまうだろ。
オレの頭が…ま、あいてりゃそのほうが都合がいい
あんたもそのほうが気が休まるだろうしな」

ため息をつくシスターの後につくように歩みだして。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からブレイドさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からシスター・マルレーンさんが去りました。