2019/10/25 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/裏路地」に竜胆さんが現れました。
■竜胆 > マグメールの貧民区とは、治安が悪いことで有名である。
基本的に富裕地区の人間が近寄ることはないと言われているのは、いまこの現状を見れば良く判る事である。
多数の浮浪者が道端に座り、道端の脇に或る家や壁はロクに手入れもされていないので、汚れ放題。
そして、金を持っている人間から奪い取ろうとしている悪漢が、多数屯する場所。
そういったイメージの場所であり、実際イメージとさほど変わりのない場所であろう。
そんな中を、少女が悠々と歩けるのは、単に彼女がか弱い女の子と言うだけではないからである。
確かに、その服装は上等の生地で作られたドレスであり、お金持ちであることが直ぐにわかろう。
楚々とした仕草も、ふわりと香る香水の香りも、この場にそぐわないものである。
ただし、その背中には竜の翼を持ち、竜の尾がドレスの下から地面をこする。
半分人で、半分竜―――故に、人竜。
頭の弱いチンピラでも、竜の眷属と思われる存在に喧嘩を売らないのだろう。
だからこそ、悠々と、裏路地を歩き、少女は先に進んでいく。
■竜胆 > 「確か、この辺りと聞いたのだけれども……と。」
少女は、蒼の瞳で周囲を見回し、うーん、と唸る。
貧民地区の路地裏、少女は意図があってやってきた模様で、探している物が有るのだ。
それは、やはり隠されているのであろう、直ぐに見つけることができていなかった。
少女が探しているのは、魔道具に関する店である。
伝手が無いわけではないが、其れは自分の伝手ではないし何よりも。
公的機関なのである。
ぶっちゃけて言えば、色々面倒だと思うのだ。
あれは駄目だこれは駄目だと言われてしまいそうで。
少女の知識欲、そして、所持する書物にははっきり言って禁呪と言われるものも存在する。
もともとの入手経路さえ、母の部下のドラゴンたちから、もらったというものなのだ。
人の法の外で手に入れた物ばかり、それで学習しているので、ばれると面倒。
だから、少女は一人、こういう所に来て、新しいものを求める積りなのである。
■竜胆 > 考えてみれば、こういう所に居るのだから、隠れている物なのだろう。
少女はうぅん、と小さく唸ることにする。
禁制のモノが欲しいと言う訳ではないが、そういうものを合う買うならば、それなりの書物も扱っているはずである。
と言うよりも、魔術師などの性格を考えれば、平民地区や富裕地区のほうは―――たぶん、宮廷魔術師とかそっちの方になるし、そっちの方は、お金に余裕があるから、本などは出すまい。
そう考えているから、で―――。
「仕方、有りませんわね。」
軽く息を吐き出し、少女は、蒼の竜眼に力を籠める。
己の力にアクセスし、竜の力を引き出して見せる。
自分の身を守るために抑えている力が、解き放たれて、万能感を覚え。
それとともに、体が軋むのが判る。
「――――っ」
息を吐き出して、少女は呼吸を整え、琥珀の色に輝く瞳で周囲を見回す。
竜眼で、魔力の流れを見るために。
■竜胆 > 琥珀色の瞳が、裏路地を眺めまわせば、今までと見えるものが変わってくる。
世界の色彩に、さらなる彩―――魔力とも、マナとも、精霊とも……そういったモノが少女の目に映り、その濃度も見えてくるのである。
訊いた場所には、そういったモノがなく、もう少し奥だろうか、と考える。
見つからなければ、見つからないもでいいだろう、その時は、無駄足だと帰るだけである。
その際に、情報を提供した、情報屋には、相応の痛みを覚えてもらう必要はあるが。
ふふ、と口元に薄く笑みを浮かべた少女は、路地裏をもう少し奥へと進んでいくのだ。
それは、自分の実力への大きな自信もあるのだから。
■竜胆 > 少女はそのまま、路地裏の道を進んでいく。
周囲の様子は、特に変わりがなく。魔力の濃度も、人工的に―――魔法を使ったような跡が見受けられない。
ふむ、と軽く鼻を鳴らして、少女はそのまま奥へと進んでいくのだ。
新しい魔導書が欲しいと思う。
が、有れば良いな、と言う程度のものでもあるし、無ければ無いで、良いかな、とか。
そんな風に考えながら、少女は路地裏の薄闇の中に消えていくのだった―――
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/裏路地」から竜胆さんが去りました。