2019/10/16 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にタマモさんが現れました。
タマモ > ここは王都マグメール、貧民地区。
入り組んだ裏通り、その一角で、何者かの叫び声が響き渡る。
余りに慌てふためいているのか、その何者かは、床を這うように、その場から逃げ去って行く。
場所も場所、時間も時間、そんな事が起ころうと、反応する者が居るのか微妙なところだ。

そして、そんな場所に佇むのは、暗い裏通りに目立つ白い影。
ゆったりとした白い着物に、無表情を模した白い仮面、白い被り物、まさに全身真っ白な姿だ。
逃げ去った何者か、その方向を眺めながら、佇んでいた。

「………ふむ、これだから、人を驚かせるのは止められん。
いやはや、楽しいのぅ」

と、そんな事を呟く、それは少女らしき声。
余裕のある着物を着ているのもあるか、ぱっと見では性別は分からない。
が、よく見れば身丈は低めなのは分かるだろう。

まぁ、言うまでも無い。
いつもの、少女の悪戯である。
人通りの少ないこの裏通り、姿を隠し、急に現わし驚かす、それだけだ。

タマモ > 「さて、後一人二人、と言った感じじゃろうか?
誰かが来れば、ではあるのじゃが…さてはて」

ぐ、ぐ、と体を軽く曲げ伸ばしして解す。
そう、ここは裏通りなのだ、必ずしも誰かが通る訳ではない。
それだけが、悪戯で驚かせる上での欠点ではあるか。

ゆっくりと、深く、吐息を吐く。
それに合わせるかのように、その姿は、すぅっと暗闇の中へ溶け込むように、消えてしまう。
…まぁ、本当に消えた訳ではない。
周囲の景色に同化した、それだけである。
水をぶっ掛けられれば濡れるし、偶然とは言えぶつかったりもするのだ。
それを利用した悪戯も出来るが、今回の目的は、驚かせる事。
とりあえず、そちらが優先である。

姿を消したまま、壁際に寄る。
よいせ、と適当な木箱に腰掛け、のんびりと待ちの姿勢だ。

タマモ > 何とも、誰か来るような雰囲気が…するような、しないような。
今のところ、一応、何人かは驚かせて満足はしてる。
ここらで誰も来なくとも、別に良いか、とも思えるもの。
来てくれるに限るが、こればかりは、己ではどうしようもない。

もう少しだけ、のんびりと待たせて貰おう。
適当な頃合で戻る、そんな感じで良いだろう。

後、どうなるかは…今はまだ、分からない。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からタマモさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にテリスさんが現れました。
テリス > 「…あー。ってぇな。あーくそ。」

ちょっとふらつく足取りでストリートを歩いて行く。
元々ローブにはほつれや汚れがあったものだが、今日は砂埃も少し多い。
ズキ、という痛みに舌なめずりをすると、唇の端が切れていた。

「…ちっ。」

加減なくやりやがって。
ぼそりとそう呟きながら、苛立ったように足元の小石を蹴りつける。

王都では珍しくない光景ではあるが、やけに横柄な警邏にこっぴどくやられたという話。
別段少年が何かしたわけではない。
情報探しに富裕地区へ紛れる事はあるが、今日は平民区にいて荷運びなどをしていた。
その際、因縁をつけられてこのザマである。
尤も、何もしてないのだから何もしていないと歯向かった自分も悪かったかもしれない。
正義か悪かではなく、その場しのぎという意味で、だ。

だがまぁ、あぁいう連中にヘコヘコするのも性に合うものでもない。
税金みたいなもんだよな、と思う。貧民区で暮らすものにとっては。
そんな考え事をしながら歩いていれば。

―――がしゃん。

「ってぇ!?」

道端の空樽に脚をぶつける。
くそったれ。今日はついてねぇ。そんな悪態をつく少年は、ストリートでは一瞬目立ってしまっていた。

テリス > 「あーくそ。だりぃ。」

と、ぼやきながら寝床へと帰っていく。
ちなみに、あと猫に絡まれたり犬に絡まれたりしたそうな。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からテリスさんが去りました。