2019/10/14 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にメリュジーヌさんが現れました。
メリュジーヌ > 本来であれば街が眠りに落ちるには、まだ早い時刻──
しかし、その界隈はしん…と静まり返っており、一足先に眠ってしまったかのようだった。
特に裏路地ともなると、人とすれ違うのは珍しいくらいである。
ただ、この界隈を経由して移動する者などが、たまに見かけられはした。

メリュジーヌ > そんな場所で、何の目当ても無さそうにぶらついている女の様子は、異端だった。
先ほどすれ違った酔っ払いなど、「おおっ」と驚きの声を漏らしたほどである。

さて、女が何をしているのかと言えば──
人漁り、である。
欲望の捌け口を探して、ふらりふらりと彷徨う姿は不規則に飛ぶ蝶の如く。

メリュジーヌ > 娼館にでも足を運べばいい、という話でもあるが…
女はそれを好まなかった。
商売で股を開くような手合いは、ありていに言ってそそらないのである。
こればかりは女自身でもどうにもならず、言うなれば業だった。

無論のこと、その程度で悲観的になるほど脆くはない。
今や、欲求が募る時間も、こうして地道に獲物を探す時間をも楽しんでいる。
時間をかければかけるほど、それを発散した時の悦びも大きい。
自分が欲求のはけ口にされる事態を考えていない辺りは、傲慢さの顕れか…