2019/08/31 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区 古い教会」にシスター・マルレーンさんが現れました。
シスター・マルレーン > さくり、さくり、さくりと掘った穴を埋めていく。

ここは貧民地区にある古い教会。元々は貧しいながらも人が多く、賑わう場所だったはず。
薬物を取り扱う犯罪者が出入りするようになってから、すっかりと分かりやすいスラムと化してしまった。

人の理性を快楽で押し流すそれは、どうやら王侯貴族やら上位の聖職者にも受けがいいらしく、かなりの高値で取引をされる。

その流通拠点の一つが、この古い教会だったということだ。


根城にしていた男たちは、まとめてひっ捕らえて憲兵に突き出した。
多少やり過ぎたかもしれない、とは今は思うが、どうにもならない。
怒りの持っていき場が無かった。自分の怒りの赴くままに足を、腕をへし折って、顔面を殴り飛ばした。

仕事の一つは、あっさりと終わった。

今は、被害者の墓を掘っているだけだ。

シスター・マルレーン > 教会に戻って、むせ返るような性臭に顔を歪める。おそらく、長くの間性の奴隷として人を扱っていたのだろう。しみついたそれは、血の匂いともまた違うもの。
思わず口元を手で押さえて、教会だったそれを歩く。

ベッド替わりにされた長椅子に、ロープや首輪。
直視するのも憚られる道具の数々。
分かってはいる。 この国で過ごす以上、どう考えても避けられない光景だ。

一歩間違えれば、自分がこの中にいた可能性もある。
というかギリギリの綱渡りをしている自覚がある。

「…………片付けますかー。」

はは、と明るく声を出した。沈鬱な気分になりかけたところで、自分の尻を蹴るように。

シスター・マルレーン > 仕事はもう一つある。
ここに残っているであろう"薬"を回収することだ。

警戒は怠らない。棍を構えながら慎重に教会だった場所の中を進む。
犯罪者が戻ってくるかもしれないし、話を聞かない憲兵でもやってこようものなら、薬を持っているだけで捕まる場合もある。
それどころか、この場所にまだ誰かが潜んでいる可能性だってあるわけで。

「………あれだけ大騒ぎしたわけですし、気が付かずに、というわけではないでしょうけどね。」

むせ返るような性臭と甘い香りの中で、ゆっくりと歩みを進めて。
金色の髪はさらりと揺れるが、額には汗がにじむ。

シスター・マルレーン > ……額の汗を拭って、深く、深く吐息をつく。汗が引かないのは怒りと運動のせいで、だと思っていたが。

「そりゃそうですよね。」

ため息をつきながら、香についていた火を消す。
今でも活動的だった拠点なのだから、絶賛薬使ってますよね。
禁止薬物をすっかり吸い込んでしまったのだから、そりゃあ身体の不調もおこるというもの。

その上で、薬物の錠剤をごっそりと見つけてしまえば、首を横に振る。
こんなものを抱えて、香にしたそれを吸い込んだわけですから、よっぽどの不良シスターですね、これ。

ふわふわと目の前が揺れる中で、棍をぎゅっと握りしめて耐える。

シスター・マルレーン > 「………とりあえず、ちょっと、休憩しますか。」

赤い顔で吐息をつきながら、教会前の階段に座り込む金髪のシスター。
禁止薬物を吸い込んでしまった上に、錠剤の入った袋を片手に溜息を深く深く。

「……………この薬、どうしましょうかね。」

小さな声でぼそりと呟く。
少なくとも言われるがままに上に渡す気には、全くなれない。
かといって、自分で抱えていてもよろしくない。
公権力に渡せば「依頼を無視して他の人に引き渡した」ことがどう考えても知れ渡ってしまう。

シスター・マルレーン > …しばらくは持っておきましょう。
ため息交じりに首を横に振って、シスターはそろりと立ち上がる。

片付けてから、明日はお休みでも戴こうかしら。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区 古い教会」からシスター・マルレーンさんが去りました。