2019/07/11 のログ
カーレル > 背後からする彼女の声に足を止める
一瞬見た所では夜鷹なんかには見えなかったし、彼女の姿、背格好に見覚えがあるわけでもない
どうして呼び止められたか、全く自分に覚えはないのだが、御婦人に呼び止められてそのまま行ってしまう、
というのは自分のポリシーに反する

「…何かな?呼び止められる理由が皆目検討もつかないんだが…?
 何か気に障ったのなら謝るよ?」

短くなった煙草を指で弾くようにして捨てる
僅かに首を傾げながら、顔に笑顔と疑問とが混じったようなものを浮かべながら彼女に改めて視線を向ける
どれだけ記憶を遡っても彼女の顔は出ては来なかったし、知己であれば自分も気がつくはずである
言葉通り、なぜ呼び止められたのだろう、と不思議に思いながら、ジッ、と彼女に視線を向ける

ルビィ・ガレット > 「――すいません。あなたが久方振りに会う、私の知人に見えたのですが。
 ……人違いのようです。何せ、声も背格好も、雰囲気も似ていたものですから」

――自分から呼び止めておいてなんだが。

逡巡の様子を見せ、少し黙ってから。女の口から出てきたのは、そんな言葉だ。
もちろん、嘘だ。彼をこれ以上、引き留めるのを止めることにしたから。
その際、咄嗟に作った「設定」だ。

もう一度だけ、謝罪の言葉を口にしながら。頭を小さく下げれば。
女は、彼とは正反対の道を行き――、

何事も無かったかのように、姿を消した。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からルビィ・ガレットさんが去りました。
カーレル > 彼女の言葉を聞けば納得が行く
暗い夜道、顔もはっきりと見えないのだから自分を誰かと見間違えるのも道理だろう
…自分に似ているのだからきっと良い男なのだろう…なんて内心、自惚れて1人勝手に苦笑する

「なるほど、古い知己と勘違いしたなら呼び止めるにゃ十分な理由だわ
 …気にしてない、その知人とやらに逢うことがあったらよろしく言っといてくれ
 この辺りは物騒だから気をつけて」

小さく頭を下げる彼女に向かってふらふら、と手を降ってみせる
彼女が姿を消してしまえば、ふぅ、と短く息を吐き
自分も彼女が消えたのとは逆方向、大通りの方へ向かって歩いていき、夜の貧民地区へ姿を消した―――

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からカーレルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にタマモさんが現れました。
タマモ > ここは王都マグメール、貧民地区。
今日は、特に追われてとか、そんな事はない。
何となく、来たかったから来た、その程度の理由である。

目的は、いつも通りになし。
適当に歩き、適当に何かあったら、適当に寄ってみる。

「………ふむ、これと言ったものが…見付からん…」

夜とは言え、この時期だ、涼しいとは言い難い。
だから、涼しそうな場所、涼しそうな場所、と歩いてみれば、気付いたら裏通り。
大通りから離れたのだ、当然と言えなくもない。
まぁ、時に、隠れた名店とかもありそうだが…はてさて。

ともあれ、少女は目的もないまま、人気も疎らな道を歩き続けているのであった。

タマモ > 場所も場所だ、そうそう見付かるものがある訳でもないか。
あるとすれば、すでに閉まってて分からない店とか、後は…人気もなさそうな小さな公園だ。

「公園と言えば、子供の遊び場との印象が強いのじゃが…
こう、何度見ても、あれじゃのぅ?」

富裕地区ならば、設備とか、色々としっかりしてるだろう。
しかし、ここは貧民地区、その場所の公園を、そこと比べるのもあれかもしれない。
実際に、何があると言われれば…
何だろう、広い空間と、ベンチくらい?
玉遊びをするならば、このただ広いだけの空間、存分に出来そうか。

「しかし、悪戯には不向きじゃな…」

公園に足を踏み入れつつ、ぽつりと呟く。
うん、隠れる場所もないし、何かやろうとすれば一発でばれる。

タマモ > あるのはベンチ、ただ一つ。
これで悪戯をしろとか、いくらなんでも無理だ。
と言う訳で、他の場所を………そう考えたところで、ぴくん、と耳が揺れた。

「おっと、前に頼んでおいたあれじゃろうか?
何も無かったのが、ある意味良かったのぅ…仕方無い、行くとしよう」

右見て、左見て、よし誰も居ない。
たんっ、と地面を蹴れば、少女の姿は、すでに消えていた。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からタマモさんが去りました。