2019/07/06 のログ
ミユ > 「ふふっ」
ミユは目を丸めて、呆気に取られた様な声で答える大男に、
少しはにかんだ様な笑いをみせて…

「こんなところで何されてたかはしらないですけど…
 いつ潰れて来てもおかしくない廃屋ですから、
 気を付けた方が、よいかもしれません…」

泥まみれの様な大男に、ハンカチをやめて、タオルを1枚渡そうと、
そして、

「そのままじゃ、外も歩けないでしょうし…
 このタオルで少し綺麗に拭いたほうがよいでしょうね…」

と、つぶらな瞳を細めて、そう呟いて…

イグナス > 「ああ、いや……ひるね、をしていたンだが。
 だいぶ寝てしまったみてェだな…ァ。」

ぼんやりと空を見上げる、茜色。どれだけ寝てしまってたかも、それでわかるというもの。
いやあ、彼女の忠告もまさしくである。本当だな、と苦笑い。
渡されるタオルには遠慮なく、ありがとな、と声を掛けて。

「――あー…まァ、なあ。
 気にしないつうか、別にいいっちゃア、いンだが。
 でもま、確かに酷いカッコだ。――んー、どっかで着替えるかなんかしたいとこだが。」

とはいえ着替えもない。とりあえずはお言葉に甘えて、ごしごしと己の身体をタオルで拭いてく。

ミユ > 建てられてから100年は建ってるかと思われる教会の廃屋、
それも穴だらけ、どこもかしらも埃だらけ塵まみれ…
入口すらも朽ち果てて、なんとも寂れ切った元教会。
見上げると、茜色の空すら見える…なんともいえない有様…

普段は気にせず通り過ぎる所であったが、中からの凄い音にびっくりして
中を見つめて、みつけた大男ではあるが…

「ん~この中で昼寝とは……」

と首を捻るミユ…
ふと、ストリートチルドレンの様なものを思い出し…

「家はあるのですか?」

と、少し哀れんだ表情で見つめてしまうミユであったが…

イグナス > ぱたぱたと頭の上に乗ったほこりも落とす。ああ、酷い有様だ。
まったく、と緩く肩を落として。
それでもタオルのお陰でなんとかきれいになりつつは、あるのだけども。

サンキュ、とタオルを持ち上げる動作をした直後。
言葉に驚いて、目を丸めた。

「―――まてまて、何か、お前、かんちがいしていないか。」

憐みの視線に、あわてたようにふるふると手を振る。いやそうじゃない、寝ていたのはそういう理由じゃあなく。

「や、確かに持ち家ってヤツはないが、あー…。
 アレだ、ほら、おれは冒険者だからそんなモノだし。普段や宿に泊まっている…!」

ミユ > 「んとっ…冒険者の方だったのですね…ごめんなさい…」
と、表情を変え、納得した表情で笑みを零して頭を下げるミユ…

そして、受け取ったタオルをパタパタと叩いてから、折りたたんでポーチに仕舞い。

「私はミユっていうんですけど…この街から出たことなくて、冒険者様なんて、
 なかなか出会えないですから、つい勘違いしちゃって…」

なんて、ペコリとごめんねって。

「う~ん、だったら、平民地区にあるミユのお宿とか、どうですか?
 貧民地区にはお値段では負けますけど、平民地区ではそこそこ人気でお安いお宿
 なのですよ?」
と、ちゃっかり営業しちゃったりして…

夕暮れの寂れ朽ちた教会の中、見つめ合う一人の大男と一人の少女…

イグナス > 「いい、いい、わかってくれりゃァ。…ま、根無し草って意味じゃァそんな変わらンしな。」

誤解されたままも勘弁だが、解ければなんてことない。ぱたぱたと気軽に手を振って。
はあ、しかしなるほど。目の前の少女はこの街の中だけで完結する人間なのか。
なるほどと、頷いて。

「ん、…ァ。宿、…ミユ――ってのは、アレか。お前?
 お前ンとこの、宿ってか……ふ、む。んむ。
 使わせてもらうのも悪くねェなあ。」

こういうのは縁である。それなりに楽しいことも多いものだ、よって前向きに。
了解して、じ、と視線を向ける。今更だが、ミレ―、のように見える。
じいとつい、見入っていたのに気づいて、咳払いひとつ。

「あー……名前がまだだったな。
 さっき言った通り、冒険者のイグナス、という。」

ミユ > 「いえいえ、冒険者様なら、色々とご苦労もありますでしょうし…
 今日は何かの縁って事で、割引価格で!」

ちょっと浮浪者と勘違いしてしまったという申し訳なさというかなんというか…
そういうのでつい営業も兼ねて、言ってしまったミユではあるが、

ミユは金髪金猫耳尻尾でメイド服な…あまりここでは似つかわしくない格好ではあるし、
もう夕暮れ、あまり外に居ては危ないし…

「ふむふむ、イグナス様でしたか。先ほどの非礼はお詫びしますね。
 そして、宿にご案内いたしますね~」

と、お宿に誘おうと、大男の手を取ろうとして…

イグナス > 「おうおう、なんだ、話がわかるじゃあねェか。ぜひ。
 ―――で、ミユ、で合ってたんだな。OK,よろしく、ミユ?」

手を取られるのに合わせて、立ち上がる。
実に大きい。のし、と完全に見降ろす格好となって彼女に視線をやりつつ

「それじゃ、遠慮なくいかせてもらおうか、頼む。」

別段この大男と一緒に居れば危険は…別の種類の危機はともかく、命の危険はない。
が、それはそれとして厄介ごとには触れない方がよかろう。
彼女の提案に乗り、宿へと向かう。

さて、——宿の方で何事もなければ、きっとなにかあるんだろうけれど。
今はとりあえず、この廃教会を後にする――

ミユ > と歩いて、10分くらいだろうか…誘うミユとそれに付いてくるイグナス様

ミユは、イグナス様と世間話などもしながら、てくてくとマイペースで歩くミユ…
背丈差を考えると、イグナス様は限りなく遅いテンポで歩いているかもしれないが…

さて、着くは今日は空いてない居酒屋の隣にあるお宿…たしかにお宿ではあるが…
ちょっと普通のお宿ではない模様が分かるだろうか…

まあ、夕暮れ時、さすがに少女1人では危ないといえば危ない…
そういう意味でもイグナス様と一緒であることは、安心感がある…
しかし、その後はある意味で危ないかもしれないが、それはミユは了承済みでもあり…

「ここの二階なのですよ…」

と、さらにイグナス様を誘う…

イグナス > なんとなく、というレベルではないか。間違いないだろう、風情が異なる、宿。
彼女について歩いて、到着。
居酒屋の方を軽くチェックしつつ、言葉の通りに後ろをついて、2階へとあがってく。

「なァ、ミユ。…ここがお前の宿、か?」

問いかけながら、どんな設備、部屋があるだろうかとジロジロと視線を回していき。

ミユ > 登る階段に続くカウンターには、ヒマそうに転寝してる宿の店主のような男が一人。

「マスター!」

と、ミユが声をかけると、マスターは二人を一瞥して、帰ってくるのは言葉ではなく、
鍵1つ。鍵には部屋番号が書いてあり、今日はこのまま二階のようだ…

さてさて、ある意味…別の意味で宿泊所と言ってもいいこのお宿…
そしてそこに入っていく二人…この後はもう夜の香りがする風と
二人のみぞしる………。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からミユさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からイグナスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区 路地裏」にリーゼさんが現れました。
リーゼ > どんよりとした曇り空
今にも降り出してきそうなほどに辺りは暗く、更に場所が貧民地区の路地裏となれば風通しも悪いために重苦しい湿気が溜まっていた。
それに混じって、この辺り特有のアルコールや何かの香を焚きしめたような匂いが混じると、とてもじゃないけれど、長居したいとは思えない。

(さっさと用事を済ませて帰ろう。
 帰ったら、富裕地区でスイーツを奮発しちゃおう!)

立っているだけでも、じっとりと汗が滲んでくる。
それなのに、先ほどから似たような道をあっちへ行ったりこっちへ行ったり。
なかなか目的地に辿り着かない。
貰った地図はいい加減なもので、正しいのかどうかもよく分からないのだけれど。

(このお店……実はもう潰れてて、通り過ぎちゃったとか……)

何度目かのため息を吐くと、通りの隅に無造作に置かれた樽の上に腰かけ。
ギルドで貰った走り書きのような地図を開いてみる。
そこには線が数本。そして大きな丸印。子どもでももう少し丁寧に描くだろうというという地図が描かれていて。

リーゼ > しばらく地図と睨めっこしていたけれど、どうにも埒が明かない。
仕方がないので、地図を仕舞ってこのまま路地を突き進むことに。

雨が降り出す前に、目的のお店を探し出せたかどうか―――

ご案内:「王都マグメール 貧民地区 路地裏」からリーゼさんが去りました。